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:: 2024/6/17 月曜日::

■[漫画]斧と鉞「修羅の刻」22巻

修羅の刻22巻修羅の刻22巻
出版社:講談社
作者名:川原正敏
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手甲を取り戻しに来た茨木童子を撃退した綱と庚の姉弟だったが、
頼光邸の襲撃自体も陽動で、本命は関白の暗殺だった。
次期関白を狙う藤原道長から酒呑童子討伐の密命を受けた頼光は、
四天王と保昌と共に酒呑童子が住むという大枝山へと向かうのだった…

この22巻で酒呑童子編は完結です。
本命の鬼と修羅の戦いの前哨戦とばかりに、
茨木童子と渡辺綱の戦いが見られるとは思いませんでしたが、
綱は剣術と圓明流のハイブリッドな戦いをしていました。
修羅の刻1巻の陸奥八雲の宮本武蔵戦を彷彿とさせるものがありましたね。

そして肝心の庚と酒呑童子の戦いですが、これがまた凄まじい!

命懸けの戦いに喜んで飛び込んでこそ陸奥とはいえ、
相手は圧倒的な体格差と、鬼と言われるほどの頑強さと膂力を持つ酒呑童子。
いくら陸奥の技があろうとも、圧倒的なパワーを前に無空波でも出すのかと思ったら、
まさか斧鉞を使う…、というよりも編み出すとは…!

でも、確かに庚が金太郎だとすると、
金太郎と言えばまさかりですもんね。
あまりにも当然すぎて逆に失念していたレベルですよ。
その決着の在り方にはとても納得できました。

この時代の陸奥は生まれてまだ数代くらいでしょうから、技はまだ全部編み出せてないのでしょう。
そう考えると中々に興味深く、面白かったですね。
それと前巻で期待したように来年に安倍晴明編があるようなので、
そこでも新しい技の開眼の瞬間が拝めるのでしょうか?
楽しみ。

:: 2024/5/21 火曜日::

■[漫画]京の闇「修羅の刻」21巻

修羅の刻21巻修羅の刻21巻
出版社:講談社
作者名:川原正敏
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京の都に蔓延る疫病と、それを省みない関白。
そのような世の中で台頭するのが酒呑童子。
それを良しとしない源頼光が動き出すんだけれど、
意外と鬼たちは賢くて…

酒呑童子編だけど、今回も酒呑童子の出番はほぼありません。
それに伝説上では酒呑童子との戦いよりも前に、
一条戻橋での茨木童子と渡辺綱の決闘がありますからね。
この修羅の刻でもそれをモチーフにした戦いがあるのが嬉しいですね。

茨木童子のエピソードとして有名なのが腕を切られる、というものですから、
どうするのかと思ったら、手甲を装備しているという設定にするのが面白いです。
人外の力を持つから金属製の手甲を使いこなせるし、
綱の叔母に化けるというエピソードから女性という設定にするのも納得です。

そしてその腕を取り戻しに来るという話もちゃんと描かれてるんですけど、
そこで頼光の意外な強さに驚かされましたけど、
それ以上に庚の再登場には「待ってました!」という気持ちが大きいですね。
綱にはない修羅の餓えが庚にはあるので、
俄然、酒呑童子との戦いも楽しみです。

酒呑童子編は次の22巻で終わりですけれど、
庚の母の血筋があやかしということから、
安倍晴明の母との関係が匂う気がするので、
そこら辺も知りたいところですね。

:: 2024/4/25 木曜日::

■[漫画]酒呑の鬼と陸奥の修羅「修羅の刻」20巻

修羅の刻20巻修羅の刻20巻
出版社:講談社
作者名:川原正敏
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菅原道真の祟りが恐れられた平安の世。
京の都を震撼させていた鬼の名は陸奥…、ではなく酒呑童子。
それに対するは京を守る源頼光。
そして数年前に頼光が伊吹の山で出会った童こそが陸奥の名を継ぐ予定の庚であった…

四年半ぶりの修羅の刻は酒呑童子編!
頼光四天王は有名だし、陸奥の名前が入る余地はないと思ったんですが、
とぼけたおっさんの頼光が庚を坂田金太郎と名付けるという強引な手法で、
何とか辻褄を合わせてしまいましたねw

源頼光はFGOをはじめ、色々な作品でネタにされてましたけれど、
こういったとぼけたキャラは初めてですね。
川原正敏作品だと「海皇紀」のファンが近いと思います。
人を乗せるのが上手い、妙に人徳のあるキャラは何か憎めないんですよね。

そして意外だったのが渡辺綱ですよ。
茨木童子との因縁でも有名な渡辺綱ですけど、
それを陸奥の姉という設定にするのが面白い。

確かに陸奥の血を引く女性は今まで何度か出てきましたけれど、
どの子も陸奥になれなかったからなぁ。
鬼になりきれないからと取った手段もまた面白いものでしたが、
それで酒呑童子に見初められたというのもまた面白いですね。

