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:: 2024/9/26 木曜日::

■[ラノベ]激闘、のち混迷「ロメリア戦記 ~魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織した~」5巻

ガンガルガ要塞での激闘から二年…
人類連合軍は魔王車をあと一歩のところまで追い詰めていたが、
ローバーンを守るグラナの長城を攻めきれずに居た。
ロメリアとギャミの知謀がせめぎ合う中での戦いは熾烈なものになるのだが…?

アニメ化決定おめでとうございます。

追放逆ハーモノに見せかけたガチガチの戦記物なので。
アニメから入った人がどう思うのか今から楽しみですね。

さて、なろう版はガンガルガ要塞戦の直後の戦いを連載中なので意表を突かれましたが、
このガガガ版は一気に二年飛んでのグラナの長城編となります。
以前にも似たようなことが有りましたが、思い切りが良いですね。
ガリオスとギャミというロメリアの宿敵との戦いがないと盛り上がらないというのはわかるので、
こういったのも有りだと思います。

それにしてもアルとレイがどのようにして前線に出てきたのかと思ったら、
完全に命令無視をしての出奔だったとは…
二人にとって最優先なのは国王ではなくロメリアだから当然ではあるんですけどね。
それの帳尻合わせというか、しわ寄せがロメリアに行ってるのはちょっと可哀想ではあります。

しかし、猜疑心の塊であるアラタ王はまだ理知的なので話し合いの余地はあるのですが、
その後継となるアーカイト王太子が馬鹿王子すぎてゲンナリしますね。
これでロメリアが魔大陸で建国した日には、主要な人物はそちらに移住しそうな気が…
少なくともロメリアが居なくなってアーカイトが王となったならば、
ライオネル王国は列強国の草刈り場となるような気がします。

ただそれも魔導船の開発とローバーンを攻略を成功しないと取らぬ狸の皮算用となるんですよね。
前者はなろう版を読む限りサンプルを見付けたので目処は立っていると思うのですが、
後者に関してはこの5巻での激闘が混迷の様相を呈しているため先行き不明ですね…

ギャミとロメリアの知恵比べは、一先ずギャミの勝利となったけれど、
それをも覆す異常事態が起こったため、これからどうなるのか本当に読めなくなりました。
それでもアザレアが直前で看破することでギリギリでギャミとガリオスは生き残ってるけど、
苛烈なロメリアが容赦するはずがないので、まだまだわかりませんね。

魔王軍は爬虫類の見た目ながら、
戦地で芽生える恋、戦地だからこそ大切にしている恋。叶わぬからこそ身を焦がす恋…
と、人類よりも色とりどりな恋模様を見せているだけに読者からすると複雑なんですよね。
魔王軍も悪いヤツばかりじゃないんだけど…
魔王に従って侵攻してきたからこそ反撃されて窮地に立たされているので同情はできないんですよね。
とはいえ、後方にいる参謀部の三人の女性にはあまり不幸になって欲しくなかったりします。
…それはそうと、爬虫類の恋模様をビジュアル面で見せる必要があるコミカライズ版は大変だろうなぁ…w

それにしても今回ギャミ達が陥った状況ですが…
「海皇紀」のアルレオニスを思い出しましたね
あれって何か元ネタとかあるのでしょうか?
私は戦記物に詳しくないので思い浮かばないのですが…
先の読めない愚物を考慮することは賢者には難しいということなのであるなぁ…

:: 2023/7/19 水曜日::

■[ラノベ]悪い子と 悪い大人と ロメリアと「ロメリア戦記 ~魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織した~ 外伝」

ギリエ峡谷の先で港湾工事を始めたロメリア。
有能な商人、頼りになる師匠たち、信頼できる部下、と揃っているけれど、
内陸国家だったライオネル王国には港湾関係の知見を持つ者はほぼ皆無。
そこでメビュウム内海に浮かぶメルカ島に協力を求めることにしたロメリアだったが…?

今回は電子書籍オンリーでの外伝が出ましたけど、
1巻と2巻の間の話で、コミカライズ3巻の後の話ですね。
確かに港湾工事はさらりと流されてましたけど、
難事業であることは間違いないですし、何かしら物語が有るとは思ってましたよ。
しかし、これほどロメ隊の脇キャラたちが美味しい物語だとは思いませんでした。

どこか抜けているところがあるガットは憎めない奴だし、
好きな女の子のために頑張る姿は格好いいと思うのですよ。
ただ、頑張りすぎて心配させられるところはハラハラしてしまいますね。
ポーラは大変だと思うけど、ある意味自業自得なハラハラ具合だと思います。

DVサバイバーのゼゼの過去もツラいものが有ったけれど、
それを知りながら助けることができなかったジニもトラウマになっていた、というのは、
とても良い視点だと思いますし、だからこそ戦災孤児たちに感情移入しちゃいますよね…
ロメリアが中々命令を下せないのも仕方ないよなぁ。

