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:: 2024/11/22 金曜日::

■[漫画]イギリスでの生活「乙嫁語り」15巻

乙嫁語り15巻乙嫁語り15巻
出版社:KADOKAWA
作者名:森薫
紙書籍通販:乙嫁語り (15)
Kindle版まとめ買い:乙嫁語り
DMM電子書籍:乙嫁語り (15)

ボンベイ港からイギリスへと帰国することになったヘンリー・スミスと、その婚約者であるタラスさん。
タラスさんの愛馬であるチュバルも船に乗ることができる大きさの船なんだけど、
チュバルにとっては初めての海ということで神経質になってしまう。
そんなチュバルには船乗り猫という友人が出来ることで落ち着けたんだけど、
イギリスにはタラスさんはヘンリー以外の友人が居るはずもなく…

ヘンリーはどう見ても上流階級の人間だし、
前作エマもそうだったけど、そういう階級の人間がタラスさんを嫁として紹介されたら、
大変なことになるだろうな、と思ってましたけど予想通りでしたね。
ヘンリーの友人ホーキンズ氏が評していたように、
柔軟なようでいて芯が頑固なのがこのスミス母子なんだと思います。

ただ、ヘンリーはとぼけているようで誠実というか、生真面目なので、
ちゃんとタラスさんと結婚しようとしているのは好感が持てるんですよね。
結婚するまでは同居はすれども手を出さないんだろうな、というのがわかります。
兄が出す妥協案にも納得せず、きちんとしようとしている所は頑固すぎるとは思うけれど、
そこがヘンリーの良いところだと思うんですよね。

タラスさんはヘンリーと一緒に居るだけで幸せそうで、
そこは本当に恋心が強いなぁ、と思います。
愛馬であるチュバルが傍に居るというのも大きいけれど、
羊が居て、馬好きがいるのはトルキスタンもイギリスも変わらないですからね。
同じ小麦粉を使う乾燥した文化圏というのもあるのかもしれません。

ヘンリーはトルキスタンで鍛えられたとはいえ、
金銭的な意味で苦労したことがないお坊ちゃんなのに比べて、
タラスさんはちゃんと金銭感覚がしっかりしているお嫁さんだと思うので、
馬好きのジョンブル達を相手に、チュバルの仔を上手いこと斡旋できるんじゃないかな、と思います。

それとヘンリーを護衛&案内してくれたニコロさんとアリさんだけど、
それぞれが良い人生を歩めそうで良かったですね。
特にアリさんはずっと望んでいた結婚ができる上に、
お金持ちじゃない、アリさんがアリさんだからこそ好きだという、
ある意味でちょっと変わったマディナさんが嫁というのが実に良いと思うのです。

今後ヘンリーがアリさんと会えるかは難しいけれど、
いつか自分の名前が付いた二人の子供にヘンリーとタラスさんが会えたら良いなぁ…

:: 2022/10/24 月曜日::

■[漫画]草原の馬競べ「乙嫁語り」14巻

乙嫁語り14巻乙嫁語り14巻
出版社:KADOKAWA
作者名:森薫
紙書籍通販:乙嫁語り (14)
Kindle版まとめ買い:乙嫁語り
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お馬さんがとても出てくる14巻です。
森薫さんの馬好きっぷりが溢れに溢れていますよ。
ここまで素晴らしい馬を描く漫画家は中々いないと思いますよ。
いるとすれば荒川弘さんくらいじゃないかなぁ。
まぁ、あの人は馬よりも牛だろうけど…w

ロシアの南下政策を肌感覚で知っている指導者層が、
草原と町が同盟を組んで対抗しようとするのは当然の成り行きなんだけど、
実際に行われた歴史を知っていると、どうしてもモヤモヤするものがあります…

でも、この時に行われた馬競べはとても気高くて面白いです。
同盟のために草原の民が一つとなるべくジャンディク一族と婚姻を結ぶことになり、
ジャンディクの娘たちとの嫁取り勝負で馬競べをすることになったんだけど…
黄金の馬に乗ったビケさんがとても気高いんですよね…

気難しいというわけではなく、誇り高く気位も高い。
そして乗馬技術も高いし、戦闘力も高いし、思い切りも良い。
アゼルのような強い男がどんな女性を嫁にするのかと思ってましたが、
これ以上ないほどの良縁だと思います。

