本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!
:: 2020/12/19 土曜日::

■[ラノベ]エーレンフェストの内憂「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部 女神の化身 IV」

貴族院から戻ってきた領主候補生に待っていたのは、
ヴェローニカ派の粛正に増長したライゼガング系貴族たちの策謀だった。
支持基盤を失ったジルヴェスターと、
ヴェローニカに溺愛されて育ったヴィルフリートに試練が待ち受ける中、
ローゼマインは周囲のためにも神殿に引きこもるが…?

うーん、やっぱりヴィルフリートが一番厄介ですね…
ローゼマインがかつて看破したように素直なんですよ。
むしろその心を開いた相手には素直すぎる、鵜呑みにしすぎるところが厄介で、
今回もオルトヴィーンの言葉をそのまま受け取ったため、
大領地の常識とエーレンフェストの常識の違いに気付かず、
更には名捧げしてくれた相手だからと簡単に騙されて、
一番信頼すべきローゼマインを疑ってしまうとか、アホの子すぎるというか…

ヴェローニカに溺愛されてしまったのが間違いの始まりですが、
その後も、側近をそのままにしてしまったのが両親の間違いですよね…
もっと厳しく、直接躾けることができれば良かったんでしょうけど…
メルヒオールみたいに素直さが良い方向に育たなかったのは残念ですね。

ヴィルフリート以外に迷惑をかけてくれたのはクラリッサだけど、
彼女の場合は暴走した結果の迷惑だからか、それほど不快ではなかったですね。
ダンケルフェルガーの中でもレスティラウトみたいな狡猾さではなく、
愛故のストレートなところに好感を持つというか…
うん、結構好きですね、クラリッサ。

短編ではギュンターパパ視点でクラリッサを足止めしているところが書かれてましたが、
ギュンターパパは本当に相変わらずでカッコイイです。
そしてそんなギュンターパパを含めた兵士たちが信頼しているあたり、
ダームエルは本当に人徳があるなぁ、と思う訳ですよ。
そんなダームエルは色々と面倒毎に巻き込まれて大変だなぁ、と思いますし、
結婚が絶望的だと諦めているあたりが可哀想ですが…
大丈夫…! フィリーネがいるから…!
諦めないで…!

それにしてもギーベ・キルンベルガは結構しっかりした人でしたね。
こういった人が中立を保ってくれているのは安心感がありますが、
ヴィルフリートはそういったことにも気付けないんだろうなぁ…
今から次巻以降が心配です。

余談ですが、幼いフェルディナンド様と一緒にエーレンフェストにやってきた母親みたいな人、
未来からやってきたローゼマインの可能性がありますよね…?
そこらへんはハンネローレの貴族院五年生で書かれるのかなー
楽しみだ…!

:: 2020/10/8 木曜日::

■[漫画]ルッツの家族「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部 本のためなら巫女になる!」4巻

タウの実が魔力を吸ってトロンベになることを知ったマイン。
魔術具の代替となる可能性が高いため自分と同じ身食いを助けられるかも、
と思うも貴族社会と敵対する可能性をベンノに指摘されて思いとどまることに。
それとは別にルッツは家族との諍いから家出することになってしまい…

表紙にもなっているように今回はルッツと父のディードの話がメインです。
原作を読んでる時はどうしてもルッツに感情移入していたので、
わかってくれない、わかろうともしてくれないルッツの家族にイラ立ちがあったのですが、
ルッツのことを心配してやつれたカルラおばさんの姿を見ると、
やりきれないというか、もどかしいというか、申し訳なさみたいなのを感じてしまいます。

あぁ、ルッツのことを邪魔しているんじゃなくてただ心配なだけなんだなぁ、と。
ただ、下町の常識ではわからないので結果として邪魔しているみたいになってるんだな、と。
人はどうしても自分の常識で考え、動いてしまうのでトラブルが発生してしまうんですが、
当人同士だと中々それが理解できずに和解できなくて困るのですが、
今回は第三者である神官長がとても良い仕事をしてくれました。

