■[漫画]90年代アフタヌーン読者へのラブコール「星のポン子と豆腐屋れい子」
星のポン子と豆腐屋れい子 (アフタヌーンKC)
著者/訳者:トニー たけざき
出版社:講談社( 2013-11-22 )
コミック ( 168 ページ )
原作者サイト:施療院島
原作者twitter:小原愼司 (w0hara)さんはTwitterを使っています
作者サイト:トニーたけざきのホームページ
私が月刊アフタヌーンと出会ったのは今から19年前、
部活の友人が貸してくれた「ああっ女神さまっ」の単行本からでした。
当時は「寄生獣」「ガンスミ」「無限の住人」「ディスコミ」「ワッハマン」が隆盛を誇り、
後の看板作である「地雷震」「勇午」「ヨコハマ買い出し紀行」等が生まれた時期でもあります。
そんな90年代アフタヌーンの中でも私が特に好きだった「菫画報」の小原愼司さんが原作として、
異例の「大合作」発起人である「岸和田博士の科学的愛情」のトニーたけざきさんが作画として、
2013年の現在、共同で合作したのがこの「星のポン子と豆腐屋れい子」です。
売れない豆腐屋の姉弟が怪しげな生物を拾ってきて飼おうとした所、
実はその生物が異星の商人で、姉弟が異星の不思議グッズを買おうとする第1話中盤までは、
小原愼司さんらしいストーリー展開なんですよね。
ですが、1話終盤からはトニーたけざきさんが好きそうな展開のオンパレード!
引きこもり、薬物、銃と臓物と退廃的な要素がてんこ盛り!
一見合理的なようで、情緒が排除された理不尽な仕打ちのエグさったらないです。
トニーたけざきさんらしさを活かすにはどうすれば良いのかを熟知した上でのストーリーで、
小原愼司さんからトニーたけざきへの挑戦状、もしくはラブレターかのようでした。
読んでいるとグイグイと物語に引き込まれていって面白かったです。
小原愼司さんがこういった展開の作品を手がけるとは予想外だったので驚かされましたし、
何より第一話の扉絵がトニーたけざきさんの絵柄にしてはファンシーだったので見事に騙されました。
とはいえ、最後のオチは納得できる落とし所だったので、
「上手いこと騙されたなぁ」と感心することしきりでしたね。
予想は裏切られたけど、期待は裏切られるどころかその先を見せられた気分です。
ちなみに全3話のうちの第1話は試し読みが出来ます。
この第1話を読んだだけど、この作品がどういったものがわかるとは思いますが、
同時に全部読みたくなること間違いなしですので、覚悟を持ってからお読み下さい。(笑
それと小原愼司×トニーたけざき対談が公開中です。→前編、後編
実は二人の対談は9ヶ月前に発売された地球戦争1巻の時にもあったんですよね。
機会があればそちらの方も確認して欲しい所であります。
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