本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!
:: 2017/3/3 金曜日::

■[ラノベ]残酷と冷徹「現実主義勇者の王国再建記」3巻

国内の三公問題を解決し、国外からの侵略も征伐したエルフリーデン王国。
アミドニア公王も死に、公国の首都を占領しながらもソーマはこれからを楽観していなかった。
そしてソーマが予想していた通りにユリウス王子の要請により、
人類宣言の盟主である帝国から使者がやってきて…

この作品は戦記ではなく王国再建記という名の通り、
戦後の方に物語の重点が置かれている作品です。
ですので、戦記モノなノリの2巻も面白かったけど、
内政モノなノリであるこの3巻も盛り上がってて面白いです。

特に帝国の使者である王妹のジャンヌとの交渉が面白かったですね。
お互いが持っている情報を交換するだけでなく、
ソーマが異世界人だからこそ持つ魔族と魔物に対する視点だとか、
そういったアレコレが興味深かったです。

それとソーマが断行したマキャベリの”残酷”
これはかなり思い切ったなぁ、と思います。
マキャベリの君主論をソーマなりに読み解いて、
将来の禍根を一掃する手腕は爽快であり、恐ろしくもありましたね。
普通の日本人だったソーマがその境地に到ることが出来るとは…
それほど家族が大事で、征伐で心が強くなったのでしょう。

それにしても着々とハーレム化が進んでるソーマのお妃問題ですが、
これからまだ増えていきますよね。
次巻でも増えますが、それよりも問題なのがボリュームをどうするかでしょう。
Web版の頃を考えるとアミドニア編だけでは足らないと思うのですが…
これは書き下ろしが増える予感…!?

:: 2016/12/11 日曜日::

■[ラノベ]王道的な面白さ!「生ポアニキ パンプアップ」

生ポアニキ パンプアップ (オーバーラップ文庫)
著者/訳者:アサウラ
出版社:オーバーラップ( 2016-10-22 )

作者サイト:アサウラの生存観察室
作者twitter:アサウラ(@asaura_seizon)さん | Twitter
絵師サイト:てら速
絵師twitter:赤井てら(@akaitera)さん | Twitter
Kindle版:生ポアニキ パンプアップ
Kindle版まとめ買い:生ポアニキ

2年前、異色すぎるタイトルと表紙で局所的に話題になった「生ポアニキ」
それがパンプアップして帰ってきた…!

恋愛生活保護でマッチョなアニキと赤毛美人のユリがやってきたユースケが、
筋トレという手段を用いて地道に努力して少しずつ成長していくという、
パッと見は変わっているけれど、中身は王道的なモノです。
具体的に言うと…

全力を振り絞る男は格好良い。
そして恋する女の子はとても可愛い。

つまりはそういうことです。

ユリからの告白の返事が保留状態のユースケの元にまたもや恋愛生活保護で女の子がやってきた!
という出だしから始まる訳ですが、今度のヒロインの下野ナナはロリです。
アザミと若干属性が被っているけどそれ以上の問題があるのです。
ナナは膠着状態から脱する起爆剤になりますが、
同時に毒薬を流し込む危険なヒロインでもあるのです…!

今回登場した悪役である人気動画配信者であるジュンイチですが…
これがもうね! ラノベ読者の9割を敵に回すような嫌な奴でね!
自己中で傲慢な自意識過剰タイプでね!
あれだ、はちまや刃を悪魔錬成したようなタイプというかね!
ユリがジュンイチの毒牙に掛かりそうになった時は、
「ジュンイチ殺すべし、慈悲はない」状態になっちゃいましたね!

ただ、ユリが看破したようにジュンイチは格好つけてるだけなんですよね。
マニュアル化された手法を用いて格好つけてるだけの中身スカスカ野郎なだけ。
ただ、マニュアルが悪いというわけではないんですよ。
ユースケがアニキから教えられている筋トレもマニュアル化されることにより、
事故や怪我を極力減らし、効率的に鍛えられるようになっているわけですし。
ただ、マニュアル化されたそれらを用いて、
上辺だけ取り繕うか、心身ともに鍛えるかという違いなだけなんですが、
それこそがジュンイチが格好つけで終わり、
ユースケが格好良い男になるという歴然とした差を見せつけてくれるんですよね。

いやー、それにしてもユースケは格好良かったなぁ…
あれを見せられたらユリが惚れるのも仕方ないですよ。
そして、恋するようになったユリの可愛さたるや!
これはヤバイ! 萌えすぎる…!!!

しかし最後にすごい爆弾仕込んでいきましたね…
これは次巻がメチャクチャ楽しみになってくるのですが…
刊行はまた2年後とかかなぁ…
何とか1年くらいにならないかしら…?

:: 2016/10/30 日曜日::

■[ラノベ]初めてのデート「キミもまた、偽恋だとしても。 1 下」

村上政樹と長島薫子。
隠れオタクな二人が偽装恋人になったら、
お互いの家の事情が判明して長老衆が大歓迎ムードになってしまい、
今後どうなるのか分からない青春ラブコメの2冊目です!