アゼルの婚姻ということでアミルとカルルクも出てきましたけど、
カルルクは確かに成長してましたね。
弓矢を使って狩りもしてましたけど、
一発で心臓を射貫くアミルは流石の一言でした。

それはそうとジョルクは良いお嫁さん持ちましたね…
彼ならロシアの南下政策で大変なことになっても、
なんだかんだで生き残りそうな気がします…w

:: 2021/3/19 金曜日::

■[漫画]スミスの決断「乙嫁語り」13巻

乙嫁語り13巻乙嫁語り13巻
出版社:KADOKAWA
作者名:森薫
紙書籍通販:乙嫁語り (13)
Kindle版まとめ買い:乙嫁語り
DMM電子書籍:乙嫁語り (13)

エイホン家を目指して旅をするスミスとタラスさんとそのお供たち。
アラル海のほとりで立ち寄ったのは双子の花嫁、ライラとレイリたちの村。
新婚のライラとレイリは相変わらず元気いっぱいで、
スミスたちをもてなすことになるんだけど…?

結婚して落ち着くなんてことはなく、
ライラとレイリが相変わらずで微笑ましかったですね。
双子だからといって以心伝心なわけでなく、
むしろ粗忽×2って感じで準備が全然出来てないあたりに、
実母が監督せざるを得ない理由が滲み出ていますよね…w

ただ、その元気さがタラスさんには良かったようで、
初めてのアラル海、初めて泳ぐという体験をしていて、
一生の思い出になったんじゃないでしょうか。
曲がりなりにもちゃんとおもてなしも出来たことですし、
二人にはこのまま幸せでいて欲しいんですが…

ついに具体的に見えてきたロシアの南下政策に伴う軍の派遣を見ると、
悠長なことは言ってられないんですよね…
アリさんもニコロフスキさんも護衛としては優秀ですが、
流石に軍の装備と数の暴力は怖いですね。
引き返す決断をしたスミスさんはとても理性的だと思いますよ。

南に行って海に出たことから考えて、
オマーン湾あたりから出たってことですかね?
確かにインドのボンベイ(ムンバイ)までは比較的近いし、
そこからならイギリス行きの船も出てるでしょうし安全ですが…

安全でないのがエイホン家だよなぁ…
ロステムの良い笑顔を見てるだけに、
エイホン家の人たちの幸せが踏みにじられないことを願ってやまないです。

:: 2019/12/17 火曜日::

■[漫画]後宮のカメラ「乙嫁語り」12巻

乙嫁語り12巻乙嫁語り12巻
出版社:KADOKAWA
作者名:森薫
Kindle版:乙嫁語り (12)
Kindle版まとめ買い:乙嫁語り
DMM電子書籍:乙嫁語り (12)

スミスとタラスさんとそのお供たちが再びエイホン家へと向かう旅路。
その途上で再会したのはペルシアの富豪、アニスとシーリーンの姉妹妻の旦那様。
タラスさんはアニスとシーリーンの二人に迎えられ、
似ているけれど異なるお互いの風習を話し合って…

言葉が違ってて全部が全部わかるとは言えないみたいですが、
実際のところどれくらい違うんでしょうね?
関西人が東北人と会話するくらいのニュアンスでしょうか?
それでもちゃんと会話が成立して、コミュニケーションが取れているあたり、
中央アジア文化圏の広がりというものを感じます。

タラスさんが次々と夫に先立たれた事情を話した時に、
シーリーンが一番同情していたのは、わかりますね…
シーリーン自身も旦那さんを亡くして第二夫人となっていますからね。
我が身のことのようにわかることでしょう。

お互いに違うところがあり、そこに驚きはするけれど非難はせず。
逆にお互いにわかるところに共感して楽しんでいるあたり、
とても優しくて、微笑ましい気分になります。
好きだなぁ、こういった雰囲気。

それにしても今回はカメラが大活躍でしたね。
道中に寄った村での巡礼者に対するお祝い写真だったり、
富豪の後宮での風景写真だったりと、
スミスが欲していた情報が蓄積されているところが素晴らしいと思います。
日本でも江戸時代の写真が出てきたら盛り上がりますからね。
この時代でしか味わえない雰囲気を切り取ることができるカメラっていうのは、
とても素晴らしい発明だったということがわかります。

それとエイホン家ですが…
セイレケさんの黒髪がとても美しかったです。
森薫さんの髪の表現力に圧倒されました。
これは最高にそそりますね!
ロステムくん… 弟か妹ができるかもよ…?

