本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
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:: 2013/3/19 火曜日::

■[漫画]このジョナタ・ジャイオッティには夢がある「王様の仕立て屋 ~サルトリア・ナポレターナ~」3巻

王様の仕立て屋 3 〜サルトリア・ナポレターナ〜 (ヤングジャンプコミックス)
著者/訳者:大河原 遁
出版社:集英社( 2013-03-19 )
コミック ( 184 ページ )

ナポリの仕立て屋業界を巡る革新と保守の争いも、ナポリの下職はヨーロッパ全土の服飾の土台を為している現状、
地元商工会の諍いレベルでは収まらず、英国の貴族が出張ってくるわ、中国資本がえげつない手法で横車を押すわ、
更にはナポリの裏社会を牛耳るカモッラの影が見えてくるわという世界レベルのモノに!
そんなナポリの仕立て屋業界の騒動が一応の決着を見せるのがこの3巻になります。

実を言うともう少しこのエピソードは続くと思ってたんですけど、
大人の事情で掲載誌がグランドジャンプ本誌に移籍に伴ってこの巻で区切りを付けてるんですね。
それでもちゃんと纏めているのが流石すぎるんですが、
それにしたって今回の終盤のエピソードは流石という言葉で済ますには、
少々やりすぎだったんじゃないでしょうか。(笑

ナポリの仕立て屋業界が後進を育てるのに次代のリーダーとして白羽の矢が立った若者の名前が、
ジョナタ・ジャイオッティ効果音がJOJOフォントとか同じジャンプの名を冠する雑誌とはいえやりまくりですな!
雑誌掲載時はジョナタ・ジョイオッティとニアピンどころじゃない名前だったんですけどね!(笑
まぁ、よく考えたらジョジョ第5部の舞台も同じイタリアですしねー
というか調べてみたら大河原遁先生の前作であるかおす寒鰤屋の連載開始が少年ジャンプ1995年51号で、
ジョジョ第5部の開始がその次の52号からと意外と縁があるんですね。
しかしジョナタにカモッラ志望の属性を与えるとか被せまくりにも程がある気がしないでもないですが…(笑
これは「王様の仕立て屋」もアニメ化をしてくれという編集部サイドに対する無言のプレッシャーなのかしら…

しかしまぁ、お陰様で3巻は男臭いエピソードになったもんですな。(笑
これはこれで面白いんだけど「王様の仕立て屋」の魅力の半分は女性たちの華やかさで出来ていると思うので、
是非とも本誌連載に移る次巻からはラウラたんとか女の子分が補充されることを願っております。
そして単行本発売ペースが元に戻るのは嬉しい限りですよ!
本棚もその分早いペースで圧迫されそうなので困るのも確かなんですけどね…(笑

:: 2012/10/22 月曜日::

■[漫画]守旧or革新?「王様の仕立て屋 ~サルトリア・ナポレターナ~」2巻

王様の仕立て屋 2 〜サルトリア・ナポレターナ〜 (ヤングジャンプコミックス)
著者/訳者:大河原 遁
出版社:集英社( 2012-10-19 )
コミック ( 184 ページ )

新装開店したとはいえ、そんな大して変わるもんでもないだろう。
そんな風に考えていた時期が私にもありました。

カモッラの借金が無くなった途端にナポリの仕立て屋協会がすり寄ってきて、
しかもその内部では守旧派と革新派が派閥争いをしていると来たもんだ。
そこに悠が巻き込まれて、当然その反対の派閥にはラウラたんが肩入れして、
しかもそちら側には今更なマリオ親方の息子にして悠の兄弟子が参画して…

と、2巻にして割りと事態が動きまくりであります。
というかマリオ親方の息子のリッカルドとか本当に今更すぎるなぁ。(笑
それなりに筋が通る話の構成だから充分納得できるんだけど!
いやはやホント、物語の構成力とかそういったものが卓越してますよね、ホント。
流石は大河原遁先生やで。