半年も経たずに2冊目が出るとか渡辺恒彦さんにしては珍しいハイペースですが、
ファンとしては嬉しい限りですよ。
「理想のヒモ生活」も面白いけど、こちらの作品もかなり面白いですからね!
今時の中高生向けっぽい内容なのもグッドだと思います。

二人のゴールデンウィーク中の行動がメインでしたが、
こう、なんというか、良い意味でドキドキハラハラしますね!
初めての恋人らしいデートのドキドキ感とか、
もうすっごく青春っぽいじゃないですか!
政樹が無駄に下調べして苦悩してしまうとことか若さが滲み出てて微笑ましいし、
髪飾りをプレゼントされた時の薫子とか超可愛いじゃないですか!
まぁ、髪飾りのはずなのに挿し絵が耳飾りだったのには幻滅しましたが…

それとお互いがオタクを隠しているのにニアミスしまくるのはハラハラしましたね!
いつバレるんだろうというハラハラ感もありましたが、
早くバレてさっさともっと親密になれよ! という思いもあるんですけどね。
まぁ、懸念だった先代のオタク嫌いも事情が判明して読者的には安心できたけど、
政樹はまだ分かってない状態だからなぁ。
バラす決断を下すまでには到らないのも仕方ないんですけどね。

それにしても随所で共感できるところが多い作品だと感じましたね。
地方の進学校の校内での学力差とかあるあるというか、私の高校もそうでしたし、
地方の即売会とかめっちゃ雰囲気分かりますよ!
あと、男女における服選びの意識の違いとかもそうですし、
めっちゃ「わかるー」的なところが多いと言いましょうかね。
共感できて面白いんだなぁ、これが。

次巻も気になるところですが、二人はいつオタクだとバレるんでしょうね。
まだまだ焦らして欲しい気もするけど、どうなんだろう…
まぁ、リヴァイ兵長の尻を見上げるアングルの魅力について語ろうとしちゃうあたり、
薫子の方が先に限界迎えそうな気がしますけどね。(笑
夏コミで政樹が書いているSSを本にするとか何かしらのイベントが起こって、
二人がビッグサイトで出会うとかの展開があれば良いなぁ、と思う次第であります。

:: 2016/10/26 水曜日::

■[ラノベ]傲慢と恥知らずのロンド「フレイム王国興亡記」5巻

フレイム王国興亡記 5 (オーバーラップ文庫)
著者/訳者:疎陀陽
出版社:オーバーラップ( 2016-09-21 )

作者サイト:作者サイト:疎陀 陽
絵師サイト:ニリツハイハン
絵師twitter:ニリツ(@Ann_NH)さん | Twitter
Kindle版:フレイム王国興亡記 5
Kindle版まとめ買い:フレイム王国興亡記

4巻から一年以上のブランクを空けての5巻発売。
しかもイラストレーターの変更とか、
Web版のストックがあることから考えて、
これはどう考えても出版社とイラストレーターの問題のブランクじゃないですか…
とばっちりを食らった疎陀陽さんが可哀想です…

しかし疎陀陽さん以上に可哀想なのがこの作品の主人公、松代浩太ですよ。
ソルバニアの陰謀の魔の手をかいくぐり、
何とか港湾開発の株式会社が軌道に乗ったかと思うとまさかの戦争ですよ。
唐突というか理不尽というか、そりゃないよ~、と言いたくなる事態ですよ。
召喚されてからこっち、試練ばかりじゃないですか。
そもそも召喚されたこと事態が特大の試練ですしね。
物語の英雄には試練が付き物ですが、それにしたって悲惨ですよ。

特にWeb版からの改稿で浩太に降りかかる理不尽は減るどころか倍増するばかりで…
作者の疎陀陽さんは極度のドSなんじゃないかと邪推するほどですね!(笑
もしくはリアルでどんだけブラックな理不尽を経験しているのかと!

そもそもライムとラルキアの戦争の原因もライムの傲慢で恥知らずな要求でしたが、
浩太が巻き込まれた理不尽も、極論を言えばライム商人の傲慢と恥知らずでしょう。
危機感が足らずに色ボケして暴言吐いたから暴行されただけだし、
そもそもテラ領に険悪な雰囲気になったのだってライム商人のせいで、
つまるところ身から出た錆、自業自得、因果応報なだけなのに、
それを全て為政者側におっかぶせるとか愚かで恥知らずすぎるでしょう。
よくこれで国で有数の商会になんてなれたものだなぁ…
いや、だからこそなのか…?

浩太が優秀なのだって、ひたすら努力して練習問題を反復して身につけたものなのに、
戦争という平和な日本の銀行員には練習も経験もしようがない問題にぶち当たるだけでなく、
エミリを除くヒロインたちからの無理難題を押し付けられるとか、
悲惨以外のなにものでもないよなぁ…
この5巻で一番ヒロイン度が高かったのって、もしかしなくても残念美女のシオンなのでは…

しかし、ご安心ください。
この5巻のラストに真のメインヒロインが登場ですよ!
まぁ、台詞もわずかだしイラストもないですし、
そもそも本編に絡むのは7巻以降になるでしょうが!

