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:: 2012/6/10 日曜日::

■[漫画]甘くて切ない恋の果実「この果実は誰のもの」

この果実は誰のもの (まんがタイムコミックス)
著者/訳者:仙石 寛子
出版社:芳文社( 2012-06-07 )
コミック ( 140 ページ )
作者サイト:空豆人間

本当に仙石寛子さんの描かれる4コマ漫画の中に流れる雰囲気が良いです。
独特のリズムが心地良く、読んでいると知らぬ間にその世界に取り込まれていき、
気付けば全部読み終わってしまい、その面白さを反芻し、
そしてもっと読みたくなるんですよね。

今回は表題作になっている中編「この果実は誰のもの」と、
1話のみの短編が10話、そして「この果実は誰のもの」特別編と、
前作「三日月の蜜」特別編が収録されています。

「この果実は誰のもの」は気付けばいつも目で追っていた好きな子に告白したら、
ダメ元だったはずなのに何故かOKされたんだけど、
実はその子は部活の同性の先輩と先日まで付き合っていて…

という話なんですが、告白した野球少年の矢川くんが純朴で応援したくなるんですよね!
瀬谷さんのことが好きで好きで一生懸命なのが読んでるこちらまで伝わってくるんだから、
その好意の向き先である瀬谷さんはそりゃー、ほだされるよなぁ。
まぁ、何だかんだで振り回される矢川くんがちょっと可哀想であり、
ちょっと羨ましくもあって面白かったです。

その他短編は勇者と亀の話だったり女の子と羊の話だったりと、
もうホント独特かつ雑多な作品群なんだけど、個人的にクリーンヒットを打つ話もあるんですよね。
「ぜひ、今年の抱負に」なんて酒の勢いと告白なんていうグダグダなだけの話なのに、
何か心にサクっとくるものがあったというか…
「ハルハル卒業」は鈍感な男教師と切ない恋心な女生徒の話だったんですが、
最後の「私の青春かすめてったんですよー」は本当に良い台詞だと思うんですよ!
自分の青春時代を思い出させられる、心にじんわりと染みてくる良さがあります。

あと「お嫁さん欲しい」ですが…
その…、大変なんだなぁ、と…
私もお嫁さんとか贅沢を言いませんから、
疲れてる時に慰めてくれる女の子のお友達が欲しいです。(笑

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