それにしてもメアリーは本当に考え無しで頭が痛いですね。
父親であるモーリス船長の方がもっと頭が痛いと思いますけど…
「悪い子になると、本当に悪い大人の格好の餌食にされる」という言葉通り、
メアリーたちが操られているのは昨今の闇バイトで犠牲になる大学生を見ているようです。

だからこそ、そんな悪い子や本当に悪い大人たちの更に上を行くロメリアは格好いいわけですよ。
用心深く、合理主義で、現実主義なのがロメリアですからね。
伊達に世界を巡って魔王を倒してはいませんよね。

それにしても相変わらずロメリアは自己評価が低いというか。
アルもレイも本当に大変だな、と思いましたw

:: 2022/5/29 日曜日::

■[ラノベ]ガリオスの答え「ロメリア戦記 ~魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織した~」4巻

ガンガルガ要塞を攻略する人類連合軍において水攻めを使ったロメリア。
しかし陥落間近の時に魔族の援軍が到着し激戦となりレーン川の対岸へと撤退する途中、
ホヴォス連邦の暴走でスート大橋が爆破されてしまい、
取り残されてしまったロメリアたちは絶体絶命の危地に陥ってしまい…?

人類軍と魔王軍、優勢と劣勢が目まぐるしく変わって混乱しそうでしたね。
ロメリアとギャミという優秀な指揮官たちの策謀もさることながら、
クーデリア皇女とイザークという一騎当千の武人に、
ヒューリオン王といった予想外な手札。
そして、ガリオスという強力すぎるラスボスと、先が全然読めなくて驚きの連続でした。

ロメリアの策が鮮やかだったのは流石の一言なんですが、
要塞攻略のための最後の一手をゼブル将軍の犠牲を伴ったのには心残りがありますね…
必要な犠牲だったとは思うのですが…
ゼファーに対する不器用な父の愛、というのを見ただけにね…
しかし、他人のことならわかるのに自分のことは分からないとは、
ロメリアは本当に自分の事に対しては鈍感ですよね。

カラー口絵でガリオスに対してアルとレイが対峙するネタバレを食らっていたので、
ラスボス決戦があるのはわかってましたが、
結局アルとレイがどのようにして国王の命令を覆したのかはまだわからないですね。
個人的にはレイのロメリア至上主義っぷりが気持ち良かったので、
そっちで振り切ったというのもアリだとは思うのですが、
何となくグラハム伯爵が手を回したような気がします。

ガリオスが遂に得た答えですが、
この答えによって為されたことが今後魔族と人類の戦いにおいてどういった意味を持つのか。
とても気になるところですが、
レーリア公女とゼファー、ヒュース王子とグーデリア皇女といった、
若き王族たちの恋愛模様の結末も気になるところです。
何とか幸せになって欲しいものなんですけどね…

:: 2022/5/28 土曜日::

■[ラノベ]傷だらけの聖女「ロメリア戦記 ~魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織した~」3巻

英雄王アンリと聖女エリザベートを失ったザリアの乱から二年。
ロメリアはライオネル王国を率い、人類連合軍によるガンガルガ要塞攻略戦に参戦していた。
各国が功績を得るために声高に叫ぶ中、ロメリアは水面下で秘策を実行していた。
対する魔族軍では窮地に際して参謀のギャミが監獄から出されてその叡智を振るいだしていて…

各国の軍上層部が集まる中でも平然としているだけでなく、
部下を意図せずやる気を最高に出させたり、
驕慢な部下も見事に扱き使ったりと、ロメリアは相変わらず人使いが上手いですね。
そしてかつて旅して広げた知見を遺憾なく発揮して、
要塞を水攻めするというのが面白かったです。
これ、モチーフは備中高松城の水攻めですよね、多分。

対する魔族の方ですが、技術水準がやたら高いですね。
まぁ、大陸間航行が可能な魔導船を建造できるからそれは明らかなんですけどね。
それを認めようとしない人類たちは、ちょっと偏見が凝り固まってる気がします。

また、ギャミのような多様性に富んだ兵種の開発等に熱心な魔族がいるから、
人類は簡単に対策されて足下をすくわれるんでしょうね…
それにしても個の戦闘力を重視する魔族社会で、何故このような技術開発が進められてきたのは謎ですね。
案外、ギャミを拾った魔王のような上層部が昔から多かったのかもですね。

そのギャミですが、獄中にあっても色々と動く行動力と実行力が凄かったです。
ただ、そんなギャミすらもタジタジになってしまうアザレア嬢が面白かったです。
純粋な好意を向けてくる有能な異性とか、確かにギャミには天敵かもしれませんね…w
一体どんな経緯でギャミに惚れるようになったのかが気になるところです。

味方陣営のミスで窮地に陥ったロメリアたちですが、
ロメリアはやはり窮地でこそ輝いてしまうんですよね。
本人にとっては不本意でしょうが、やはりピンチに陥ってこそロメリアって感じがします。

3巻も面白かったけど、一つだけ注文をつけたいというか…
ガンガルガ要塞を含めた地形というか、陣営の図が欲しかったですね。
流石に文字から想像するだけでは難しいくらいに味方陣営とか多かったので…

:: 2022/5/25 水曜日::

