■[漫画]歌は人の心のうちに鳴る楽器「とめはねっ!鈴里高校書道部」13巻
とめはねっ!鈴里高校書道部 13 (ヤングサンデーコミックス)
著者/訳者:河合 克敏
出版社:小学館( 2014-12-26 )
「書の甲子園」と望月さんの退部までのタイムリミットが刻々と迫る夏の合宿編ですが、
この13巻ではその合宿編はまだ終わっていません。
ですが、それを感じさせない濃密な出来事が多々有り、
全く目を離せない面白さが詰まっています。
「書の甲子園」で連覇を成し遂げるために難易度が高い書に挑む一条と、
退部してしまう望月さんへの想いを込めた書にしたいと望む縁。
望月さんへのアプローチまで含めて対照的な二人ですが、
書への情熱はお互いに負けておらず、お互いの書へのアプローチが中々に面白かったです。
金文の篆書、しかも一部の文字は金文にないからと甲骨文字から持ってきて、
その為の知恵を三浦先生に借りるとか、一条の書は本当にハイレベルでした。
それに対して、縁は自分が望月さんと共に培ってきた技術と、
その想いを伝える言葉を見付けて、ひたすら真面目に取り組む姿は応援したくなりますね。
今までの河合克敏作品の主人公はイケメンリア充タイプが殆どだったので、
一条みたいなキャラクターがライバルキャラで、縁が主人公というのは非常に珍しいです。
ですが、それで今までにない深みのある面白さが出てると思うんですよね。
地味だけど実直な縁の想いが望月さんへ伝わって欲しいと思います。
また、三浦先生がかつて衝撃を受けた井上有一の「噫横川国民学校」ですが、
見開きで描かれていて衝撃的でした。
一応ググればその書を見ることが出来ますが、
出来れば漫画の中で読んで欲しいですし、その後実物も見てみたいですね。
さて、巻末で予告されてましたが次の14巻で最後です。
縁の書に込めた想いが望月さんにどう届いたか。
「書の甲子園」の結果がどうなったか。
色々と気になることが多いですが、今年の春に出る最終巻に期待しています。
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