本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
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:: 2015/5/29 金曜日::

■[漫画]迷いながら ぶつかりながら 揺れながら 過ごした日々を いとしく思う「とめはねっ!鈴里高校書道部」14巻

とめはねっ!鈴里高校書道部 14 (ヤングサンデーコミックス)
著者/訳者:河合 克敏
出版社:小学館( 2015-05-29 )

書道をテーマにした高校生部活青春物語がついに完結!
連載ペースはゆっくりでしたが、その分良い作品になってますよ。
河合克敏さんとしては初めての青年誌での連載でしたが、
むしろ今までで一番少年誌向けだったような気がします。

この夏の合宿を最後に書道部を去ってしまう望月さんのために、
気持ちを込めた書を完成させるために頑張る縁が格好良かったです。
そんな縁の姿を見て三浦先生や影山先生が助言をし、
その集大成としてあの書が出来上がったかと思うと感無量なものがありますね。

「迷いながら ぶつかりながら 揺れながら 過ごした日々を いとしく思う」

高校生活、部活仲間と過ごした日々を思い出させる短歌に込められた思い、
そして自分の気持ちを込めた大江縁 渾身の卒意の書。
だからこそ三年生たちだけでなく、望月さんも心を動かされ、
何としてでも書道部に戻ってこようと決意したんだよなぁ。
派手さはないけど、心を打ってくる見事な書だ…!

そして席上揮毫で書いた「ただ一本の線を書く」ですが、
望月さんに一本の線を書いて貰ったのは初めての合作の「母」の字を思い出しますね。
もしかしたら柔道の一本と掛けてるのかもしれません。
将来二人が結婚したとしたら、二人の初めての共同作業として結婚式で紹介されそうだ。(笑

描き下ろしのエピローグで四ヶ月後が描かれてましたが、
そこでもはっきりと二人が付き合うことになっってませんでしたねー
でもこの二人は将来付き合ってそのまま結婚しそうな気がするんだよなぁ。
縁が卒業式に漢字かな交じりの書でラブレター書いて渡しそうな気がする。

それと望月さんが決勝戦で試合をした相手は「帯をギュッとね!」の石塚夫婦の娘さんでしたね。
ここら辺の遊び心も面白かったです。

本当に面白い作品だったので終わってしまったのは残念でしたが、
素晴らしい終わり方だったので大満足です。
良い作品をありがとうございました!

:: 2015/1/5 月曜日::

■[漫画]歌は人の心のうちに鳴る楽器「とめはねっ!鈴里高校書道部」13巻

とめはねっ!鈴里高校書道部 13 (ヤングサンデーコミックス)
著者/訳者:河合 克敏
出版社:小学館( 2014-12-26 )

「書の甲子園」と望月さんの退部までのタイムリミットが刻々と迫る夏の合宿編ですが、
この13巻ではその合宿編はまだ終わっていません。
ですが、それを感じさせない濃密な出来事が多々有り、
全く目を離せない面白さが詰まっています。

「書の甲子園」で連覇を成し遂げるために難易度が高い書に挑む一条と、
退部してしまう望月さんへの想いを込めた書にしたいと望む縁。
望月さんへのアプローチまで含めて対照的な二人ですが、
書への情熱はお互いに負けておらず、お互いの書へのアプローチが中々に面白かったです。

金文の篆書、しかも一部の文字は金文にないからと甲骨文字から持ってきて、
その為の知恵を三浦先生に借りるとか、一条の書は本当にハイレベルでした。
それに対して、縁は自分が望月さんと共に培ってきた技術と、
その想いを伝える言葉を見付けて、ひたすら真面目に取り組む姿は応援したくなりますね。

今までの河合克敏作品の主人公はイケメンリア充タイプが殆どだったので、
一条みたいなキャラクターがライバルキャラで、縁が主人公というのは非常に珍しいです。
ですが、それで今までにない深みのある面白さが出てると思うんですよね。
地味だけど実直な縁の想いが望月さんへ伝わって欲しいと思います。

また、三浦先生がかつて衝撃を受けた井上有一の「噫横川国民学校」ですが、
見開きで描かれていて衝撃的でした。
一応ググればその書を見ることが出来ますが、
出来れば漫画の中で読んで欲しいですし、その後実物も見てみたいですね。

さて、巻末で予告されてましたが次の14巻で最後です。
縁の書に込めた想いが望月さんにどう届いたか。
「書の甲子園」の結果がどうなったか。
色々と気になることが多いですが、今年の春に出る最終巻に期待しています。

:: 2014/1/5 日曜日::

■[漫画]夏の合宿で最後の思い出!?「とめはねっ!鈴里高校書道部」12巻

とめはねっ!鈴里高校書道部 12 (ヤングサンデーコミックス)
著者/訳者:河合 克敏
出版社:小学館( 2013-12-27 )
コミック ( 201 ページ )

