ハルミチヒロさんは「かむかむバニラ!」で知って以来、
他にもちょいエロ系漫画とかには手を出してたんですが、
まさか楽園で恋愛モノを描かれるようになるとは思いませんでした。
そして、それ以上にこんなに面白い漫画を描かれるとは思いませんでした。
シリーズモノではなく短編集という形になっており、
どの短編も非常に個性が強い内容になっています。
普通の男女モノの「夜をとめないで」や百合の「はかなごと」、
中には幽霊になった彼氏と彼女の恋愛モノの「たゆた」まで、
バラエティーが豊かな短編が色鮮やかに花開いています。
そんな数ある短編の中でも私が特に気に入っているのが、
トラウマ引き摺る男と強くて前向き女子の「シャンプーリンスコンディショナー」です。
彼女の浮気現場に遭遇して残酷なまでにフラレて以来、
彼女が使っていたシャンプーの香りがトラウマになった佐々木さん(38)。
ある日会社の飲み会で酷く酔っ払って、
彼女と同じシャンプーの名取あやさんに迷惑を掛けてビンタされた所から物語が動くんですが…
もうね、何か判らないんだけど、この話が好きなんですよ。
大好きなんですよ。
別れた女のことがトラウマになってウジウジする佐々木さんは、
読んでいて痛快な主人公ではないし、共感出来る所は少ないです。
でも、アラフォーで手痛くフラれてしまい臆病になる心の繊細さは分かるんです。
傷つきやすい男の人ってのはどこにでもいるもんですし、
そこが妙にリアルに感じられるんですよ。
そしてヒロインである名取あやさん。
これがね、実に良いんですよ。
酔っ払いに抱きつかれてビンタする強気なトコも良いし、
シャンプーの匂いが気になるならと、匂いに慣れましょう、と前向きなトコも良いし、
佐々木さんに慣れるのを断念したと告げられた時の表情も良い。
もうね、何がどう私の琴線に触れたのかわからないんですが、とにかく良いんですよ!
少なくとも私はこの名取さんのことが凄く好きになりました。
何度も何度も読み返すくらいに。
名取さんは全体的に引っ張ってくれる系の女の子なんですよ。
壁ドンも自分でやっちゃう系女子ですよ。
今の時代だとこういった女の子も有りだと思いますし、
何より佐々木さんには合ってると思うんですよね。
ただ、佐々木さんは間違いなくEDになっていると思うので、
そっちの方でも苦労しそうですが、名取さんなら何とかしてくれると思います。
もちろん、他の短編も面白いです。
ですが、私はやっぱり「シャンプーリンスコンディショナー」が凄く好きなので、
是非ともこの短編を読んで欲しいです。
恐らく私は今後、何度となくこの話を読み返すことになると思います。
それくらい好きです。
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