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:: 2015/5/21 木曜日::

■[漫画]気持ちの建て直し「マホロミ」4巻

マホロミ 4 完: 時空建築幻視譚 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
著者/訳者:冬目 景
出版社:小学館( 2015-04-30 )

Kindle版:マホロミ (1)
Kindle版:マホロミ (2)
Kindle版:マホロミ (3)

3巻が出た時はまさかこの4巻で完結するとは思いませんでしたが、
この物語はこれで終わりです。
古い建物の記憶を読み取ることが出来る土神と真百合さんの二人が、
自分の気持ちに一区切りつけるところまで描かれてます。

老朽化した桜木アパートメントにかつて設置されていた風見鶏の話がありますが、
日本はどうしたって古い建物は早く老朽化しますからねー…
地震と湿気と潮風に悩まされる日本だからこそとも思いますが、
だからこそ土神と真百合さんの能力が活きてくるのだと思います。

その二人の能力が喪失することになるとは予想外でした。
建物が朽ちて、一度壊して建て直すかの如く、
それぞれの祖父への執着に一度けじめをつけて思い出とすることで、
気持ちをリセットする時が来たということだったのでしょうか。

最後は土神と真百合さんの関係に焦点があたってばかりで、
卯は嫉妬したり一人で失恋したりしてたのが可愛かったとはいえ、
ちょっと蚊帳の外っぽかったのは可哀想でしたね。
まぁ、彼女は強いので一人できっと立ち直ることが出来るでしょう。

それにしてもこれでまたひとつ、冬目景作品が完結しましたね。
「イエスタデイをうたって」も来月完結することだし、
次はまた新作なのか、それとも懐かしの「黒鉄」が再開するのか。
気がかりであり、楽しみです。

:: 2014/2/28 金曜日::

■[漫画]色々な人、様々な建物「マホロミ」3巻

マホロミ 3: 時空建築幻視譚 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
著者/訳者:冬目 景
出版社:小学館( 2014-02-28 )
コミック ( 210 ページ )

1年で新刊が出るなんて早い方だと思ってしまう、鍛えられた冬目景ファンのみなさまごきげんよう。
このままのペースで是非完結まで行って欲しいんですけど、
もし「羊のうた」と同じ全7巻だとすると、あと4年ほど掛かることになるのか…

今回、前半は卯が胸がモヤモヤしてますが、後半は土神がモヤモヤしています。
お互いモヤモヤしているのは恋愛感情のつぼみのようなソレが原因だけど、
卯の方は間違いなく自覚してないのがミソだよね。
土神の方は更に自分の祖父のことがあるから更に面倒なことになってるけど、
そういったことで悩むのもまた青春の一ページだと思います。

青春と言えば、前半で石蕗くんが親の方針で入ったオンボロ学生寮で、
今までの人生で会ったことがない人種に出会って驚いてましたし、
卯も真百合さんみたいに寂しそうに笑う人を初めて見て感じ入ってましたが、
こういった出会いがあるのは、家に出るなりして活動範囲が広がったからですよね。
特にこの手の衝撃はとかく大学生の頃に起こるものだと思います。

後半は土神のバイト先が絡んだ話ですけど、
所長の元カノの鳥浜岬さんは美人だし、しっかりしているんだけど、
所長にあんなこと言っちゃうとか割りと無責任というか…
これはナカディーは苦戦しそうだなぁ。

卯と土神と真百合さんの恋模様はまだまだ不透明というか、
そもそも卯はまだ無自覚なのでこれからですよねー
しかし、寂しげな笑顔を浮かべる黒髪ロングの退廃的美人と、
ショートカットで元気な可愛い子とうだつの上がらない青年かー
「羊のうた」といい、冬目景さんはこういった組み合わせが好きですよね、ホント。(笑
次の4巻も期待しております。

:: 2013/3/8 金曜日::

■[漫画]建物の記憶とその想い「マホロミ」2巻

マホロミ 2: 時空建築幻視譚 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
著者/訳者:冬目 景
出版社:小学館( 2013-02-28 )
コミック ( 210 ページ )

冬目景さんの建築の記憶と触れ合う物語「マホロミ」の2冊目。
古い建築物の記憶に触れることが出来る能力を突然開花させた建築学を学ぶ学生の土神と、
同じ能力を持つ黒髪ロングの美人でちょっと世俗から離れた印象を持つ真百合さんの、
少し不思議でちょっとした秘密を共有する関係が面映ゆい印象があります。

今回は英国人の血を引く女性の生家に纏わる話と、
60年前に大学の図書館で起こった悲劇に纏わる話の二本立てになっています。
特に前半の話は初めて明確に人助けをすることが出来たので、
読んでいても中々感慨深いものがありました。