高野山競書大会の表彰式から12巻ですが、
これでしばらく京都の大槻さんが出てこないとなると寂しい限りです。
微妙に縁とフラグが立ってるツンデレさんというのもあるんですが、
あのキャラクター性が好きなんですよねー

代わりといっては何ですが、本格的な夏が始まったので、
今年も鵠沼との合同合宿が始まり、鵠沼女子部員の皆さんが密度濃く登場!
特に今回は地味ながら色々とポイントが高い副部長の見城さんが、
見事な水着姿を見せてくれますからね!
黒髪ロングでプロポーション抜群で清楚な書道美女とか、
声が大きなひろみの影に隠れがちだけど、かなりポイント高いですよね見城さん。

また、夏合宿には一条も合流しているんだけど、
勅使河原&一条に「女子部員に男として見られてない」発言をされていた縁は、
事実その通りだと思うので、もうちょっとこう、頑張った方が良いんじゃないかな!
特に望月さんには男というより、ライバルとしか見られてないよね!
良いのかそれで…

そして肝心の書の方ですけど、三浦のおじいちゃんが流石の指導者っぷりを見せてましたね。
初めから正解を教えずに自分で正解を考えさせるような教え方みたいですが、
それでも詰まったらちゃんと蘊蓄混じりの雑談を踏まえて教えてくれますし、
望月さんや縁にも良い合宿になってると思います。

それにしてもどんどん「書の甲子園」までの時間が迫ってきたなぁ…
望月さんホントこのままだとどうなるんだろ。
というか恋の行方どころか、望月さんに恋心が実装されるのかどうか…
無理な気がしてきた。(ぉ

:: 2012/9/3 月曜日::

■[漫画]京都でしゅうがくっ!「とめはねっ!鈴里高校書道部」10巻

とめはねっ! 鈴里高校書道部 10 (ヤングサンデーコミックス)
著者/訳者:河合 克敏
出版社:小学館( 2012-08-30 )
コミック ( 197 ページ )

前回、縁のお祖母ちゃんが気持ちも新たに書道部で教えてくれることになり、
今回はお祖母ちゃんの勧めで書道部の面々は「高野山競書大会」に参加することになったんだけど、
縁と望月さんは締め切り直前まで修学旅行で一週間九州と京都に赴くことに。
それでも負けん気が強い望月さんは、京都で本物の名筆を見るというアイディアを閃き…

という訳で今回は縁たちの修学旅行が話のメインになっています。
前半の九州旅行はマキで、後半の京都3日間が書道部的に本番です。
ただ、段取りが頼りにならない影山先生のせいで博物館に行くも改装作業中で、
どうしたもんだかと思っていたら、京都在住の書道日本一高校生な大槻さんと奇跡の再会!

いやはや愛されてますね、大槻さん。
登場初期は嫌味なキャラかと思ってたのに、オープンキャンパスで素が出てきてほんわかしてたら、
今回の修学旅行で愛すべきキャラに化けたという感じがします。(笑
望月相手に土産物屋ではしゃいでる姿は女子高生らしくて可愛らしかったですよ。

そんな大槻さんに大阪と京都の美術館に案内され、
そこで「継色紙」や「高野切」といった有名な「かな」の真筆に触れることになった縁たち。
名筆を前にして、それぞれの着眼点や感性がじっくりと描かれていて、
縁や望月さん、そして大槻さんの書に対する想いがしっかりと伝わって来ましたよ。
それにしても縁…、お得意の帰国子女スキルで活躍はしたものの、
飴を食べさせるだけで割りと満足するとは…、流石草食系男子の代表格だなぁ…(笑

他にも縁のお祖母ちゃんが見せてくれた料紙の薀蓄だったり、
島さんの勧めで書くことになった木簡だったりと書に対する話はいつも通り興味深いです。
また、源氏物語に関する意外なエピソードとかも含めて、
馴染みがない分野でも面白く感じることが出来る「とめはねっ!」という作品はやはり凄いと、
再認識させられました。

「高野山競書大会」を前に己を知りながら前向きな姿勢を見せてくれた望月さんですが、
柔道の強化選手に選ばれて二足のわらじが難しくなってきたけど…
はてさてどうなることやら。
「高野山競書大会」の結果ともども気になりますね。

余談ですが、「書の甲子園」の時に大槻さんたちが大阪-京都間で新幹線を使ったことが不思議でしたが、
どこかでツッコミがあったのか、さり気なく大槻さんが解説してたのにちょっと笑いました。
関西圏に住んでたら京都-大阪間の近さは割りと常識の話ですしね。(笑

