■[ラノベ]だって将棋が好きだから「りゅうおうのおしごと!」3巻
りゅうおうのおしごと! 3 (GA文庫)
著者/訳者:白鳥 士郎
出版社:SBクリエイティブ( 2016-05-13 )
作者サイト:のうりんのぶろぐ
作者twitter:白鳥士郎(@nankagun)さん | Twitter
絵師サイト:Life is free
絵師twitter:しらび(@shirabii)さん | Twitter
Kindle版:りゅうおうのおしごと! 3
Kindle版まとめ買い:りゅうおうのおしごと!
八一がデビュー戦以来、一度も勝ったことがないオールラウンダーの山刀伐八段。
何とか彼に勝つために居飛車党だった八一は振り飛車を学ぼうと、
「捌きの巨匠」生石充玉将の元を尋ねることに。
一方で八一の姉代わりで妹弟子の桂香さんは研修会で降級の危機に陥っていた。
年齢制限がありプロになれるかの崖っぷちの桂香さんは焦燥に駆られて…
あまりの面白さに震えが止まらない…
元々面白い作品ではありましたが、3巻に来て更に覚醒しちゃいましたね。
八一やあいといった才能の煌めきが面白いのは勿論なんですが、
桂香さんや飛鳥ちゃんといった凡才たちの泥臭い戦いも熱いんですよ!
心にひりつくような熱い面白さがここにはあります!
それにしても八一は強いとは思ってましたがここまで強いとは…
今までもその強さを発揮してましたけど、ここにきて本当に主人公らしい強さを見せてきたなぁ。
今回の振り飛車と超急戦から八一が出した三連続限定合って、
2010年の王将戦がモチーフなんでしょうが、
それによって八一の天才っぷりが思う存分伝わってきて痺れるんですよね。
やっぱり天才ってのはカッコイイんだよなぁ。
でも共感できるのは桂香さんなんですよね。
才能は研修会にいるからには人並み以上はあるんだけれど、
将棋に没頭できるほどの情熱はなく、でも25歳という年齢はもう引き返せないもので、
焦りながらの努力は上滑りするばかりで身につかずどんどん弱くなり、
更に焦ってしまってという悪循環。
桂香さんのプロフィールを知った時からいつかその時が来るとは思っていたけど、
それがこうまでも赤裸々に、真っ正面からぶつかってくるとは思いませんでしたよ。
そして、その衝撃がもたらす面白さは何者にも代えがたいものがありました。
そんな桂香さんに相対するもう一人の主人公であるあいですが、
彼女も彼女で辛く、厳しい試練を乗り越えていて素晴らしかった!
プロへ到るためには友達でも家族のような人を相手にしても容赦なく勝たなくてはならない。
そして何よりも負けたら泣いて走り去りたいほどの口惜しさがあるから、
どうしても勝ちたいという棋士たちの心理が如実に伝わってくるような迫力がありましたね。
小学生でその熱意を持つとか本当に末恐ろしいお子様やで…
もちろんライトノベルですので、
可愛い美少女たちの銭湯でのキャッキャウフフだったり、
ラブコメ要素も入っていたりとそういった面白さもありましたが、
それ以上に熱い面白さがある3巻でした。
近年稀に見る傑作なので3巻というまだ巻数が少ない今のうちに是非とも読んで欲しいですね!
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