本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!
:: 2018/4/18 水曜日::

■[ラノベ]狂戦士の休暇「ログ・ホライズン 11 クラスティ、タイクーン・ロード」

転移現象に巻き込まれヤマトサーバーから姿を消していたクラスティ。
彼は記憶を失くし、魂冥呪というバッドステータスを付与され、
中国サーバーの仙境で放蕩者な休暇を満喫していた…
そこに中央アジアを踏破してきたカナミたちがやってきて…

ログホラ久しぶりの新刊はクラスティが主人公の外伝です。
ただ、クラスティが主人公というよりも、
古来種であるエリアスの方が主人公っぽいかもしれません。
こう、自らの存在理由に苦悩する姿とかとても主人公してましたし。

それを言ったら、苦悩し、洗脳されたエリアスに対峙したレオナルドも主人公なんだよなぁ。
うん、やっぱりログホラはみんなが主人公の群像劇だと思います。
レオナルドとか特にニューヨーカーらしい思考回路してて、
本当に個性が立ってますし、そういうところは凄いと思わされますよ。

あと、ヒロインはやはり花貂でしょうか。
守られキャラだし、甘い物好きでクラスティになついてるとことか可愛いし。
やっぱり造形まで含めて可愛いし。(二回言った)
ただ、片腕になってまでクラスティの傍らに侍っていた三佐さんも大概アレだな、と思いました。

こりゃ、ヤマトサーバーで大人しく待っているはずないよね…
どう考えても迎えに行くよ…
リーゼと二人して中国サーバーにやってきそうだなぁ…(笑

:: 2017/12/21 木曜日::

■[ラノベ]21世紀から転生したら奈良なのである「ブラック・トゥ・ザ・フューチャー 坂上田村麻呂伝」

日系三世の黒人警官マール・タムラはマフィア捜査中に殉職。
そして神とブッダに出会い、転生させられることになるんだけど、
何故かその場所が奈良時代の武門の家、坂上家で…

「異世界から帰ったら江戸なのである」や「オール・ユー・ニード・イズ・吉良」といった、
時代考証が無駄に凝った(褒めてます)小説を書く左高例さんの作品です。
積んでたんですが、仕事が一段落ついたので一気に読破した次第であります。
しっかし、相変わらず突拍子もないけど史実と微妙に合致した設定と展開のオンパレードで、
読んでてひたすら楽しかったです。(笑

坂上田村麻呂黒人説という、割りと与太な話を軸に物語が構成されてるんですが、
転生したマールの、人生前向きハッピーに生きる生き様と、
同じく転生してきた高子のTSエンジョイハッピーワイフっぷりが楽しかったです。
レイバンのサングラスとか唐突にネタをぶっ込んできたり、
もうわけがわからないけど、それもまた良し!(笑

「オール・ユー・ニード・イズ・吉良」もそうだったけど、
途中は読んでて楽しいんだけど、終盤は謎の感動を味わってしまうから凄い。
田村麻呂が最後の出陣をする時の周囲の反応とか見てると、
何というかこう、グッとくるものがあるんだよなぁ…
これが、格好良い男というものなのかしら…

何はともあれ面白い作品でした。
惜しむらくは洋画に詳しくないので、洋画ネタの殆どがわからなかったことかな…
流石に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」はわかりましたけどね。(笑

:: 2016/5/31 火曜日::

■[ラノベ]幸せになる方法「火輪を抱いた少女 III 二つの太陽」

グロールを破ったアミルがホルシード帝国第四代皇帝となり、
ムンドノーヴォ大陸へ遠征し輝かしい未来が見えたような気がしたリベリカ大陸。
しかし実情は悲惨で、帰還兵が持ち帰った疫病に咎草、
そして星教会による反抗で遠征も膠着状態に陥り、
遠征費を負担している南北コインブラ州は疲弊し…

「驕る平家は久しからず」の言葉通り、あっという間に凋落の気配を見せるアミルと、
アミルの甘さによって命を長らえて雌伏の時を過ごしたエドガーとノエルたちが、
コインブラを電光石火の勢いで取り戻すだけでなく、
バハール州へも攻め入る展開は痛快でしたね。
エドガーが父グロールの同じ轍を踏まないように全面的にノエルを支持することで、
イル教徒たちと反目しそうになった時はヒヤヒヤしましたが、
イルヴァンたちが勇者や死神に酷い目に合わされていた過去のお陰で何とかなった時は、
前作と前々作を知っているとニヤリとしました。

ただ前作と前々作の少女たちに比べてノエルは結構マシなんですよね。
クレイジーでサイコで敵には容赦無いんだけど、敵認定する前に猶予があったり、
何より過去の敗北から学習して成長したりしますからね。
成長の伸び代は武力というよりも人心掌握とかそっち方面がメインなんですけどねー

それにしてもWeb版と違ってドルカスが生き残ったのは意外だったけど、
ノエルという主人公像を考えるとこれはこれで有りなのかな、と思います。
そしてWeb版に比べて流刑地アンドロメダさんのお陰で、
リグレットの卑屈さと醜悪さが際立ってて最高でしたね!
実弟のロイエに対する蔑みと愉悦混じりの表情とか素晴らしかったです。(笑

:: 2016/3/19 土曜日::

■[ラノベ]美しい花には業火な毒がある「火輪を抱いた少女 II 悪鬼」

火輪を抱いた少女II 悪鬼
著者/訳者:七沢 またり
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン( 2016-02-29 )

