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:: 2016/10/26 水曜日::

■[ラノベ]傲慢と恥知らずのロンド「フレイム王国興亡記」5巻

フレイム王国興亡記 5 (オーバーラップ文庫)
著者/訳者:疎陀陽
出版社:オーバーラップ( 2016-09-21 )

作者サイト:作者サイト:疎陀 陽
絵師サイト:ニリツハイハン
絵師twitter:ニリツ(@Ann_NH)さん | Twitter
Kindle版:フレイム王国興亡記 5
Kindle版まとめ買い:フレイム王国興亡記

4巻から一年以上のブランクを空けての5巻発売。
しかもイラストレーターの変更とか、
Web版のストックがあることから考えて、
これはどう考えても出版社とイラストレーターの問題のブランクじゃないですか…
とばっちりを食らった疎陀陽さんが可哀想です…

しかし疎陀陽さん以上に可哀想なのがこの作品の主人公、松代浩太ですよ。
ソルバニアの陰謀の魔の手をかいくぐり、
何とか港湾開発の株式会社が軌道に乗ったかと思うとまさかの戦争ですよ。
唐突というか理不尽というか、そりゃないよ~、と言いたくなる事態ですよ。
召喚されてからこっち、試練ばかりじゃないですか。
そもそも召喚されたこと事態が特大の試練ですしね。
物語の英雄には試練が付き物ですが、それにしたって悲惨ですよ。

特にWeb版からの改稿で浩太に降りかかる理不尽は減るどころか倍増するばかりで…
作者の疎陀陽さんは極度のドSなんじゃないかと邪推するほどですね!(笑
もしくはリアルでどんだけブラックな理不尽を経験しているのかと!

そもそもライムとラルキアの戦争の原因もライムの傲慢で恥知らずな要求でしたが、
浩太が巻き込まれた理不尽も、極論を言えばライム商人の傲慢と恥知らずでしょう。
危機感が足らずに色ボケして暴言吐いたから暴行されただけだし、
そもそもテラ領に険悪な雰囲気になったのだってライム商人のせいで、
つまるところ身から出た錆、自業自得、因果応報なだけなのに、
それを全て為政者側におっかぶせるとか愚かで恥知らずすぎるでしょう。
よくこれで国で有数の商会になんてなれたものだなぁ…
いや、だからこそなのか…?

浩太が優秀なのだって、ひたすら努力して練習問題を反復して身につけたものなのに、
戦争という平和な日本の銀行員には練習も経験もしようがない問題にぶち当たるだけでなく、
エミリを除くヒロインたちからの無理難題を押し付けられるとか、
悲惨以外のなにものでもないよなぁ…
この5巻で一番ヒロイン度が高かったのって、もしかしなくても残念美女のシオンなのでは…

しかし、ご安心ください。
この5巻のラストに真のメインヒロインが登場ですよ!
まぁ、台詞もわずかだしイラストもないですし、
そもそも本編に絡むのは7巻以降になるでしょうが!

Web版からは順番入れ替えたり加筆が多かったりで今後どうなるか判りませんが、
もう少し浩太に理不尽な試練が減るようにお願いしたいですね。
理不尽な試練は現実だけで充分です…

:: 2015/8/30 日曜日::

■[ラノベ]白馬に乗った魔王さま(ただし暴力的には最弱)「フレイム王国興亡記」4巻

極貧の領地経営で港湾施設建設に対する浩太の解決策が株式会社。
しかしそこにソルバニアの魔の手が迫り、
更にはソニアの裏切りがあって株式の過半数が握られる事態に。
老獪すぎて蛇のようにいやらしい商人たちの手腕に浩太はどう対応するのか…!?

強烈なヒキの3巻が出てから8ヶ月も経っての4巻発売です。
まぁ、Web版のストック量から考えて作者側に原因はないんでしょうが、
それにしたって期間は読者的にはツラいよね。
3巻に出てきたWeb版に出てこないキャラとかスコーンと忘れちゃってたし…

3巻ではヒロインとしてストップ安になったソニアですが…
まぁ、今回は色々と見所はあったけど、まだまだ印象はマイナスのままかなー
私は子供は好きですが、自分が優秀な大人と勘違いした子供は苦手です。
自分が優秀だと勘違いしてるから、より悪い大人たちに足元を掬われるんだよね…
確かに育った環境に問題があったのは判るし、大人たちにも問題があったでしょう。
まぁ、あんな親の元で育てられたらどうしても歪んじゃうんだろうなぁ。
結局全てはソルバニアが悪い。