:: 2012/1/3 火曜日::

■[漫画]三浦先生カッコイイ。「とめはねっ!鈴里高校書道部」9巻

とめはねっ! 鈴里高校書道部 9 (ヤングサンデーコミックス)
著者/訳者:河合 克敏
出版社:小学館( 2011-12-27 )
コミック ( 208 ページ )

今回は書道部の新人勧誘騒動も一段落して、縁たちにとっては二回目の市民書道大会へ。
夏の合宿や書の甲子園、かなの書の練習にオープンキャンパスでの研鑽と、
縁たちも1年を通して色々と経験して成長していますし、
新入生の島さんは実力があるということで鈴里高校書道部の成果にも期待が持てます。
ですが研鑽を積んでいるのは鵠沼高校書道部も一緒な訳で…

という訳で市民書道大会での一位は、今まで割りとモブ扱いだった鵠沼の副部長、見城さん。
オープンキャンパスでも失敗を糧に更なる勉強を決意する描写があったけど、
ここまでしっかりとした結果を残せる程になるとはちょっと驚きです。
もちろん、縁はその実力に見合った結果を出せていたし、それは望月さんもだった訳で、
鈴里高校は島さんを含めて成長した実力を発揮したのは明らかなんだけど、
よしみの嫌み攻撃で加茂三輪コンビが口惜しがって騒動が広がる訳なんですが…

それにしても大江英子女史の口から語られる50年近く前の話は面白いですね。
特に若かりし頃の三浦清風先生が理知的で頼もしい大人で素晴らしいですよ。
今回は市民書道大会での島さんへの対応といい、三浦先生の男前っぷりに感心することしきりでした。
そりゃ若い頃の笠置女史が憧れるのも判るし、生徒達に人気があるのも判ります。
まぁ、何がどうなってセクハラジジイになったのかは判りませんが。(笑

そんな若かりし頃の三浦清風先生に師事した笠置女史と英子女史。
二人とも三浦先生から大切なことを学んだと感じていても、受け取ったモノはそれぞれ異なり、
お互いの教え子に学ばせようとしているものも異なっている訳で…

うーん、これはどちらも間違っているとは思えないんですよね。
敢えて言うならどちらが教わる側に合っているかの違いだと思います。
これからも何かと顔を合わせるであろう両書道部の面々が、
今後二人から教わったことをどう発揮していくのか楽しみでもあります。

:: 2011/6/6 月曜日::

■[漫画]新入生がやってきた!「とめはねっ!鈴里高校書道部」8巻

とめはねっ! 鈴里高校書道部 8 (ヤングサンデーコミックス)
著者/訳者:河合 克敏
出版社:小学館( 2011-05-30 )
コミック ( 216 ページ )

オープンキャンパスでの突発的「かな勝負」の開始から決着に、
縁ちゃんが望月さんのデートに図らずも乱入しちゃったり
新緑の季節に入り、新入生が書道部にもやってきたりする「とめはね」8巻。
本誌連載が昨年末から今年の3月末まで休載してたので心配しましたが、
何とか無事出たようで嬉しい限りです。

「かな勝負」では鵠沼の、というかブラック日野ちゃんが負けん気の固まりになっているのに、
一見何も考えてないようで真剣に書道に取り組んでいる縁ちゃんの方が上に来ちゃう展開は、
こういってはアレですが、やはりスカっと爽快感があるんですよね。
それでいてちょっと抜けてて、そこに先輩からサクっとツッコミが入るのが縁ちゃんらしいというか、
憎めないトコなのですよ。

望月さんと一条くんのデートを図らずも邪魔しちゃった時も、
何とも草食系らしい消極的な縁ちゃんも彼らしいと言いましょうか。
どちらかというと今までの河合克敏作品の主人公フォーマットは一条くんなだけに、
新鮮さが感じられて良いんですよね。
まぁ、ヒロインの望月さんも全くヒロインしていない脳筋で、
一条くんとのデートも全くデートと認識してない上に、
そもそも異性としてより書道のライバルとして見てる辺りが何ともおかしいというか微笑ましいです。(笑

さてさて肝心の新入生ですが、望月さんに憧れて柔道部と掛け持ち入部した羽生さんはまだ扱いやすいけど、
前衛書という斬新な書道に邁進する島さんが加入して、更に混沌としてきそうで面白いです。
縁ちゃんに対して初対面のイメージが悪い島さんですが、
これは後に縁ちゃんルートに入る前フリな気配をヒシヒシと感じますですよ。

しっかし、縁ちゃんは顧問を除いて唯一の男子だというのに全くハーレム主人公じゃないでしょね。
羨ましさよりも先に同情心が先に来てしまう、そんな主人公です。
頑張れ、縁ちゃん。

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