狭い世界で気心が知れた人とだけ生きていると「あれ取って」みたいに代名詞だけで終わるため、
語彙や会話が少なくてすんでしまうため、ディードが口下手になるのはわかるんですが、
それを汲み取り、言葉を引き出す神官長は本当に良い仕事をしてくれたと思います。

もちろん、神官長なりの思惑があったのは確かで、
Web版読んだらほぼラスト付近でその思惑の詳細もわかるのですが、
その意を汲んで描かれている鈴華さんは流石ですね。
熱心なWeb版読者としても嬉しくなりました。

後半からはヴィルマが側仕えになったり、
マインが将来的に否応なく貴族と関わることになるため、
教養を身に付ける手段として音楽をすることになるんだけど…
フェシュピールを演奏する神官長は美しかったですね…
まるで少女漫画の一コマみたいだったというか…
まぁ、その後にすぐに台無しにするあたりマインらしいな、とも思うのです…w

でも、マインのこういうとこ、嫌いじゃない。
というか、かなり好きですw

描き下ろしはディードおじさん視点で面白かったですし、
書き下ろし短編のギル視点も面白かったです。
あと、カバー下の神官長は可愛かったですw

:: 2020/9/25 金曜日::

■[ラノベ]ひとときの逢瀬「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部「女神の化身 III」」

レスティラウトが強圧的に仕掛けた嫁盗りディッターで辛くも勝利するも、
回復薬の使いすぎで倒れてしまったローゼマイン。
婚約者であるはずのヴィルフリートは「いつものこと」と済ませるが、
ローゼマインの側仕えたちは憤懣やるかたない想いでいっぱいで…

プロローグから側仕えたちのヴィルフリートへの苛立ちが募りに募ってて、
改めてヴィルフリートの人望の無さを痛感しました。
ローゼマイン視点で語られる本編だけを読んでいると、
賢しらに小言を言ってくる背伸びした困ったお兄ちゃん、といった感じでしかなかったのですが、
側仕えからしたら思い遣りや感謝が足りない婚約者でしかないですよね…

しかも巻末のヴィルフリート視点での短編を読んでいると、
そういったことにヴィルフリート本人が全然気付いてないのが致命的ですね。
筆頭側仕えのオズヴァルトからして在りし日のヴェローニカ派の考えから抜け出せてないから、
妹たちに手柄を献上させろ、と助言をしているのが一番痛いですね…
やはりヴィルフリートはリヒャルダが筆頭側仕えとして教育するべきだったんだろうなぁ…
と、しみじみと感じますね…

肝心のローゼマイン視点での本編ですが、
貴族との社交がメインで、特にダンケルフェルガー第一夫人との社交が印象深いですね。
第一夫人との交渉ではヤキモキしてしまいましたが、
第一夫人は第一夫人なりにきちんと交渉に臨んでいただけで、
全てはレスティラウトの狡賢さとヴィルフリートの間抜けさのせいで周りが苦労していただけ、
という事実には溜息しか出てこないんですよね…

第一夫人視点での短編も収録されていましたが、
やっとダンケルフェルガーにもまともな常識を持っている大人が出てきたお陰で、
今までエーレンフェストにやらかしてきた、横暴、傲慢、強圧なアレコレが白日の下に晒され、
ダンケルフェルガーの男どもが打ちひしがれるかと思うとちょっとスッキリしますね。
まぁ、巻き込まれる形で窮地に立たされるハンネローレ様には同情しか出来ないんですけどね…
なんもかんも、レスティラウトとヴィルフリートが悪い。

ローゼマイン本人は久しぶりにフェルディナンドと交流出来て、
最優秀を表彰されてと良いことも多かったんですが、
ディートリンデのやらかしのせいでまた新たな厄介事に巻き込まれるのが確定しているので、
気になる人は多いかと思いますが、そこはWeb版を読めば解決しますよ!