お金持ちになびくヴィレッダに利益の為なら権謀術数厭わぬおかっぱさんとか、
相変わらずの個性豊かなキャラたちに加えても問題ないリッカルドのキャラもまた凄い。
期待のエースでありながら稀代のダメ人間という寅さんもビックリなキャラクター
それでいて紳士服業界に一石を投じるコンセプトを持ってるとか存在自体がミラクルなキャラだなぁ。
またこれで面白くなってきましたですよ。

それはそうと、今回のエピソードでは漫画家を契約で縛ることで起こりうる弊害や、
日本独自の世界に較べて歪んだ伝統と、興味深い示唆に富んだ内容があって考えさせられました。
そして、伝統を受け継ぎ高齢になりながらも精進を怠らない職人の姿勢には、
畑違いでも感銘を受けましたね。
いやホント、職人とはかくありたいものです。

:: 2012/5/23 水曜日::

■[漫画]新装開店!「王様の仕立て屋 ~サルトリア・ナポレターナ~」1巻

王様の仕立て屋 1 〜サルトリア・ナポレターナ〜 (ジャンプコミックスデラックス)
著者/訳者:大河原 遁
出版社:集英社( 2012-05-18 )
コミック ( 210 ページ )

大店(連載誌)が吸収合併で消失して、母屋が月刊誌に移るという、
天変地異に見舞われながら、それすらも作品内で上手く調節し、
改題&舞台も場末の小さな事務所から店を構えて新装開店するという、
その適応力の高さと後付けとは思えない見事な仕事っぷりに感心せざるをえないです。

新装開店で店舗を構えてもやっている仕事は相変わらずなのは小気味良いですし、
ラウラたんたちジラソーレの面々も入り浸って華やかなのは大変よろしいです。
今回はあの華やかな面々が接待でラウラたん以外も色んな格好をするという、
ジラソーレの面子萌えな私みたいな読者も大喜びな話もあって安心してしまいます。

他にも緊急着陸で有名になったベテランパイロットの人とか、
上手いこと料理した時事ネタを交えながら作り上げる紳士服のエピソードは興味深いですし、
後継者問題を抱えながらも前を向いて進んでいく悠のブレなさには、
芯が感じられて安心感を得ることができるんですよね。

それと巻末にはまだ巣立ったばかりの頃のジラソーレの面々が、
産みの苦しみの中でも這い上がっていく姿が描かれています。
今の姿を知っていると面映いものがありますね。
どのキャラも当時から芯が変わっていないのが感じられますし、
彼女たちをもっと見ていきたく思わされます。

という訳で非常に魅力的なヒロインが多いので、
是非ともエロくて薄い本を読みたいのでどなたかよろしくお願いします。(ぉ

:: 2011/11/5 土曜日::

■[漫画]女のエスコートは紳士のたしなみ「王様の仕立て屋」32巻

王様の仕立て屋 32 〜サルト・フィニート〜 (ジャンプコミックスデラックス)
著者/訳者:大河原 遁
出版社:集英社( 2011-11-04 )
コミック ( 202 ページ )

まずは何より雑誌再編騒動の中、無事生き残ってくれたことに感謝を。
月刊の「グランドジャンプ PREMIUM」ということなので、
1話当たりのページ数やら単行本の発売ペースも変動すると思いますが、
今回のエスコート編の連載中で一時中断したのに、
綺麗に一区切り付ける才覚を持ってすれば全然大丈夫でしょう。

というわけで今回の32巻は女性のエスコート編 in Summer!
恒例の男爵さまカップルからはじまり、白鳥くんまで出てくる話になりますが、
話の流れ的に何故かペッツオーリ社とジラソーレ社の話に膨らんで、
更に悠の借金の話になっちゃうというミラクル。
オリベマジック、マジすげぇ。

女性のエスコートをする男の服装ということで必然的にカップルが多いので、
悠じゃなくてもリア充爆発しろと言いたくなりますが、
流石にお年を召した夫婦を見てるとそんな気持ちにはならない訳で。
まぁ、ここらへんのバランス感覚も読者層を意識してるわけは…、ない気がする…
というか、読者の年齢層考えると独身は実は少ないのでは…
いかん、自分で言ってて地味にショックを受けてきたぞ。