翻ってノエルの株価は上がったし、エリカもエミリも可愛かったですね。
というかノエルが有能すぎて怖い。
査察官として良い一手を打ってくる手腕にも驚いたし、
ソニアの友達としても良いところを見せてくれて目を見張りましたね。
ある意味、浩太よりも主人公らしかったように思えます。

浩太が今回取った手段はフレイム王国にホワイトナイトをお願いしたということでしょう。
正直、確かに、これしか方法はないんでしょうが…
いやはや、カルロス一世やロッテ宰相が見抜いたように、
危ういし脆い一手のように見えますね。
まぁ、ロッテ相手のハッタリは多少は痛快だったのは確かなんですけどね。

しかも次の展開がWeb版読者としては見えているだけに余計に辛いなぁ…
もう少し浩太にも格好良い見せ場があってもいいんじゃないかなー、と思います。
せっかく良い主人公なんですから!
でも、次の5巻はWeb版と同じ展開なら…
更に格好悪い見せ場が用意されてるんだろうなぁ… ツラい…

:: 2015/1/6 火曜日::

■[ラノベ]新入社員エミリの失敗「フレイム王国興亡記」3巻

小説家になろうからの書籍化作品の第3巻!

…なんですけど、この3巻は全部書き下ろしです。
いえね、Web版のストックはまだまだ3冊分くらいは余裕でありそうなんですよ。
ですが、作者がどうしても入れたかったみたいなんですよね、このエピソード。
やはりこの物語的にはエミリがヒロインという事なんでしょうか。

ソルバニアからの経済戦争に対抗するために港を作ろうとしたテラ領。
浩太が提案した株式会社というフレイム王国では聞いたことのない方式で、
王家の後押しもあり上手く行くかと思いきや現実はそんな順風満帆な訳はなく、
海千山千の商人や遠くソルバニアからの操り糸も暗躍して…

いやー、ホウレンソウって大事ですよね。
特にまだまだ新入社員というか新人の頃はね。
賢しくて度胸もあるソニアもその経験不足を突かれて大変な事態になっているし、
まだまだテラ領は発展途上なんだな、と痛感させられます。

しかしそこは日本での多種多様な詐欺の相手もしたことがある浩太ですから、
詐欺には詐欺を、ということで反撃してくれてスッキリさせてくれたのは良いんですが…
このヒキはちょっとなぁ…
ソルバニアの老獪さは解るけど、そこをラストに持って来られたら非常にモヤモヤします。
この終わり方をやって良いのは続刊がすぐ出せる時だけですよ!
読者のストレスを早急に解消させるためにも早めの4巻の発売が待たれます。

というか、ソニアってばまた懲りてないですね!
ホウレンソウの大切さをレインの詐欺事件で学んでないなこのお子様。
やはりこういった事件の後はなぜなぜ分析するなりして根本原因を理解しないとダメですね!
うーん、エミリの魅力は上がったけど、ソニアの株価はストップ安な3巻でした。
これはもうヒロインとしてはダメかもわからんね…

そうそう、ヒロインと言えば綾乃の伏線が張られてましたね。
絶対に敵わないと思わされた同期こと、綾乃の登場が待たれます。
うーん、このペースだと出るとすれば7巻か8巻くらいになるかな…
先は長いな…(´д`)

:: 2014/8/2 土曜日::

■[ラノベ]蛇と魔王の欺し合い「フレイム王国興亡記」2巻

たまたま召喚された銀行員による異世界での経営改善ファンタジー

今回も基本プロットはWeb版から変わらず、大幅に加筆修正されています。
商業国家ソルバニアからの招致と狡猾な経済交渉は変わらず、
エリカが浩太に惚れるエピソードが追加されているし、
1巻と同じく面白要員のノエルが良い味を出してくれてます。

ソルバニア王カルロス一世は今回良い悪役してますよね。
中世レベルの経済基盤でテラで浩太が行った経営改革のキモである紙幣の導入を、
あっという間にその利点を把握しただけでなく、
それを用いたアレコレを画策するとかもの凄く頭が柔らかいし回転が速いです。
それだけ見ると凄いんだけど、テラに喧嘩を売ってくるからなぁ…
まぁ、商売とするなら当然なんだけど、どうしても悪役に見えてしまいます。
カラー口絵も相まって、本当に「蛇」って印象です。

浩太とカルロス一世の欺し合いは見せ場であり面白かったけど、
割りとストレスがたまるものではありましたね。
だからこそノエルは雰囲気を変える良い仕事をしていると思います。
書籍化になって良かったのはノエルが登場したことだよなぁ。
挿し絵が付いて萌え度が上がったこともそうですけどね!

