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:: 2014/4/30 水曜日::

■[ラノベ]西方諸国に吹き荒れる戦乱の嵐にロボット馬鹿が参戦!「ナイツ&マジック」4巻

ナイツ&マジック 4 (ヒーロー文庫)
著者/訳者:天酒之瓢
出版社:主婦の友社( 2014-04-28 )
文庫 ( 376 ページ )
作者サイト:絵師空域 — Index
作者twitter:天酒之瓢 (Amazake_Write)さんはTwitterを使っています
絵師サイト:D.S.B.
絵師twitter:黒銀 (kkkkurogin)さんはTwitterを使っています

2巻でガンダム等ロボットモノでお約束の新型機強奪イベントがありましたが、
今回はその伏線が効いてくる西方諸国で巻き起こる騒乱編です。
後に大西域戦争と呼ばれる戦乱に当初は血縁から首を突っ込んだフレメヴィーラ王国が、
戦争を仕掛けたジャロウデク王国こそが新型機を強奪した犯人と知り、
本格的に参戦していくコトになるんだけど…

いやー、良いですね、やっぱり!
他人の褌で相撲を取りながら驕り高ぶる痴れ者達を相手に、
颯爽と現れて薙ぎ払っていくエルたちの活躍は爽快でした!
ジム相手に盗んだ技術で作ったヤクト・ドーガで殴り込んで良い気になっていた所に、
Vガンダムに乗った本家本元が現れて懲らしめるくらいの技術格差といった所でしょうか。
これは燃える!

それにしてもエルくん、判ってはいたコトだけど人間が乗る幻晶騎士相手でも容赦ないっすね!
むしろロボット馬鹿が炸裂しまくりで次々と破壊&鹵獲してホクホクとか流石すぎる。
エル以外の面々も飛空船という初見相手でもエルで耐性が出来てるから迅速に相手しちゃうし、
夜襲を掛けられても魔獣相手の経験から簡単に撃退したとか頼もしいです。
それに2巻で新型機を奪われた教訓が活かされていたのにはニヤリとしましたね。

ちなみにWeb版からかなり変わっていて驚きました。
基本プロットは変わってないんだけど、大公が死んでいたりと細かい所で変更点が多いですね。
お陰でお姫様を奪還するというイベントが生まれたことでシャドウラートの活躍が増えたりと、
面白い見せ場が増えたのでこれはこれで。

何にしても久しぶりの新刊ですが凄く面白かったです!
最近ヒーロー文庫は好きな作品の新刊が出なかったんですが、
今回一気に出て嬉しい悲鳴を上げている次第です。
この勢いでそろそろコミカライズとかも始まってくれないかなー

:: 2013/10/4 金曜日::

■[ラノベ]私の愛馬は凶暴です「ナイツ&マジック」3巻

ナイツマジック 3 (ヒーロー文庫)
著者/訳者:天酒之瓢
出版社:主婦の友社( 2013-09-30 )
文庫 ( 376 ページ )
作者サイト:絵師空域 — Index
作者twitter:天酒之瓢 (Amazake_Write)さんはTwitterを使っています
絵師サイト:D.S.B.
絵師twitter:黒銀 (kkkkurogin)さんはTwitterを使っています

異世界ロボットファンタジーの「ナイツ&マジック」の3巻が発売!
ラノベ業界ではロボットモノは極端に少ないんですけど、
そこは自分が好きなものを書ける「小説家になろう」の利点なんですよね。
その好きを突き詰めて書籍化まで持って行き、この3冊目も無事に出すあたり、
作者さんのロボット愛をヒシヒシと感じる次第であります。

新型機強奪事変を教訓に王命によってエルを団長とした銀鳳騎士団が設立され、
更に国機研の度肝を抜く新型機の建造を命じられたのが前回までのあらすじ。
ただでさえ周囲を気にせず暴走するエルにそんな立場と権力を与えちゃったら、
暴走が加速するのは既定路線な訳で…
騎士を作るはずが人馬型の騎馬を作るわ、更には数々のオプション装備を開発して挙げ句空も飛ぶ始末!
そして国機研が生み出した新型機との模擬戦の後には、
国王との約束である魔力転換炉の製法の秘密を聞くことになるんだけど…

web版とは森都の魔獣騒動の有無が大きく異なっていますが、
他にも台詞とかが細部で差異が見受けられますね。
これだけ変更してたら発刊ペースが通常のラノベと同じくらいなのも納得です。
ただ4巻は更に遅れるっぽいけど、秋山瑞人に鍛えられた私にはなんともないのであった。