ちなみに私はいつも新刊が読むとWeb版でその後の展開を読み返しているので、
波だった心を落ち着けることが出来ています。
けど結局、次の新刊に収録される第三者視点の短編を早く読みたくなってソワソワしちゃうんですけどね!w

:: 2020/6/14 日曜日::

■[ラノベ]ダンケルフェルガーの傲慢「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部「女神の化身II」」

3年生となって大領地3つとの共同研究をすることになったローゼマイン。
ダンケルフェルガーとの研究を主導するために何かと交流が多くなり、
毎年のことだから何かしら厄介ごとがあるのは覚悟していたけれど、
まさかのローゼマインを第一夫人として迎えるための強引な手段を用いてきて…

中小領地とのお茶会も嫌味や中傷やデマで辟易としちゃいますが、
ダンケルフェルガーのやりようにはホトホト困らされますよね。
1年生の時は勝手に決めつけて喧嘩売って、負けたら負けたで聖女じゃないと何癖をつけ、
2年生の時は勝手に決めつけて暴走して、フェルディナンド様を敵領地に婿入りさせ、
3年生の時は勝手に大領地の圧力で無理矢理嫁取りディッターをふっかけるとか、
本当にダンケルフェルガーは傲慢だなぁ、と思わされます。

まぁ、それだけ真剣にぶつかり合うからこそ、後にわかり合えることになるわけですが、
それにしたってもう少しディッター以外のことに目を向けたら、
もう少しスムーズに進むと思うんですけよね。
まぁ、これでこそダンケルフェルガーだとも言えるのですが。

ダンケルフェルガーはダンケルフェルガーなりにローゼマインのことを想ってるんだろうけど、
色々と大領地としての先入観に囚われているのが本当に厄介で…
反省会でレスティラウトが言っていたように情報収集が甘すぎなんですよね。
フェルディナンド様にコテンパンにやられていた時の反省がまるで出来ていないわけですよ。
もうちょっと知恵をつけて欲しいものだと、切に願うばかりです。

思い込みという意味では王族も一緒だなぁ、と書き下ろし短編を読んで思いましたね。
ジギスヴァルト視点で語られることで、本当にエーレンフェストの見方が歪んでるなぁ、と。
ラオブルートによる情報を真に受けるなというのは難しいですが、
自分できちんと見てもいないことを勝手に推測して判断するのは、
本当に危険なことだと思い知らされました。

それともう一本の書き下ろしの頭の痛い報告書(三年)には笑ってしまいましたね!w
やはりローゼマインのしでかすことに頭を悩ませる保護者たちを見ていると楽しいです。
好きなシリーズだったんですけど、Web版にはなくてちょっと物足りなかっただけに、
今回の書き下ろしで読めてスッキリしました。
面白かったです!

さて、次はフェルディナンド様との再会と、
ダンケルフェルガーの中でも話が通じる第一夫人とのお話とかですね!
エーレンフェストの現状を正しく把握することができた第一夫人が、
きちんと手綱を引いてくれる書き下ろしがあると嬉しいですね!
次の書き下ろし短編のお題投票では是非そちらに入れないと…!

注:作者の香月美夜さんは書き下ろし短編を活動報告でリクエストを受け付けて、Twitter投票で決める方針を採っています。
第五部Ⅲの短編リクエスト受付|香月 美夜の活動報告

:: 2020/4/10 金曜日::

■[漫画]孤児院の改善と下町のお祭り「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第二部 「本のためなら巫女になる!」」3巻

自分が気兼ねなく読書の時間を楽しむために、
孤児院の改革をすることになったマイン。
みんなに協力してもらって孤児たちの待遇も改善されるも、
今度は金欠に悩まされることになって…

いやはや、孤児院がまともになって良かったですね。
みんながどうにかしないとと思いながらも足踏みすることを、
マインは苦労しながらもやり遂げちゃうから凄いですよ。
まぁ、その動機がかなり独善的だけど、そこはまぁ、マインですから…w

そして金欠になったマインですが、
そこは溢れ出るアイディアで何とか解決していこうとするあたり、
知識チートが凄いなぁ、と思うんですよね。
ただ、知識だけじゃなくて美的感覚も先進的すぎるために、
絵が下手だと言われて凹むのは可哀想なんだけど笑えるというか…w

まぁ、写実的な絵が流行ってるところにデフォルメされた絵はうけないかなぁ…
私は良いと思うんですけどね!