そにれしても絶壁公爵と寡黙メイドの次はロリ姫ですよ。
次々とハーレムを構築していく浩太ですが、真ヒロインは未登場なので、
エリカたちは油断出来ないですよ!
あー、早く綾乃が出てこないかしら。
まぁ、次の3巻は秋発売なので出るとしても来年っぽいですが。

それはそうとあとがきに出ていたFって私ですよね、多分、きっと。
これで違ったらかなり恥ずかしいな…(笑

:: 2014/4/26 土曜日::

■[ラノベ]オレたち異世界召喚組「フレイム王国興亡記」1巻

フレイム王国興亡記 1 (オーバーラップ文庫)
著者/訳者:疎陀陽
出版社:オーバーラップ( 2014-04-24 )
文庫 ( 351 ページ )
作者サイト:疎陀 陽
絵師サイト:■□キャッスルトン□■ ~ゆーげんのサイト~
絵師twitter:ゆーげん (Yuugen_99)さんはTwitterを使っています

Kindle版:フレイム王国興亡記 1

知的好奇心で勇者召喚したら本当に召喚出来た上に、召喚されたのは銀行員でした…

そんな冒頭から始まる普通の銀行員、松代浩太の辣腕経営ストーリー

元々「小説家になろう」で連載していた作品がオーバーラップ文庫が書籍化です!
経済とライトノベルは「狼と香辛料」くらいしか前例はありませんけど、
逆に言えば前例がヒット作だった上に今回は主人公がモロに銀行員ですからね!
昨年大ヒットしたTVドラマ半沢直樹と同じ銀行員ですよ!(笑
まぁ、半沢直樹みたいに倍返しすべき悪辣な上司とかいないんですけどね。
逆に美少女たちがいる上に赤字経営の領地があるので銀行員の見せ場はたんまりあります。

どんな内容かというとオルケナ大陸の伝統あるフレイム王国で学術院の研究の一環で勇者召喚をしたら、
日本で普通の銀行員をしている松代浩太が出勤途中の格好で本当に召喚できてしまったことから始まります。
送還手段もない上に隣国と不穏な空気なので実態はどうあれ勇者がいるという噂すらも面倒だからと、
タヌキ爺の宰相に王姉で公爵なエリカ嬢が治める赤字経営に頭を悩ませる僻地に飛ばされることに。
しかし浩太は銀行員として培った実力を用いてその経営改善に向けて大鉈を振るうことになり…

「小説家になろう」でテンプレートとも言える異世界召喚をベースにしたストーリーですが、
主人公の松代浩太は魔法も使えないしチートもない、本当に普通の人間です。
あえて特別な能力があるとすれば何故か言葉が通じて本も読めるというくらい。
オルケナ大陸も魔法なんて便利な代物はなく、都市間の移動は馬車くらいという文明程度。
そんないわゆる売れ線とは違った設定なんですが、これが実に面白いのです。

赤字経営から脱却するために塩害の酷い土地での農業と人頭税から脱却し、
タックス・ヘイヴン的な手段とコネで経営再建をしていく流れは判りやすいです。
また、地元住人との軋轢もまるで詐術のような手腕と非情すぎる手段から、
美人メイドのエミリに当初は魔王とまで言われてしまうけど、
最後には浩太の心を知り、エミリの信頼を勝ち得ていく展開は読んでいて気持ちが良かったです。

それにエミリ以外でもエリカやその妹であり女王であるリズと美馬麗しい女性が多いので、
ライトノベルらしい要素が多いのも良いですね!
Web原作と違ってエミリさんのサービスシーンもありますし!

というかWeb原作に比べて加筆しすぎというくらい加筆しまくってますね。
地元住民に向けた用地買収とか殆ど書き下ろしじゃないでしょうか。
それにエリカとアンジェリカとのエピソードや、
面白要員のノエルの追加とかかなり改稿されててWeb原作既読でもかなり新鮮でした。
基本プロットは変わってないけど、かなり良い肉付きになっていると思います。

何にしても好きな作品が書籍化された上に、かなり良い改稿されてて嬉しかったです。
いきなり経営に口出しする浩太の行動や、何故勇者召喚の儀式が伝えられているのか。
色々と疑問はあると思いますがそれらはおいおい説明されていくので、
この書籍版が初めての人も是非続きを読んでいって欲しいです。
面白いよ!

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