しかしケンタウロス型のロボットとか懐かしいなぁ。(笑
最近だとあまり見ることがなかった形だけど昔はそこそこありましたよね。
作者さんの世代的にはナイトガンダムあたりが元ネタでしょうか?
現代日本でさえ割りと異質な形状なだけに、
異世界での親方たちの衝撃を思うとちょっと可哀想な気がしますね。(笑

とはいえ、そんな先進的な考えを持つエルが常に正しいわけではなく、
むしろテレスターレ開発の時と同様、全力で開発して本気で失敗しながら、
それでもへこたれずに前に進むんですよね。
そういったモノづくりに対する情熱が面白いのはもちろん、
その情熱の源泉であるエルのロボット愛も読んでて楽しいです。
まぁ、振り回される周りのみんなにはご愁傷様ということで…(笑

遂に念願のエルのエルによるエルのためだけのロボットが出来た訳なんですが、
物語はここで終わりな訳ではなく、西方諸国に不穏な動きがあることから判るように、
国家間のロボット戦争になっていきます。
これまでの魔獣vsロボットとは異なった形になっていくので、
また新たなる一面を見せることになると思うので4巻にも期待です。

:: 2013/6/4 火曜日::

■[ラノベ]趣味で手掛ける国家事業「ナイツ&マジック」2巻

ナイツ&マジック 2 (ヒーロー文庫)
著者/訳者:天酒之瓢
出版社:主婦の友社( 2013-05-31 )
文庫 ( 360 ページ )
作者サイト:絵師空域 — Index
作者twitter:天酒之瓢 (Amazake_Write)さんはTwitterを使っています
絵師サイト:D.S.B.
絵師twitter:黒銀 (kkkkurogin)さんはTwitterを使っています

1巻で巨大魔獣・ベヘモスを倒すという一大イベントをやってしまったため、
次にどんなことをやるかと思ってたら、2巻ではまさかの幻晶騎士の製作編!
まぁ、ここらへんはWeb版の連載でリアルタイムで読んでましてね。
当時は作者も先を考えてなくて王様からの褒賞をどうするか悩んでたのを、
活動報告に書いてたことも今となっては懐かしいです。(笑

そういった後先考えない展開だった為に色々と無理がたたってたWeb版に比べ、
編集さんが見事な手腕を発揮したのか全体的に随分とブラッシュアップされてますね。
まず、幼馴染みのドワーフのバトソンの出番が増えたし、
キャラクターの描写に説得力を持たせるように細かい所まで手が入ってます。
ですが、面白さのキモである個性が滲み出る会話はちゃんと残っているので、
そのどれもが違和感なくスルッと楽しむことができます。

物語は国王・アンブロシウスが陸皇事件で活躍した中等部に通う12歳のエルを検分するため、
国王の学友でもある祖父・ラウリを含めて面談する所から始まるんですけど、
エルは国王相手でもメカオタ魂を衰えさせず、褒賞として趣味で国家機密を聞くことに。(笑
国王も国王でそういったエルを気に入り興が入って幻晶騎士を作れと言うんだけど…

いやー、1巻ではエルの暴走に巻き込まれるのがディー先輩だけでしたけど、
2巻では高等部の先輩たちほぼ全員にまで膨れ上がって大変なことになりましたね!(笑
地球の爛熟したメカオタ文化の記憶を持つエルが、幻晶騎士は人型という概念に縛られた世界で、
次々と新アイディアを生み出して親方たちを翻弄するのを見てると親方たちには悪いけど痛快で。(笑

勿論新しいアイディアを出してすぐ完成するわけではなく、
何度も失敗を繰り返し、新たに出てくる欠陥とその対応策を講じていて、
そういったモノづくりに付き物の試行錯誤もまたエルたちのキャラのお陰で楽しいんですよね。
宇宙兄弟でも言ってたけど「本気でやった失敗には価値がある」んですよ!
何度も失敗しながらも形を作り上げていく職人魂もまた格好良かったです。

そういったモノづくりだけではなく、
ちゃんと戦闘シーンもあるのでバトル展開が好きな人も安心できるようになっています。
山脈を挟んで西方諸国とは疎遠で油断していたところに他国からのスパイの暗躍と、
中々にえげつなくて泥臭い展開ですが、こちらもまた見所だったりします。

でもまぁ、一番の見所はやっぱりモノづくりシーンと、
黒幕かと思いきや中間管理職的な悲哀が漂うディクスゴード公爵との会談かなぁ。(笑
エルの人物像を捉えきれずに疑心暗鬼となり危ぶんでいたら、、
趣味のメカの為に暴走するだけのオタクと心底理解した瞬間は、
読んでて同情と笑いで変な表情になってしまいます。

ラストの国王との謁見も面白かったなぁ。
やはりこの作品はキャラクターの魅力が光ってますよ。
そしてそれを光らせる為にブラッシュアップした書籍化は素晴らしいと思います。
ともあれ、2巻もオススメです!