:: 2018/12/24 月曜日::

■[漫画]未亡人だって恋をする「乙嫁語り」11巻

乙嫁語り11巻乙嫁語り11巻
出版社:KADOKAWA
作者名:森薫
Kindle版:乙嫁語り (11)
Kindle版まとめ買い:乙嫁語り
DMM電子書籍:乙嫁語り (11)

スミスを追って、はるばるアンカラまでやってきたタラスさん。
元々が義父によって無理矢理に婚約解消された二人なだけに、
タラスさんの一途さに心を動かされたスミスだけど、
もう一度エイホン家に向かう決意は揺らぐことなく…

タラスさんの魅力がふんだんに盛り込まれた11巻でしたね!
どういった風にスミスに想いを寄せていったのか…
恋に恋する乙女な一途さを見せたかと思いきや、
妻ではなく、下女でも良いという現実を見据えた発言をして…

刺繍をする中央アジアの女性らしい一面に感心させられたら、
それもスミスの旅に同伴するための金銭的負担にならないため、
旅費を工面するためのものだという現実的な強かさで。

それでいてブランコを見た時に興奮し、
スミスと一緒にブランコをしたら童女のような表情をして、
その新たな一面にはより一層惹かれてしまいました。
やっぱり、森薫さんは乙嫁の魅力を見せるのが大変に上手い…!

作中では湿板の写真の使い方も描かれてますが、
スマホで簡単に撮れる現代からすると、その大変さに驚かされますね。
それでもクリミア戦争が終わったばかりの作中だと、
発明されて10年かそこらの最新技術でしょう。
やっぱりスミスはブルジョワ階級の人間なんだろうなぁ。

スミスさんがエイホン家に向かう旅に出たということは、
もう一度あの人達に会えるということでしょうね。
問題はロシアの南下政策が始まりそうなだけに、
今後どうなるのかが読めないことでしょうか。
それとタラスさんが義父によって仲が引き裂かれないかも心配です…

乙嫁のみんなは無事で居て欲しいんだけど…

:: 2018/2/15 木曜日::

■[漫画]遊牧民の暮らしとカルルク「乙嫁語り」10巻

乙嫁語り10巻乙嫁語り10巻
出版社:KADOKAWA
作者名:森薫
Kindle版:乙嫁語り (10)
Kindle版まとめ買い:乙嫁語り
DMM電子書籍:乙嫁語り (10)

自らを鍛えるためアミルの兄アゼルに師事することになったカルルク。
ハルガルの遊牧民としての生活をしながら、
アゼルに狩猟を教わりながらたくましくなっていくけれど…

カルルクが鍛えたいという気持ちも分かるんですよ。
戦いではあまり役に立てなかったという無力感と、
活躍したアゼルを間近に見てしまったというのが合わさり、
アゼルに鍛えてもらいたいというのはよく分かるんです。
何しろ男の子だもんね。

それにやっぱり狩りってのは男なら興奮しますからね。
雪原での騎馬に乗っての鷹狩りとか格好良いにも程がありますよ。
そりゃカルルクも良い顔をするようになるよなぁ、と。
アミルと一緒にいる時の穏やかな顔もいいけれど、
こういった男らしいところも魅力的だなぁ、と思います。

そして後半のスミスさん回ですが…
まさか… まさかなぁ…
まさかここでこの人が再登場するとは…
身なりを整えたスミスさんの紳士っぷりにも驚いたけど、
この再会にはもっと驚かされましたね。

ロシアの南下政策で戦争の気配が近そうだとはいえ、
そんなことはお構いなしに良い人はどの時代にもいて、
それ故に繋がれる縁ってのもあるんだなぁ。

しかしスミスさん…
これはまた難しい状況になりましたね…
これ、どうするつもりなんだろう…

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