■[ラノベ]王弟ガリオスとの決戦「ロメリア戦記 ~魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織した~」2巻

ロメリアがカシューで軍隊を組織し始めてから3年。
アンリ王子は戴冠するも軍部を掌握するザリア将軍とは対立したままな上に、
義父のファーマイン枢機卿長の強欲さに国庫が逼迫し魔王軍残党を討伐できないでいた。
そんな中、ロメリアを旗印とした軍事同盟が拡大して各地で討伐を成し遂げていて…

Web版の第二章が丸っと省略されていて驚きました。
確かにロメリア視点が少なかったし、ツラい展開もあったので仕方ないのもあるんですが…
とはいえミーチャやソネアさんの悲劇は知っておきたいというか…
無かったことにはしたくないかな…

魔族の中の英雄というか戦闘狂の王弟ガリオスですが、
竹を割ったような武力一辺倒の武人、というのは中々に魅力的だと思います。
圧倒的な個の暴力によって親衛隊が数百人単位で蹂躙されるエリザベートからすると、
溜まったもんじゃないでしょうが…

ガリオスに対して個の戦闘力が高い魔王殺しの英雄たちとロメリア二十騎士が共闘するシーンは、
呂布に対して劉備、関羽、張飛の三人で挑む虎牢関の戦いを彷彿とさせますね。
その戦いに加われない武力のないロメリアだけど、
指揮官として類い稀なる度胸と知謀を発揮しており、
やはり彼女も英雄なのだな、と思いました。

ただ、ロメリアは女子力が極端に低い合理主義の現実主義のため、
そりゃ魔王討伐メンバーの中でハブられても仕方なかったのかも?
と4人の再会&仲直りシーンで思ってしまいました…w
たとえるならJK時代の部活で3人のエースとして活躍したり恋バナしてる横で、
マネージャーとして奮闘するも女子力低く合理的なダメ出しばかりしてたら…
そりゃ仲間外れにされちゃっても仕方ない気がします。

エリザベートも結婚して子供が出来たことで現実との摺り合わせしていき、
少しずつロメリアの気持ちを分かるようになったことで和解できたんだと思うけど…
それだけに最後の悲劇はキツいものがありましたね…
アンリ王子も10代のやらかしに気付いて、罪を清算しようとするのは良かったけど、
やはりまだ自分に酔っているなぁ、とも思いました。

しかしザリア将軍は有能だったのかもしれないけれど、
王家に仕える家臣としては才覚が全くありませんでしたね。
長年軍人をやっていたとはいえ、対魔族戦の経験が余りないロートルは、
本当に有害だったんだな、と思いました。

それにしてもロメリアはロメ隊のメンバーの子供が出来たら抱っこしたいと言ってましたが、
エリザベートの子供たちを抱っこする機会がすり抜けていったのは可哀想でしたね…
自分の子供を作って抱っこしてあげたら良いと思うんだけど…
自分の女子力の過小評価っぷりを見ると、難しいんだろうなぁ…w

:: 2022/5/20 金曜日::

■[ラノベ]泥まみれの聖女「ロメリア戦記 ~魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織した~」1巻

海を渡ってきた爬虫類を祖にする別種の生物、魔族。
圧倒的な暴力による人類国家への侵略と奴隷化を憂慮したアンリ王子は、
魔王討伐の旅を経て、見事本懐を成し遂げるが、
旅を影ながら支えた婚約者の伯爵令嬢ロメリアの努力を蔑ろにして婚約破棄をする。
そして婚約破棄されたロメリアは婚約破棄されて意気消沈もせず、
まだ人類vs魔族の戦いは終わっていないため、魔族掃討、人類救済のため、
伯爵領の辺境を拠点として僅か20人から軍隊を組織し始めて…

コミカライズ→Web版→書籍版、という最近の流れに沿ってハマったクチです。
婚約破棄された悪役令嬢と似たギミックがありながら、
中身はわりとガチ目の戦記モノですね。
ロメリアの逆ハー的な要素もあるんだけど、ロメリア本人が全く気付いてないのが面白かったです。

婚約破棄したアンリ王子とその取り巻き三人だけど、
実力はあるんだけど頭がスッカラカンのノーテンキなアホなため、
どんどんと窮地や悲劇を作り出すのはとてもストレスが溜まりますね…
そちら側だったエリザベートも子供が出来たことで、
アンリ王子の無邪気さに気付いて焦り始めるあたりに因果の巡りを感じます。

人類がこれ以上の悲劇を被らないために、
冷徹に思えるほどに合理的かつ効率的に物事を進めるロメリアだけど、
かつては恋に恋してアンリ王子の一人旅に付いて行ったんだよなぁ…
と思うと、その旅路の苛酷さが今のロメリアを作ったんだな、とも思います。

苛酷な旅路で培った見識の広さをロメリアは活用しているけれど、
アンリ王子は全然活かせてないというか、見識が広がって無さそうなのがわりと絶望的ですね。
実力はあるけれど頭の中身が残念とか為政者として最低の部類ですからね。
ライオネル王国はこれからが地獄だぜ…!

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