:: 2013/1/31 木曜日::

■[ラノベ]メカヲタプログラマーの異世界転生ロボット戦記「ナイツ&マジック」1巻

ナイツ&マジック 1 (ヒーロー文庫)
著者/訳者:天酒之瓢
出版社:主婦の友社( 2013-01-30 )
文庫 ( 344 ページ )
作者サイト:絵師空域 — Index
作者twitter:天酒之瓢 (Amazake_Write)さんはTwitterを使っています
絵師サイト:D.S.B.
絵師twitter:黒銀 (kkkkurogin)さんはTwitterを使っています

本作はヒーロー文庫というレーベルから分かる通りここ最近多いWeb小説の書籍化の一つです。
ここらへんの話ははてなで記事を書いたのでそちらを参照して貰うとして、
この作品の魅力を簡単に説明すると、メカモノのアクションというフルメタ的な面白さと、
主人公が異世界に転生して俺TUEEE的なWeb小説によくある痛快さにあるのではないでしょうか。

原作であるWeb小説は現在も公開中ですが、書籍版を買っても満足感は高いと思います。
まず、イラストレーターの黒銀さんは魔法戦記リリカルなのはForceのメカデザ等でも活躍されている、
メカと美少女が描ける第一線の人なので挿し絵が素晴らしいです。
ヒーロー文庫は一線級のイラストレーターさんを採用するコトが多いですが、流石ですね。
それとWeb版を読んでいれば分かると思うのですが、大幅に加筆修正されており前半はほぼ別物になっています。
もちろん大筋は一緒なんですけれど、文章がかなり洗練されている印象を受けます。
そして特に冒頭なんてほぼ書き下ろしになっていますし、
随所で主人公の特性や行動に説得力を持たせようとしてますね。
また、Web版では賛否が分かれていた主人公の脳内関西弁は無かったことにされているようです。

物語は敏腕プログラマーの主人公である重度のメカヲタクな倉田翼がデスマ明けに趣味のプラモを買って帰宅途中、
暴走する飲酒運転の車に撥ねられて死亡するところから幕が上がります。
異世界に美少年、エルネスティ・エチュバルリアとして転生するも中世レベルの文明に意気消沈していたら、
3歳の頃に魔法の力で動くホンモノの巨大人型ロボット、幻晶騎士(シルエットナイト)に出会い、
それに第二の人生を賭すことを決意し、前世の知識を駆使してセルフ英才教育を施し頑張ることになるんだけど…

前半はエルが双子の幼馴染と出会い、家庭や学園で精力的に勉強に励む描写がメインですが、
双子の異母兄という子安ボイスが似合いそうな卑怯な悪役を相手にスカっとする展開があります。
後半は演習先で魔獣の暴走と遭遇し、獅子奮迅の働きをすることになるばかりか、
その後現れた巨大魔獣・ベヘモスと遭遇戦を繰り広げることになるのですが…
このバトルが非常に熱血するんですよね!
幻晶騎士を半ば奪う形で搭乗して熱望したロボットの操縦を実現して狂喜しながらの、
エルネスティの精密にして繊細なバトルには手に汗を握らざるを得ません!
実は読んでいる間、モンハンでジエン・モーランを相手に、
初期装備で延々とノーダメで戦い続ける姿を脳内で想像してました。(笑

ラブコメ成分も増量していますし、何よりバトル展開もかなり熱く仕上がっているので、
商業ライトノベルとして充分なクオリティがある言えましょう。
Web版の前半に多かった一人称視点での語りもほぼ無くなっているので、
正直ちょっと戸惑いはありましたけど、むしろ商業ラノベだとこれが普通なので、
よりよい改良ではないでしょうか。

原作のストックがそこそこあるので3巻までは早めに出ると思いますけど、
この分だと改修作業が多そうなのでもう少しスパンが開くかもしれませんが、
1巻の出来を見る限りだと問題ないどころかむしろ歓迎したいクオリティの向上さでしたので、
多少時間が掛かっても良いので納得のいく作業をして頂ければと思います。

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