しかし悠の場合は周りに美人のお嬢さん揃いな上にフラグもある程度立ってる状態なので、
今回で借金の件もある程度まとまったし、一国一城の城も綺麗になったしで、
雑誌移籍とともに何かしらテコ入れもあるのかもしれませんね。
まぁ、新雑誌でも変わらぬ面白さを見せてくれることを願うばかりです。

:: 2011/7/5 火曜日::

■[漫画]セルジュ坊ちゃんの修行の成果「王様の仕立て屋」31巻

王様の仕立て屋 31 〜サルト・フィニート〜 (ジャンプコミックスデラックス)
著者/訳者:大河原 遁
出版社:集英社( 2011-07-04 )
コミック ( 178 ページ )

時計編が終わってしばらくはのんびりとナポリ編かと思いきや、
今度もまた、時計職人に引き続き一人の職人が巣立ちの季節を迎えるみたいで、
パリから逃げ出してナポリでコントの相方の修行、もとい仕立て修行に勤しんでいた、
元モデルのセルジュの修行の結果が結実するエピソードが丸々一冊に纏まっています。

時計編で滞在した久方ぶりのパリでかつての同志に出会ったセルジュが、
虚栄心から見栄を張ってナポリの修行を見せることになり、一着仕立てることに。
悠の修行もまた一歩進んで、道ばたでの帽子作りという少々精神的に辛いモノに…
セルジュ相手だからか、仕立ての基本的なノウハウを詰め込みつつ、
漫画ならではの超短期促成栽培で上達していくセルジュ君。

セルジュもかつて世話になり、今では病気療養の薬の副作用で一気に老けた先輩の為、
真摯に仕事に取り組んで、曲がりなりにも将来を見据えた成長を見せてくれるんですが、
セルジュパパのアランが黙ってみているはずもなく、陰険な妨害を開始ですよ。
いやー、アランのおっさんブレないっすねぇー…

それはそうと、相変わらずラウラが可愛いわけなんですが、
個人的に今回一番ヒロイン度が高かったのはモニカだと思うんですよ。
ビアッジオ親方の仕事はいつも良いですね、素晴らしいですね白バニー
ちょっとロリな体型が故に際立つ可憐さと言いましょうか。
うーん、誰か王様の仕立て屋で薄くてエロい本作ってくれないかしら…

:: 2011/4/5 火曜日::

■[漫画]花開け、現代のマリー・アントワネット「王様の仕立て屋」30巻

王様の仕立て屋 30 〜サルト・フィニート〜 (ジャンプコミックスデラックス)
著者/訳者:大河原 遁
出版社:集英社( 2011-04-04 )
コミック ( 178 ページ )

30巻という節目に合わせて描かれた腕時計編も見事に大団円にて完結。
嫁取りモノであることと、そもそもが腕時計編なので時計職人のハンネスにスポットが当たり、
悠の出番は相対的に少なかったですが、随所でその腕と職人としての先輩っぷりを見せてくれ、
更には最後にはキチっと良い仕事を収めており流石は主人公と思わされました。

腕時計だけでなく、紳士服業界(主にリヴァル社)を巻き込んでの大騒動でしたが、
それらを見事にまとめ上げたストーリーテラーっぷりは流石でした。
個々人の思惑と業界のしがらみといったモノを織り込みながら、
そのストーリーを綺麗に畳む手腕は大河原遁先生の真骨頂だと思います。

ワールドタイマー、トゥールビヨン、そして現代版マリー・アントワネットと、
漫画ならではの無茶なスケジュールをこなしながらも描かれる時計と紳士服の数々は、
蘊蓄もそうですが、見てて面白い装いで非常に楽しめました。
しかし、腕時計ってのはホントに高いもんなんですねぇ…

それにつけても美人の嫁さん手に入れるという偉業を成し遂げたハンネスさん。
悠とは同じ若手だが才能が認められた職人として通じるモノがあるみたいですし、
今後の再登場にも期待したいところであります。
その時までには悠にも良い人が現れると良いんですけどねぇ…
無理かも…?

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