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:: 2012/2/27 月曜日::

■[漫画]規格外品だって良いじゃない、美味しいんだもの「百姓貴族」2巻

百姓貴族 (2) (ウィングス・コミックス)
著者/訳者:荒川 弘
出版社:新書館( 2012-02-25 )
コミック ( ページ )

ニコニコ静画で2巻の1話目が立ち読み可能なのでまずはご覧になればどんな内容かお分かりになるかと思います。

荒川弘と言えば「鋼の錬金術師」があまりにも有名ですが、
近年始まった「銀の匙 Silver Spoon」でも分かるように農家の子でもあります。
「百姓貴族」自体は以前から1巻が出てましたが知る人ぞ知る状態だったので、
「銀の匙 Silver Spoon」効果で農業モノ作家の認知度向上とニコニコ静画でのプロモーションで、
より多くの人が気軽に読むようになったらなー、と思います。
コミックナタリーの特集記事で「ラーメン屋さんでながら読みしてほしいような作品です。」と仰ってますしね。
ただ「いや待てよ、フンの話が出てきますので、食事中はダメか(笑)。」ともあるので注意が必要です。(笑

農業エッセイなので基本的に荒川弘さんの実体験ばかりなのですが、
農業と言っても北海道で酪農と畑作をやっているというハードフル(造語)な農業ですので、
正直そこら辺の兼業農家とは段違いの苦労ばかりで農家の子供な私も驚きの連続です。
いや、むしろ中途半端に知識や実体験があるだけに非農家な人より衝撃は大きいかも…

とはいえある程度共感できる所は多々ありまして、その最たるものが規格外品の扱い。
そうなんですよね、農作物ってのは基本的に規格外ばかりで、
その多くは自分たち農家で消費するので、むしろ綺麗な野菜は食べられないのが真面目な農家なのです。
昔、美味しんぼのアニメで自分たち家族用の米には農薬を少なめに撒くとか見た気がするんですが、
そんなのありえなくて、むしろクズ米ばかり食べるのが普通じゃないんでしょうかね、農家って。
もっとも、作中にあるように必ずしも規格外=まずいという訳でもないのも確かなんですよね。(笑
里芋とか小さい規格外品ばかりで作った味噌田楽とかかなり美味いです。

まぁ、何にしても本格的な北海道農業のエッセイ漫画というのは漫画業界では規格外かもしれませんが、
だからこその面白さがあるので何の気なしに手にとって読んでみるのも良いんじゃないかな、と思います。
知られざる牛のアレコレやハリウッド並のアクションを日常で決める親父さんとか、
ノンフィクションなエッセイなはずなのに漫画以上にフィクションっぽい出来事ばかりなので、
気軽に読んでも充分楽しめると思います。(笑

:: 2012/2/7 火曜日::

■[漫画]ピザ作りに鹿の解体。農業の深さを思い知れ!「銀の匙 Silver Spoon」2巻

銀の匙 Silver Spoon 2 (少年サンデーコミックス)
著者/訳者:荒川 弘
出版社:小学館( 2011-12-14 )
コミック ( 192 ページ )

私も実家が農家ですが、四国の普通の米農家な上に生まれつき皮膚が弱くて農薬に負けてかぶれるので、
非常に役立たずですのでぶっちゃけ八軒ほどに過酷な日常を過ごしていないのですが、
色々と共感出来る所があるのも確かだったりします。
まぁ、一番共感出来る所は進路関連で悩んだりってトコなんですけどね。
八軒の場合は中学の時に白石先生が居てくれたのが一番の幸運なのかも知れないなぁ、
とピザ回の時の白石先生の述懐を読んでて思いました。

2巻では鹿の解体に牛の出産と、生き物の生死に関する所も逃げずにしっかりと描写しており、
グロくならないギリギリの所を攻めるのは流石だなぁ、と思わされます。
そういえばサンデーはじゃじゃ馬グルーミン★UP!とか連載されてましたもんね。
雑誌的にこういった関連に一家言があるのかもしれない…

北海道農家と言ってもピンキリなことを見せてくれる夏休み編。
うちの実家的には駒場の家とかの雰囲気が近いけど、
企業に勤める今ではタマコの実家が経営するシステマチックな農場に憧れがあるなぁ。
コンテナ式植物工場とか超カッコイイ…

まぁ、それはともかく北海道の農業に偏ってはいますが、
農業の厳しさや葛藤をしっかりと描きつつも少年漫画として非常に完成度が高く、
流石は荒川弘だなぁ、と思わされる「銀の匙 Silver Spoon」2巻でした。
そろそろサンデー伝統のラブコメ成分が追加される頃合いなので、
3巻収録分にも期待したいです。

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