本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!
:: 2013/5/30 木曜日::

■[漫画]ラブコメ包囲網「とめはねっ! 鈴里高校書道部」11巻

とめはねっ!鈴里高校書道部 11 (ヤングサンデーコミックス)
著者/訳者:河合 克敏
出版社:小学館( 2013-05-30 )
コミック ( 197 ページ )

前回、望月さんが柔道の国際強化選手に選ばれたことで風雲急を告げる形になりましたが、
この11巻では主にそのことから巻き起こる一大騒動と、それに伴うイベントの連続でしたね。
草食系の極みとも言える縁も流石に暢気にしてられない状況なんだけど…
果たしてどこまで積極的にいけるかどうかの瀬戸際ですねぇ…

しかし現実だと女子柔道の国際強化選手って体罰問題等で腐りきっているイメージがあるので、
望月さんが選ばれたのも不幸が降りかかったとしか思えないんですよね。(笑
それだけに本人の意思を確認せず、勝手な期待で書道の時間を削ろうとしている島田先生が、
イヤーな大人としか感じられず何とも気分が悪かったです。
まぁ、自分と学校の名誉だけでなく、ちゃんと望月さんの将来も考えてるのは確かなんでしょうが、
そこに本人の意思を確認して汲み取らなかったらダメだよなぁ。

それに対して三浦のおじいちゃんと影山先生は頼りになる大人でしたね。
後ろからしっかりと援護射撃してくれる三浦のおじいちゃんの博識と、
普段は頼りないけど、望月さん本人の意思こそが大事だと大勢の前で主張するとか、
今回の影山先生はかなり先生として信頼できる良い大人してたと思いますよ。
この場面を笠置先生に見せたらまた違った印象を持たれるだろうになぁ…(笑

結局、縁的にはタイムリミットを切られることになった訳な上に、
父親や先輩後輩からのプレッシャーだけじゃなく、大分から一条がやってきたりと、
縁のラブコメ包囲網が完成しつつあって大変だと思いますよ。
それでも一応闘志らしきものを発揮して「おおっ!?」と感心したのも束の間、
一条からの宣戦布告とも取れる発言に凹んだりしたのはちょっとガクっと来ましたね。(笑

肝心な書の方ですが、一段レベルが上の一条が参戦することでまた一つ蘊蓄が入ったり、
引き続き木簡についての話が入ったりと興味深い所も多いですね。
ただ、今回はやはり前回出した高野山競書大会の結果ですね!
予想以上に良い結果を出した縁が主人公らしくて頼もしいです。
それにしても予想は出来たけど、高野山で京都の大槻さんとまた会うとはなぁ…
結構縁とフラグが立ってたりするのかしら?
それはそれで面白いんだけど。(笑

:: 2013/3/8 金曜日::

■[漫画]建物の記憶とその想い「マホロミ」2巻

マホロミ 2: 時空建築幻視譚 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
著者/訳者:冬目 景
出版社:小学館( 2013-02-28 )
コミック ( 210 ページ )

冬目景さんの建築の記憶と触れ合う物語「マホロミ」の2冊目。
古い建築物の記憶に触れることが出来る能力を突然開花させた建築学を学ぶ学生の土神と、
同じ能力を持つ黒髪ロングの美人でちょっと世俗から離れた印象を持つ真百合さんの、
少し不思議でちょっとした秘密を共有する関係が面映ゆい印象があります。

今回は英国人の血を引く女性の生家に纏わる話と、
60年前に大学の図書館で起こった悲劇に纏わる話の二本立てになっています。
特に前半の話は初めて明確に人助けをすることが出来たので、
読んでいても中々感慨深いものがありました。

しかし読んでいてつくづく思ったんですけど、冬目景作品の黒髪ロングヒロインって良いですよね…
何というか退廃的な所もありながらも世俗にまみれない孤高の美しさがあるというか…
土神が大学に来た真百合さんが自分の野暮ったい服装に気後れしているのを知り、
「つかソレがいーんじゃん!」と内心思ってましたけど、その気持ちがよく分かりますよ。
真百合さんみたいな古風な美人には一種憧れるモノがあるものなのです。