作者サイト:七沢またり
絵師pixiv:「流刑地アンドロメダ」のプロフィール [pixiv]
絵師twitter:流刑地アンドロメダ(@korera001)さん | Twitter
Kindle版:火輪を抱いた少女II 悪鬼< 火輪を抱いた少女>

2巻では第一部完といったところでしょうか。
冒頭から盗賊に扮したバハール兵を相手に五寸釘で拷問という、
SAN値が上がりそうな展開で始まりますので、
耐性がある人にのみオススメしたい作品です。

主人公のノエルは見た目は良いのでドレス姿とかは美しいんですが、
戦闘行動とか色々と容赦無いので凄惨な状況ばかりというか…
バハール兵から悪鬼と呼ばれるのがしっくり来るんですよね。
戦闘以外では日向ぼっこが好きなだけのただの少女って感じなんですが…

そんな彼女が劣勢のコインブラを勝たせるため、
敵の策を見破り乾坤一擲の策を打とうとしているのに、
敵の離間工作にまんまとハマって身動きが取れなくなるのは辛いなぁ。
全てを悟った時のグロールの様子を見てると、
胸のすく思いもあったけど、それ以上に寂寥感を感じました。
それは実の弟に手玉に取られる兄の姿が憐れあったからでしょうか…

この2巻だけだとバッドエンドです。
表紙からして悲劇を物語っていますからね。
ただ、次の3巻でどんでん返しが待っています。
とはいえ単純にハッピーエンドになるわけではなく、
必ずしも後味が良い終わり方ではないけれど…
面白いので是非3巻も読んで欲しいですね!

:: 2016/3/18 金曜日::

■[ラノベ]クレイジーサイコデストロイヤー「火輪を抱いた少女 I 晴れのち地獄」

火輪を抱いた少女1 晴れのち地獄
著者/訳者:七沢またり
出版社:KADOKAWA/エンターブレイン( 2015-11-30 )

作者サイト:七沢またり
絵師pixiv:「流刑地アンドロメダ」のプロフィール [pixiv]
絵師twitter:流刑地アンドロメダ(@korera001)さん | Twitter
Kindle版:火輪を抱いた少女 I 晴れのち地獄

いつも通りの七沢またり作品です。
破滅的な強さを持つ狂った少女が敗色濃厚な軍に所属して戦うという、
クレイジーサイコデストロイヤーノベルです。
ただ今回は全3部作になりそうなところがいつもと違います。

リベリカ大陸全土に覇を唱えるホルシード帝国。
太陽帝を称する皇帝の命により極秘裏に進められていた黎明計画。
それは不老不死を願った三代皇帝ベフナムによる子供を使った人体実験で、
狂った研究者によってたった一人の成功例以外は全員死んでしまう。
しかしもう一人、墓穴の中から不良品と蔑まれていた少女が蘇ってきて…

人体実験と少年兵訓練の失敗作ながら圧倒的な武を持つことになった少女・ノエルが、
皇子同士の帝位争いの戦争に巻き込まれながら、
そこで強かに生き残るだけでなく、仲間を作りながら幸せを求める物語です。
仲間は手厚く守りながら、敵には容赦なく鉄槌を振り下ろす。
そして約束は絶対に守るというちょっとネジが外れた少女の物語。

読者からすると誰が裏切り者かわかるので、
斜陽のコインブラ州太守であるグロールの道化っぷりが際立ちますが、
そんなグロールの下でも才覚を示して頭角を現すノエルが格好良いんですよね。
元仲間だけど裏切って外道に落ちたら容赦なく断罪するという、
果断なスタイルも狂気と紙一重の格好良さも魅力の一つだと思います。

ちなみに前作「勇者、或いは化物と呼ばれた少女」前々作「死神を食べた少女」と同じ世界観、
より詳しく言うと隣の大陸のお話ですので、
両方を知っているとより楽しめますので、
この作品を読んで興味を持った方は是非そちらもどうぞ。

:: 2016/1/11 月曜日::

■[ラノベ]江戸も人生も太平なのである「異世界から帰ったら江戸なのである」第参巻

終わってしまった…
一応、第一部完ということなので続きが出る可能性もありますが、
Web連載の方も第一部完で終わってしまったので、
どちらにしろ当面の間は新作に触れることが出来ない訳でして、
ファンとしては大変に悲しいです。

時代小説とラノベのテイストをミックスさせた上に、
パロネタをてんこ盛りにした変な作品なんですが面白いのですよ。
七夕の日に玉川上水を引いている長屋の井戸掃除をする江戸の暮らし描写は興味深く、
異世界時代の魔女に覚醒する前のイリシアとの出会い、
そして長年付き合っていた告死妖精クルアハとの別れは切なくてですね!
どのネタも面白いんですよ!

それでいてお八ちゃんの恋する乙女のラブコメっぷりが可愛いし、
石燕の残念喪女っぷりも一周回って可愛いと思えちゃいますしね。
まぁ、九郎は割りとヒモっぽいというか実質ヒモな上に、
見た目は中学生だけど中身は95歳の老人で不能なので、
ラブでコメる進展がほぼないんですけど、それすらも面白かったです。

とても好きな作品なだけにこれで終わるのは残念で仕方ないですが、
もしこの書籍版を読んで続きが気になった人は是非ともWeb版を読んでみてください。
100話以上続いている上にそこそこキリが良いところで終わってますので、
ある程度は満足できると思いますですよ。

まぁ、正直言うとバカ売れして急遽第二部が始まってくれるのが一番嬉しいんですけどね!

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