本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!
:: 2012/5/31 木曜日::

■[漫画]お帰りなさい「エンジェルお悩み相談所」新装版

エンジェルお悩み相談所 新装版 (ヤングキングコミックス)
著者/訳者:水上 悟志
出版社:少年画報社( 2012-05-30 )
コミック ( ページ )
作者サイト:続・みずかみ小屋
作者twitter:水上悟志 (nekogaeru) on Twitter

短編集と同日で似たデザインで発売されたこの「エンジェルお悩み相談所」ですが、
元はまんがタイム系列で読み切り→連載されて芳文社から出ていた単行本です。
ただ、初版のみで絶版状態だった上に芳文社は契約で数年間他社で再版できない縛りがあったので、
「惑星のさみだれ」から水上悟志ファンになった人は中古で探すしかなくて、
一部ではプレミアも付いていたとか。

そんなファンの声に応えて少年画報社から新装版として出たのがこの単行本です。
当時のカバー表紙も新装版カバーの下にカラーで印刷されていますし、
当時のカバー下の漫画も巻末に収録されているので旧版持ってない人へのフォローも完璧かと思います。
むしろ当時のカラー原稿も新装版ではしっかりとカラーで印刷しているので、
旧版を持っている人でも新装版を買う価値は充分あると思います。

物語は1話完結のストーリーなんですけど、ある公園のベンチで「天使さまお助け下さい」
と3回願うと剣とラッパを持った白い衣を着たムキムキのおっさん天使が助けてくれるという、
インパクトが抜群な展開で、流石は水上作品だなぁ、と思わされます。

連載からは表紙にあるように美少女だけど割りと毒舌なロリ天使も出てきたり、
途中から悪魔タッグも出てきたりしますが、話の流れ的には、
天使がするのは人の後押しをするだけで、前に進むのは常に人だという所は終始一貫しています。
脱サラしてラーメン屋開きたいおっさんや、馬に金注ぎ込みすぎて飢え死にしそうな女と、
色んな人の背中を押して前に進ませてるんですよね。

水上悟志作品の特長として、読者にサクっと心に刺さる事を描写するというのがあると思うんですが、
この作品では2話の「女同士は困る」で人生は恥の連続というフレーズで、
それをロリ天使に諭されて「恥の連続…ね 苦いぜ」のシーンでしょうか。
うーん、今読み返してもやっぱりサクっと心に来るなぁ。

水上悟志ファンなら是非とも持っておきたい一冊だと思いますし、
カラー原稿の収録の件でも旧版持っている人にとってもお得だと思います。
うーん、この調子で「サイコスタッフ」も再版して欲しい所だけど…
契約的に考えて発売されるとしても来年かなぁ…?

:: 2012/1/19 木曜日::

■[漫画]暴れん坊鳥将軍コンテスト「戦国妖狐」8巻

戦国妖狐 8 (BLADE COMICS)
著者/訳者:水上 悟志
出版社:マッグガーデン( 2012-01-10 )
コミック ( ページ )
作者サイト:続・みずかみ小屋
作者twitter:水上悟志 (nekogaeru) on Twitter

第二部のヒロイン、月湖が黒龍のムドに攫われそうな場面から始まる8巻ですが、
そこへ第一部のヒロインであるたまが成長した姿で颯爽と登場して活躍するという、
ヒロインでありながらヒーローっぷりを発揮するたまが序盤から格好いいです。
まぁ、真介とはすぐに別れるのが残念ですが…

しかしたま以上にインパクトがあるキャラクターが出てきます。
第13代征夷大将軍、足利義輝公が笑いながらの登場!
史実でも剣聖とも言われるほどに武芸に秀で、覇気に溢れた将軍と言われた義輝は、
人と闇の間で揺れ悩む千夜をバッサリと人であると断じ、
豪放磊落でありながら間違いなく傑物であると感じられる雰囲気はとにかく凄いの一言。