そんな真百合さんと二人でいるところを見られて卯が変に勘ぐってたりと、
ラブコメとしてそれはそれで良い種火になりそうだったけど今回はそこまで掘り下げられなかったのは、
残念だったような次回に楽しみが繰り越されてそれはそれで楽しみなような…
ただ、真百合さんも実家の複雑な事情だけではなく、亡き祖母の想いを引き継いでいて、
中々に一筋縄ではいかなさそうな人なので今後がどうなるのか結構気掛かりですね。

多分次巻が出るのもまた来年くらいでしょうけど、気長に待ちたいと想います。
それと冬目景さんの画集ですけど「冬目景画集 20─twenty─」だけではなく、
冬目景画集 冬幻響」ってのも出てたんですね。
Amazon.co.jp: 冬目景画集 冬幻響: 冬目 景: 本

「20─twenty─」の方は限定生産だったので事前に予約してたんですけど、
こっちは知らなかったのでまだ手に入れてないので早く頼まなければ…
(追記)
コミックナタリー – 冬目景、デビュー20周年を記念した画集を完全予約受注生産
「冬幻響」の内容は「20─twenty─」に含まれているみたいですね。
だったら「20─twenty─」だけで良いのかな?
(追記ここまで)

ちなみに「20─twenty─」ですが流石に1万円するだけあって凄く豪華な装丁でしたね。
まるでバブル期の本みたいでした…(笑
内容は画集だけではなくインタビュー記事も簡単ですけど載っているんですが、
最近はデジタルも多少導入しているといのは意外でした。
まぁ、色むらを修正するくらいの使用らしいんですけど、
完全アナログの人だとばかり思ってただけに意外です。

それと今はほぼ一人の作画で月産40ページと漫画家の中でもかなり速筆なんですね。
まぁ、本人も言ってるように様々な媒体で描かれているからどうしても遅筆な印象があるのも確かなんですが…
何はともあれ古くからのファンなので今後も末永く読み続けていきたいものであります。

:: 2013/1/30 水曜日::

■[漫画]葡萄牙産の食いしん坊「くーねるまるた」1巻

くーねるまるた 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
著者/訳者:高尾 じんぐ
出版社:小学館( 2013-01-30 )
コミック ( 130 ページ )

ヤングガンガンで「オシエシラバス」を連載中の高尾じんぐさんがスピリッツで新作に挑戦!
今までファミリー向け4コマ誌など、ヤングガンガン以外で見かけることはたまにありましたけど、
スピリッツという週刊誌で見ることになろうとは思いませんでした。
流石に隔週雑誌と同時並行はキツイのか1話あたりのページ数は6~10Pと少なめですが、
その分面白さは凝縮され、更にサクっと読めてしまうのでむしろメリットになっているんですよね。

マルタさんは東京の大学院に留学して卒業するもそのまま日本に居着いたポルトガル娘さん。
日本での生活にも慣れてきたマルタさんは寺の敷地内に立つボロアパートで貧乏暮らしをしているんだけど、
その貧乏さをむしろを楽しんでいるかのようにお金が掛からない食材をお手軽レシピで美味しく食事を作り、
それを食べる毎日を満喫しているのです。

ジャンル的にはグルメ漫画ではあるんだけど、ラベンダーの香り付きのハンカチや、
お風呂上がりのビールというレシピまで載せてたりとかなり幅が広い内容なんですよね。
もちろんポルトガル出身ということで干し鱈を使った料理とか海外のレシピも入るけれど、
基本的に日本で簡単に手に入る食材で作れちゃう所が面白いです。
それと、作中で絵本から日本文学まで様々な文芸のネタが随所に折り込まれており、
マルタさんの教養の高さまで見て取れるのが興味深いです。

それに何と言っても美味しいモノを食べている時のマルタさんが凄くめんこいんですよね!

