■[ラノベ]白樺の森の狩り「ウロボロス・レコード」3巻
ウロボロス・レコード3 (ヒーロー文庫)
著者/訳者:山下 湊
出版社:主婦の友社( 2016-06-30 )
作者サイト:山下湊
絵師サイト:シノノノート
絵師twitter:しのとうこ(@touco_shino)さん | Twitter
尚武の国ザンクトガレンに広がる魔獣がひしめく森の奥深く…
結界に守られた白樺の森に住む年若いエルフのバーチェは美しも生粋の女狩人。
ある日未熟さから獲物を追いかけて結界の外に出てしまい絶体絶命の窮地に陥る。
しかし偶然ドライと名乗る隻眼のダークエルフに助けられ…
平和に暮らすエルフたちに唐突に訪れる悲劇が辛い。
自分の不老不死の望みのためエルフを同じ知的生命体ではなく、
実験材料とか便利な駒にしか思ってないトゥリウスの狂気がヤバイです。
特に今回はエルフの若いカップルのキャラを掘り下げてからの惨劇なだけに、
感じられる悲劇の度合いは今までの比じゃないですね。
その悲劇のキッカケであるドライの背景も考えると更にヒドい…
自然との共生と狩りについての矜持を持っていたバーチェが、
自分のせいで被った里の壊滅的な被害と相方のチャーガによって心が壊れ、
幼児退行してしまったのが本当に辛いなぁ。
ベルセルクの13巻みたいな感じと言えばわかりやすいかな。
しかも主人公が殲滅する側な上に現場に出てすらいないあたりがとてもヒドい…
でもまぁ、そのダークファンタジーなあたりが面白いのが困りモノですね。
捕らえたエルフたちの改造手術だけでなく、
ホムンクルス作成に対して倫理観に欠如した発想がナチュラルに出てくるあたり、
マッドサイエンティストとしての資質がありまくりなのがよく判ります。
その頭脳はやはり悪魔的だよなぁ。
さて、次は貴族同士の権力闘争に巻き込まれますね。
静かに錬金術の実験だけやらせておけばいいのに、
あの悪魔を王都で失脚させる陰謀に巻き込むとか、
どちらにも損しかないんだけど…
それをやらざるを得ない人の業こそが一番の罪深さですかねー…
この3巻でもWeb版からの補完が多くあったし次の4巻も楽しみです。
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