しかし読んでいてつくづく思ったんですけど、冬目景作品の黒髪ロングヒロインって良いですよね…
何というか退廃的な所もありながらも世俗にまみれない孤高の美しさがあるというか…
土神が大学に来た真百合さんが自分の野暮ったい服装に気後れしているのを知り、
「つかソレがいーんじゃん!」と内心思ってましたけど、その気持ちがよく分かりますよ。
真百合さんみたいな古風な美人には一種憧れるモノがあるものなのです。

そんな真百合さんと二人でいるところを見られて卯が変に勘ぐってたりと、
ラブコメとしてそれはそれで良い種火になりそうだったけど今回はそこまで掘り下げられなかったのは、
残念だったような次回に楽しみが繰り越されてそれはそれで楽しみなような…
ただ、真百合さんも実家の複雑な事情だけではなく、亡き祖母の想いを引き継いでいて、
中々に一筋縄ではいかなさそうな人なので今後がどうなるのか結構気掛かりですね。

多分次巻が出るのもまた来年くらいでしょうけど、気長に待ちたいと想います。
それと冬目景さんの画集ですけど「冬目景画集 20─twenty─」だけではなく、
冬目景画集 冬幻響」ってのも出てたんですね。
Amazon.co.jp: 冬目景画集 冬幻響: 冬目 景: 本

「20─twenty─」の方は限定生産だったので事前に予約してたんですけど、
こっちは知らなかったのでまだ手に入れてないので早く頼まなければ…
(追記)
コミックナタリー – 冬目景、デビュー20周年を記念した画集を完全予約受注生産
「冬幻響」の内容は「20─twenty─」に含まれているみたいですね。
だったら「20─twenty─」だけで良いのかな?
(追記ここまで)

ちなみに「20─twenty─」ですが流石に1万円するだけあって凄く豪華な装丁でしたね。
まるでバブル期の本みたいでした…(笑
内容は画集だけではなくインタビュー記事も簡単ですけど載っているんですが、
最近はデジタルも多少導入しているといのは意外でした。
まぁ、色むらを修正するくらいの使用らしいんですけど、
完全アナログの人だとばかり思ってただけに意外です。

それと今はほぼ一人の作画で月産40ページと漫画家の中でもかなり速筆なんですね。
まぁ、本人も言ってるように様々な媒体で描かれているからどうしても遅筆な印象があるのも確かなんですが…
何はともあれ古くからのファンなので今後も末永く読み続けていきたいものであります。

:: 2012/2/2 木曜日::

■[漫画]近代建築たちの回顧録「マホロミ」1巻

マホロミ 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
著者/訳者:冬目 景
出版社:小学館( 2012-01-30 )
コミック ( 222 ページ )

スピリッツで「ももんち」が終わったと思ったらまさかの新作。
という訳で冬目景さんがまたしても新作を始めたようです、ごきげんよう。
いや、ファンだから嬉しいですし他のもちゃんと進めているんですが、
とはいえ早く「イエスタデイをうたって」に集中して完結させて欲しいなぁ…
とも思うのも確かではあるのですが。

今回の新作は近代建築の記憶を視ることができる建築学専攻の大学生である土神(にわ)が主人公。
土神と同じ感覚を持つ黒髪ロングの古風な美女な深沢真百合さんがヒロインで、
二人が建物の記憶にある望みを叶えていくデコデコデコリーンなストーリーです。
そして冬目景作品恒例のもう一人のヒロインがいる訳でして、
それが土神の幼馴染み(?)の元気少女でシスコンの兄を二人持つ卯(あきら)。

この3人をメインに横浜を舞台にした近代建築が持つ情緒を織りまぜつつ、
土神とは疎遠だったが真百合と繋げるキーパーソンである今は亡き祖父。
家族との交流は少なかったのに友人が多く、建築家としても著名だった祖父の面影に戸惑いながらも、
知らず祖父と同じ道を歩み、祖父と同じ感覚に目覚め、祖父と関係ある女性と知り合うという、
奇妙な運命をなぞっていく土神。
彼が今後どうなっていくのかは2巻以降で判明することでしょう。

壊されていく近代建築、という冬目景作品に共通して漂う退廃的な匂いが絶妙にマッチする題材で、
しかも影のある美人がヒロインという正に冬目景! という感じの内容です。
それでいてシリアスという雰囲気もそれほどないので比較的読みやすいかと思います。
夏祭りでおニューの浴衣を土神に見てもらえなくていじける卯とか結構可愛かったので、
今後の恋愛方面での展開も気になります。
もっとも不定期連載なので続きがいつ読めるのかはそこはかとなく不安なのですが…

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