マルタさん

この笑顔を見ているだけで読んでてほんわかしてきちゃいます。

まだ1巻目ということで知名度は低いですけど「オシエシラバス」が好きな人はもとより、
グルメ漫画が好きな人にもオススメできる良い漫画です。
読んでいるとお腹が減ってくること受け合いなので深夜に読むことはオススメしませんけどね。(笑

ちなみに「くーねるまるた」というタイトルの意味はこの1巻を読めば分かるので、
気になった人は是非とも自分で読んで確認してください。(笑

:: 2012/9/3 月曜日::

■[漫画]京都でしゅうがくっ!「とめはねっ!鈴里高校書道部」10巻

とめはねっ! 鈴里高校書道部 10 (ヤングサンデーコミックス)
著者/訳者:河合 克敏
出版社:小学館( 2012-08-30 )
コミック ( 197 ページ )

前回、縁のお祖母ちゃんが気持ちも新たに書道部で教えてくれることになり、
今回はお祖母ちゃんの勧めで書道部の面々は「高野山競書大会」に参加することになったんだけど、
縁と望月さんは締め切り直前まで修学旅行で一週間九州と京都に赴くことに。
それでも負けん気が強い望月さんは、京都で本物の名筆を見るというアイディアを閃き…

という訳で今回は縁たちの修学旅行が話のメインになっています。
前半の九州旅行はマキで、後半の京都3日間が書道部的に本番です。
ただ、段取りが頼りにならない影山先生のせいで博物館に行くも改装作業中で、
どうしたもんだかと思っていたら、京都在住の書道日本一高校生な大槻さんと奇跡の再会!

いやはや愛されてますね、大槻さん。
登場初期は嫌味なキャラかと思ってたのに、オープンキャンパスで素が出てきてほんわかしてたら、
今回の修学旅行で愛すべきキャラに化けたという感じがします。(笑
望月相手に土産物屋ではしゃいでる姿は女子高生らしくて可愛らしかったですよ。

そんな大槻さんに大阪と京都の美術館に案内され、
そこで「継色紙」や「高野切」といった有名な「かな」の真筆に触れることになった縁たち。
名筆を前にして、それぞれの着眼点や感性がじっくりと描かれていて、
縁や望月さん、そして大槻さんの書に対する想いがしっかりと伝わって来ましたよ。
それにしても縁…、お得意の帰国子女スキルで活躍はしたものの、
飴を食べさせるだけで割りと満足するとは…、流石草食系男子の代表格だなぁ…(笑

他にも縁のお祖母ちゃんが見せてくれた料紙の薀蓄だったり、
島さんの勧めで書くことになった木簡だったりと書に対する話はいつも通り興味深いです。
また、源氏物語に関する意外なエピソードとかも含めて、
馴染みがない分野でも面白く感じることが出来る「とめはねっ!」という作品はやはり凄いと、
再認識させられました。

「高野山競書大会」を前に己を知りながら前向きな姿勢を見せてくれた望月さんですが、
柔道の強化選手に選ばれて二足のわらじが難しくなってきたけど…
はてさてどうなることやら。
「高野山競書大会」の結果ともども気になりますね。

余談ですが、「書の甲子園」の時に大槻さんたちが大阪-京都間で新幹線を使ったことが不思議でしたが、
どこかでツッコミがあったのか、さり気なく大槻さんが解説してたのにちょっと笑いました。
関西圏に住んでたら京都-大阪間の近さは割りと常識の話ですしね。(笑

:: 2012/2/2 木曜日::

■[漫画]近代建築たちの回顧録「マホロミ」1巻

マホロミ 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
著者/訳者:冬目 景
出版社:小学館( 2012-01-30 )
コミック ( 222 ページ )

スピリッツで「ももんち」が終わったと思ったらまさかの新作。
という訳で冬目景さんがまたしても新作を始めたようです、ごきげんよう。
いや、ファンだから嬉しいですし他のもちゃんと進めているんですが、
とはいえ早く「イエスタデイをうたって」に集中して完結させて欲しいなぁ…
とも思うのも確かではあるのですが。