Web版からは順番入れ替えたり加筆が多かったりで今後どうなるか判りませんが、
もう少し浩太に理不尽な試練が減るようにお願いしたいですね。
理不尽な試練は現実だけで充分です…

:: 2016/9/29 木曜日::

■[ラノベ]さあ、征伐をはじめよう。「現実主義勇者の王国再建記」2巻

マキャベッリの「君主論」や孫武の「孫氏」とかを愛読する現実主義者のソーマが、
異世界に勇者として召喚され、すぐに王位を譲られて内政チートする1巻から一転し、
この2巻では内憂外患を一挙に征伐する戦争の章です。
つまり、陸軍、空軍、海軍を掌握し、ソーマに非協力的な三公への最終勧告から突入する内戦と、
内戦を好機とした隣国のアミドニア公国の侵略との電撃的な戦争が綴られています。

私はWeb版からの読者なので大きく戸惑いましたね。
だってカストール・バルガス公が脳筋で頑迷なバカから友誼に厚い漢になっていたんですから。
まぁ、曲がりなりにも数十年領主をしている長命種なんだから、
ただのバカだとおかしいですしね。
この書籍版の方がしっくりくると思います。

逆にWeb版から変わってないのが妄執に取り憑かれたアミドニア公王のガイウスでしょう。
国是が復讐というあたりで既に狂気ですが、
そんな狂王がソーマとハクヤの策略に手玉に取られているのはスッキリしましたが、
ソーマたちですらゲオルグ・カーマイン公の策略に苦い思いをしているし、
何より真の脚本家に踊らされているというのが複雑ですよね。

王という重責と戦争という現実を前に王という名のシステムに自分を組み込んで、
自我を押し殺しているソーマを見ているとヤキモキしますが、
リーシア姫やジュナさんたちといったヒロインが支えているあたり、
ある意味恵まれてるなぁ、と思うわけですよ。
これで戦争に一区切りが付いたわけだし、
元のソーマに戻る日も近いのではないでしょうか。
それはそれで振り回される人は胃が痛いかもしれませんが。(笑

さて、次回は「人類宣言」を提唱したグラン・ケイオス帝国が出て来るわけですが、
Web版のままなら戦争はほぼ起こらないのでご安心ください。
でも、ある意味もっと残酷なことは起こるかもしれません。
web版と変わるところがあるのかも楽しみですね!

:: 2016/5/27 金曜日::

■[ラノベ]理想の婚約者生活「キミもまた、偽恋だとしても。1 (上)」

滑り止めで受けた岩下学園に越境入学をした平凡な少年の村上政樹と、
地元では知らぬものはない名家のお嬢様で容姿も端麗な長島薫子。
ある日、薫子から偽装彼氏のお願いをされた政樹は下心から引き受けると、
実は政樹は江戸時代から続く長島家の主家の直系だったことが判明し、
薫子の祖父の豪蔵をはじめとした一族の長老衆から大歓迎される事態に!
更に政樹と薫子はお互いにオタクであることを隠している上に、
豪蔵が大のオタク嫌いなことから事態をややこしくして…

「理想のヒモ生活」作者の渡辺恒彦さんがオーバーラップ文庫で手掛ける新作!
今度は舞台が異世界ではなく現代学園モノだし、
主人公もサラリーマンではなくオタクな高校生という、
いかにもラノベっぽい題材なんですが、これが面白いのです。

政樹も薫子も特別キャラが立つような言動ではないんですがキャラが立ってるんですよね。
政樹は普通の高校生男子っぽい思考回路だしオタクとしてもスタンダードなので、
読者としても共感を持ちやすいところが多々あるんですが、だからこそキャラが立っているというか。
薫子も美人でスタイルが良いんだけど家柄もあって高嶺の花すぎて告白されたことがないから、
チョロインの資質を持っているのが可愛い上に、
隠れ腐女子として生活しているところが魅力的というか。
自宅でスカートもはかずパンツだけというラフな格好をしているのも良いですよね。(笑

ラブコメ的には流れで大胆な告白をすることになった政樹は良い仕事したと思いますし、
それにあっさりと絆される薫子にもニヤニヤさせられますよね。
それにお互いがオタクだとバレないようにしながら、
綱渡りのような生活を続けていながら、
ネット上ではお互いの趣味が被ってニアミスどころか交流まで始まってて、
読んでて最高にニヤニヤ出来ちゃいますよ。(笑

凄く面白いので続きが気になりますが、
「理想のヒモ生活」も大好きなのでそちらの刊行も是非お願いしたいところです。
7巻を何度も読み返してるけれど続きが早く読みたいことこの上ないので!

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