そんな人と出会い、また、真介の教えを受けて、
再度の襲撃で攫われた月湖を助けるために千夜は自身の身に潜む、
千の闇たちとコミュニケーションを取ろうとするわけなんですが…
うーん、史実のあの日で、黒龍は松永久秀のもとにいるというのが、
中々に意味深ですね。

タイトルの「戦国」という言葉が少しずつ話に入ってきたり、
山の神の名前がオオヤマミツチヒメだと分かったり、
雷堂斬蔵が再登場したりと色々と盛りだくさんな内容でした。
でもまぁ、一番インパクトがあったのは義輝だよなぁ。
カッケー

:: 2011/8/10 水曜日::

■[漫画]千夜月湖物語「戦国妖狐」7巻

戦国妖狐(7) (ブレイドコミックス)
著者/訳者:水上悟志
出版社:マッグガーデン( 2011-08-10 )
コミック ( ページ )
作者サイト:続・みずかみ小屋
作者twitter:水上悟志 (nekogaeru) on Twitter

6巻で主人公である迅火が神獣に堕ちることで第1部が完結という衝撃的なラストでしたが、
第2部は当然のように主人公が交代。
しかもその主人公というのが迅火と敵対した龍の霊力改造人間、神雲の息子にして、
千魔混沌の魔神の器である千夜。
封印の影響か記憶を失った千夜と抜け殻になったような真介が闇と人間が同居する村で、
心穏やかに暮らし始めた所から物語が動き始めます。

記憶を失った千夜が妙に可愛いというか、子供らしいんですよね。
強い力を持つが故に葛藤と苦悩に苛まされる子供というのも惨いですが…
そうならないように、力及ばずながらも尽力しようとする真介と、
心が強い新ヒロインの月湖が救いになっているように思えます。

そうなんですよ、ヒロインである月湖が可愛い上に格好いいんですよね。
千夜が村を護るために戦った余波で実の父を目の前で失っておきながら、
千夜に恨み言一つ言わず、むしろ自身の力不足を嘆くとか心が本当に強い。
龍という圧倒的な強者を前に千夜を護ろうと立ち向かったりと、
闇の盗賊団の頃からそうですが、一貫して誰かを護ろうと自然と動いていて、
気持ちが良いヒロインなのです。
というか、主人公度ではヘタすりゃ千夜よりも適性あるかも…

第1部から話が続いているようか、当然のように繋がっていますし、
神を狂わす謎の5人衆はまだ暗躍してるようだしと物語はまだまだ深い部分があります。
物語が進むことで堕ちた迅火はどうなるのか、
千夜と月湖がどういった軌跡を歩むのか先が楽しみです。

:: 2011/3/10 木曜日::

■[漫画]第一部完。そして…「戦国妖狐」6巻

戦国妖狐(6) (ブレイドコミックス)
著者/訳者:水上悟志
出版社:マッグガーデン( 2011-03-10 )
コミック ( ページ )
作者サイト:続・みずかみ小屋
作者twitter:水上悟志 (nekogaeru) on Twitter

どうしても「惑星のさみだれ」の陰に隠れてしまいがちですが、
この「戦国妖狐」も予想の出来ないドラマティックな展開ばかりで、
いつも驚かされて、そして興奮させられます。
特にこの6巻では主人公、山戸迅火の在り方に本当に驚かされました。

肉体派の道錬との戦いを終えた迅火に対して、
宿敵にして仇敵の袋男こと、バリーとの死闘を繰り広げる真介。
弱っちかった登場初期からは考えられないほどに強く図太くなり、
戦いの趨勢を決める一太刀を浴びせることが出来た所では、
手をグッと握らざるを得ない興奮があります。

それに対して迅火が敵の老獪な所に騙され、
取り返しのできない道を歩んでしまう流れには本当に驚愕させられました。
主人公だろうとお構いなし、めでたしめでたしがありえない。
そんな第一部完には、流石は予想を外して期待以上の面白さを見せてくれる、
水上悟志さんの漫画だなぁ、と思わされます。

それにしても山の神の登場の仕方が痛快だったりと、
本当に外連味のある面白さが凄いんですよねー
第二部がどうなるのか、今から本気で楽しみで仕方ないです。
あ、ちなみにたまは現在の髪型の方が個人的に好みであります!
ちょっと大人っぽくなってストライクゾーンに入った感じ?(ぉ

:: 2010/12/5 日曜日::

■[漫画]さみだれファン垂涎!「惑星のさみだれ 完結記念特別小冊子」

届いたぞやっほい!