それと、表紙にもありますけどタウの実を投げる星祭りですが、
タウの実が予想以上に水風船でしたね。
原作でもそのように書かれてましたけど、どうしてもトマトみたいな果実を予想していましたが、
よく考えてみれば魔法的な植物なんだから、地球の常識は通用しないのでした…
そう考えれば納得だなぁ。

巻末収録の番外編はトゥーリと一緒にコリンナさんのところに伺う、
「儀式用の衣装の注文」でしたね。

どうしても第一部に比べてトゥーリの出番が減ってしまっているので、
番外編とはいえトゥーリの出番があって嬉しかったです。

憧れのコリンナさんの家に尋ねることになって緊張するトゥーリが可愛いし、
マインのほっぺたを「ぷにっ」ってしているトゥーリも可愛かったです。
次の4巻では出番が増えてくれると嬉しいなぁ…

:: 2020/3/17 火曜日::

■[ラノベ]大領地との共同研究「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部「女神の化身 I」」

「本好きの下剋上」シリーズ最終章の女神の化身編がついに開幕です。
フェルディナンドという保護者にしてストッパーが居なくなったことと、
ローゼマインが3年生になったことでカオスさが増していき、
周囲の側仕えたちがどんどん大変になっていきます。

3年生になったことで神々からご加護を得る儀式を行い、
ローゼマインの規格外さがまた詳らかになったわけですが、
おそらく古代ではそこまで規格外ではなかったんでしょうね。
長い歴史の中で神殿が忌避されるようになったことで、
貴族たちが退化していったのでしょう。
それでも一応教科書や参考書には文書として保存されていたため、
解釈を間違っていたとはいえ情報が残っていたお陰で、
ローゼマインが容易に解答に辿り着くことが出来たのでしょう。
やはり情報の文書化とその保持というのは文明の基本ですね。

ただ、当代ツェントの場当たり対応によるカリキュラムの変更によって、
加護が多すぎることによる弊害が出てきてしまったのは、
ローゼマインは本当に大変だな、と思います。
情報をちゃんと伝承してない人間によるマニュアル改変による余波というのは、
社会人やってれば何度か体験することなので、
ローゼマインには同情を、無能なツェントには怒りを覚えてしまいますね。

ただ、領主候補生コースでハンネローレ様の冗談に対してうっかりマジレスしてしまい、
ドン引きされてしまって焦るローゼマインは面白かったですね!w
大丈夫、今まで培ってきたローゼマインとの関わりあいで耐性が付いているから、
ハンネローレ様は大丈夫だよ!

今回の書き下ろしのレスティラウト視点のエピローグでは、
大領地ダンケルフェルガーの領主候補生らしい視野からローゼマインの今後を予見してましたが、
他領に奪われる前に奪う、という思考の時点でダンケルフェルガーの男らしいな、と思いました。
こういった強引なところが迷惑なんだけど、自覚ないんだろうなぁ…
ハンネローレ様だと奪われないような助言をしそうな気がします。

それと書き下ろし短編のオルタンシア視点が個人的に嬉しかったです。
Web版を読破してたらわかるんですが、彼女がどういったスタンスか少々謎だったんですよね。
夫のラオブルート寄りなのは間違いないんだけど、
どこまで知っていたのかがわからなかったんですが、
この短編で中央と王族のために働いてはいるけれど、
基本的に善人というのがわかってホッとしました。
図書館のために働く人に悪い人はいなかったんだ…!

あと、次巻では暴走したレスティラウトの話がメインになると思うのですが、
書き下ろしは是非ともダンケルフェルガーの誰かの視点にして欲しいですね!
フェルネスティーネ物語のモデルが誰なのかを気付いて、
己の過ちに後悔し、挽回を決意するダンケルフェルガーを是非とも読んでみたいです。

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