今回の新作は近代建築の記憶を視ることができる建築学専攻の大学生である土神(にわ)が主人公。
土神と同じ感覚を持つ黒髪ロングの古風な美女な深沢真百合さんがヒロインで、
二人が建物の記憶にある望みを叶えていくデコデコデコリーンなストーリーです。
そして冬目景作品恒例のもう一人のヒロインがいる訳でして、
それが土神の幼馴染み(?)の元気少女でシスコンの兄を二人持つ卯(あきら)。

この3人をメインに横浜を舞台にした近代建築が持つ情緒を織りまぜつつ、
土神とは疎遠だったが真百合と繋げるキーパーソンである今は亡き祖父。
家族との交流は少なかったのに友人が多く、建築家としても著名だった祖父の面影に戸惑いながらも、
知らず祖父と同じ道を歩み、祖父と同じ感覚に目覚め、祖父と関係ある女性と知り合うという、
奇妙な運命をなぞっていく土神。
彼が今後どうなっていくのかは2巻以降で判明することでしょう。

壊されていく近代建築、という冬目景作品に共通して漂う退廃的な匂いが絶妙にマッチする題材で、
しかも影のある美人がヒロインという正に冬目景! という感じの内容です。
それでいてシリアスという雰囲気もそれほどないので比較的読みやすいかと思います。
夏祭りでおニューの浴衣を土神に見てもらえなくていじける卯とか結構可愛かったので、
今後の恋愛方面での展開も気になります。
もっとも不定期連載なので続きがいつ読めるのかはそこはかとなく不安なのですが…

:: 2012/1/3 火曜日::

■[漫画]三浦先生カッコイイ。「とめはねっ!鈴里高校書道部」9巻

とめはねっ! 鈴里高校書道部 9 (ヤングサンデーコミックス)
著者/訳者:河合 克敏
出版社:小学館( 2011-12-27 )
コミック ( 208 ページ )

今回は書道部の新人勧誘騒動も一段落して、縁たちにとっては二回目の市民書道大会へ。
夏の合宿や書の甲子園、かなの書の練習にオープンキャンパスでの研鑽と、
縁たちも1年を通して色々と経験して成長していますし、
新入生の島さんは実力があるということで鈴里高校書道部の成果にも期待が持てます。
ですが研鑽を積んでいるのは鵠沼高校書道部も一緒な訳で…

という訳で市民書道大会での一位は、今まで割りとモブ扱いだった鵠沼の副部長、見城さん。
オープンキャンパスでも失敗を糧に更なる勉強を決意する描写があったけど、
ここまでしっかりとした結果を残せる程になるとはちょっと驚きです。
もちろん、縁はその実力に見合った結果を出せていたし、それは望月さんもだった訳で、
鈴里高校は島さんを含めて成長した実力を発揮したのは明らかなんだけど、
よしみの嫌み攻撃で加茂三輪コンビが口惜しがって騒動が広がる訳なんですが…

それにしても大江英子女史の口から語られる50年近く前の話は面白いですね。
特に若かりし頃の三浦清風先生が理知的で頼もしい大人で素晴らしいですよ。
今回は市民書道大会での島さんへの対応といい、三浦先生の男前っぷりに感心することしきりでした。
そりゃ若い頃の笠置女史が憧れるのも判るし、生徒達に人気があるのも判ります。
まぁ、何がどうなってセクハラジジイになったのかは判りませんが。(笑

そんな若かりし頃の三浦清風先生に師事した笠置女史と英子女史。
二人とも三浦先生から大切なことを学んだと感じていても、受け取ったモノはそれぞれ異なり、
お互いの教え子に学ばせようとしているものも異なっている訳で…

うーん、これはどちらも間違っているとは思えないんですよね。
敢えて言うならどちらが教わる側に合っているかの違いだと思います。
これからも何かと顔を合わせるであろう両書道部の面々が、
今後二人から教わったことをどう発揮していくのか楽しみでもあります。

HTML convert time: 0.125 sec. Powered by WordPress