OURs本誌でやってた応募者全員サービスのさみだれ小冊子ですが、
昨日無事届きましたよー
多分今日あたりには応募した人はほぼ行き渡ってるんじゃないかと。

完結記念ということで今までの店舗特典や未収録のカラーページな等、
既存の水上悟志さんのイラストだけでなく、
この小冊子だけに描き下ろされた第64.5話が16ページも!

獣の騎士団で最年少だった太陽の軌跡が描かれてるんですが、
これがまた素晴らしくてですね!
太陽が眼鏡掛けるようになったり受験に失敗したり、
地味にアロハシャツの伏線を回収したりと凄くお得感が高い番外編でした。
こりゃー、読まなきゃ損だよなー

他にも色んな漫画家さんからのイラストや漫画が収録されてるんですが、
やまむらはじめさんは予想通りに白道さんでした。
しかも2枚。
いやー、おっぱい大好きなやまむらはじめさんが白道さんというのは予想できましたが、
まさか2枚も描いてくるとは予想以上でしたよ。(笑

それとおがきちかさんが白道さんと風巻さんの短編を描いてるんですが、
二人が付き合うキッカケを補完しているんですが…
無言で写メる白道さんは何度読んでも笑う。(笑
しかしおがきちかさんと水上悟志さんの繋がりが始め判らなかったけど、
そういえばおがきちかさんもOURsやOURs Liteで連載経験があるんでしたね。
すっかり忘れてたよ…

それにしても頼んでおいて良かったよー
これは読まないとさみだれファンとして涙で枕を濡らすこと間違いなしですね!
OURs本誌を購読しといて良かったー

:: 2010/11/30 火曜日::

■[漫画]終わる物語と続いていく物語「惑星のさみだれ」10巻

惑星のさみだれ 10 (ヤングキングコミックス)
著者/訳者:水上 悟志
出版社:少年画報社( 2010-11-30 )
コミック ( ページ )
作者サイト:続・みずかみ小屋
作者twitter:水上悟志 (nekogaeru) on Twitter

面白かった…

感想はもうこの一言に尽きます。
多くを語ることが野暮になるくらい、シンプルに面白い。
頭で考えるよりも前に心で面白いと感じてしまう―。
そんな素晴らしい名作中の名作でした。

アニマとアニムスの物語は9巻で終わり、
ラストを飾るのは惑星を砕く者、朝日奈さみだれの物語。
自分でも止められないさみだれの想いを、
獣の騎士団みんなの願いを受けた夕日が受け止める瞬間は、
何度読んでも心が震えてしまいます。

さり気ない伏線が多いので何度読んでも面白いんですよね。
作品のタイトルが最後を飾る伏線だったと知った時には感動すらおぼえました。

エピローグもたっぷり取ってあり、
瞼の内側から熱いモノがこみ上げてくるノイたちとの別れだけでなく、
物語が終わってから10年後、最終決戦前日に呼び出された夕日から語られる、
10年後のみんなのことは本当に感慨深かったです。

「少年から大人になるってのはこういう事だ!!」

そう帯に書いてある通り、東雲半月という大人の背中を見て成長し、
茜太陽という子供に見られることで大人になっていく物語でもありました。

ラストを締めくくるカラーページは本当に素晴らしく、ただただ最高で…
「惑星のさみだれ」を読んでいて本当に良かったと思います。
全10巻という長さで一切の中だるみもなく、全てが読み所でした。
水上悟志先生、こんな面白い漫画を描いてくれて本当にありがとうございました。
文句なしに私の中で殿堂入りの作品です。

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