■[漫画]3.11を忘れないために「ヒーローズ・カムバック」
ヒーローズ・カムバック (ビッグ コミックス)
著者／訳者：細野 不二彦 ゆうき まさみ 吉田 戦車 島本 和彦+石森プロ 藤田 和日郎 高橋 留美子 荒川 弘 椎名 高志 かわぐち かいじ
出版社：小学館( 2013-04-30 )
コミック ( 332 ページ )
細野不二彦先生が発起人となり、小学館に縁のある作家有志が各々のヒーローを描き、
被災者たちの心を癒し、且つ売り上げから出た利益を復興基金に充てるという、
漫画家が漫画家として3.11に対して出来ることを為そうとし、形にしたのがこの単行本です。
細野不二彦・ゆうきまさみ・吉田戦車・島本和彦(原作・石ノ森章太郎)・藤田和日郎・高橋留美子・
荒川弘・椎名高志・かわぐちかいじの豪華9人がそれぞれの過去作のリバイバル等を描いているので、
かつての作品のファンとしては不謹慎かもしれませんが、嬉しいんですよね。
3.11で被災せず、幾ばくかの寄付金を振り込んだくらいしかやってない私が、
この単行本を楽しんでいるのは若干の申し訳ない気持ちもあるのですが…
椎名高志先生が「GS美神」を基本にジパング等を綺麗に組み合わせて物語を仕上げていたのは流石でした。
やはりサンデーにハマった理由が「GS美神」な私にとって、当時のキャラ造形を感じられると単純に嬉しいです。
当時のキャラと言えば藤田和日郎先生「うしおととら」は作画も当時の筆致に合わせて、
内容も3.11に沿うもので素晴らしいの一言でしたね！
細野不二彦先生の「ギャラリーフェイク」は作品の特性に沿って現実の被災と骨董を交えながら、
フジタのダークヒーロー的な活躍を見せる姿や、
かわぐちかいじ先生の「俺しかいない～黒い波を乗り越えて～」は被災地に入った自衛隊の、
苦労と苦悩を描いた姿は3.11の情景を描いており、他作品とは違った趣があります。
3.11という悲劇から生まれた作品ですが、希望が詰まった素晴らしい作品だと思います。
当時の作品のファンが単純に楽しむも良いと思いますし、
3.11という出来事を忘れないための一品としても手元に置いておくのもアリだと思います。
是非、どうぞ。
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