しかしデカイですね、酒呑童子…
伝説だと神便鬼毒酒で弱体化させてから勝ってるけど、
この作品は修羅の刻ですからね。
陸奥が真っ向勝負で挑むんだろうなぁ…
楽しみ。

:: 2019/11/19 火曜日::

■[漫画]時代の闇と誾の時代「修羅の刻」19巻

修羅の刻19巻修羅の刻19巻
出版社:講談社
作者名:川原正敏
Kindle版:修羅の刻 (19)
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DMM電子書籍:修羅の刻 (19)

戦国時代で本多忠勝と並び称された西国無双・立花統虎。
その武勇もさることながら、大名としての経歴も異例で、
他に例を見ないほどに人望があった武将に対して、
不破圓明流初代となる不破虎彦が挑む…

この19巻は虎彦が主人公なので副題が不破圓明流外伝なんですよね。
ただ、あとがきでも書かれていたように、
この物語は虎彦が主人公というよりも、
誾千代が主人公の物語なような気がします。

狛彦に負けた虎彦が、二度と負けないように、
丸目蔵人とやり、立花統虎と戦うも、それでも不安が晴れないのを、
子孫に託せ、と誾千代が諭したところとか、
男勝りな伝承が残る誾千代らしいな、と思いました。

それと修羅の刻シリーズでいつも言えることですが、
誾千代が別居した史実、立花統虎が何度も改名した史実、
それぞれに対して不破虎彦というピースをハメることで、
カチリと完成する妙は相変わらず気持ちよかったです。

それにしてもこの不破圓明流外伝は続いたりするのでしょうか?
これはこれで読んでみたいところですが…
闇の仕事が多くなりそうだから、
ちょっとダークな雰囲気になりそうだし無理かもしれない。

:: 2019/8/25 日曜日::

■[漫画]無敗の流派 VS 無傷の英雄「修羅の刻」18巻

修羅の刻18巻修羅の刻18巻
出版社:講談社
作者名:川原正敏
Kindle版:修羅の刻 (18)
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DMM電子書籍:修羅の刻 (18)

陸奥圓明流外伝 修羅の刻シリーズ久々の新刊です。
今回は東国無双編ということで、戦国時代に詳しい人なら誰でも知っている、
本多忠勝が相手です。
戦国時代前後の陸奥と言えば、織田信長の甥の陸奥狛彦と、
江戸時代初期に宮本武蔵と戦った陸奥八雲が居ますが、
今回の陸奥は狛彦になります。

さて、今回の相手である本多忠勝と言えば、
戦場で負った傷が皆無という伝説がありますが、
それを戦場で対峙した狛彦が使った技が無空波というのが、
上手くハマってるなぁ、と思うわけです。

というか、修羅の刻シリーズの面白いところは、
歴史のピースに陸奥をハメ混んだたら、
何故かピタリとハマってしまう整合性にあると思うんですよ。
今回も後書きにあるように他の要素もハマってて、
とても面白かったです。

格闘シーンの格好良さに関してはもはや語るまでもないですが、
蜻蛉切 vs 陸奥圓明流というのはやはり熱くなるものがありますよね。
今までも武蔵坊弁慶のようなリーチの違う相手との戦いはあったけれど、
あれほど切れ味のある槍の名手との戦いはなかったですからね。
忠勝の繰り出す槍の冴えを凌駕するために技を深めるとか、
陸奥はやっぱり奥深くて格好良いです。

さて、次は西国無双の立花宗茂ですね。
対するは狛彦の双子の片割れである不破虎彦なわけですが…
立花宗茂は武士としての強さも有名ですが、
武将として、為政者として人格者としても有名なので、
それをどう描き、どう戦いを彩ってくれるのか楽しみですね。

:: 2016/4/17 日曜日::

■[漫画]圓明流の想い「修羅の刻」17巻

修羅の刻(17) (講談社コミックス月刊マガジン)
著者/訳者:川原 正敏
出版社:講談社( 2016-04-15 )

Kindle版まとめ買い:[まとめ買い] 修羅の刻

この昭和編で「修羅の刻」シリーズが完結するのでは…?
と16巻の時に心配していましたが杞憂だったようですね。
あとがきで作者自身がちゃんと否定していたので安心しましたよ。
でもまあ、確かに完結するのではと心配するのも仕方ないと思いますよ。
それくらいに特異的で印象的なのがこの昭和編なんですから。

陸奥九十九の生母である静と出会った不破現とケンシン・マエダ。
静流という女性に惹かれつつある現とケンシンの二人が、
奇妙な同居生活は陸奥真玄が帰宅したことで終わりを告げる。
衰えた元・陸奥と戦おうとせず去ろうとしたケンシンに対して、
現は不破として戦うことを提案し…

心臓に欠陥を抱えながらも陸奥であろうとした静流と同じように、
心に欠陥を抱えながらも不破であることから逃げられない現が好対照でしたね。
そんな二人だからこそ陸奥九十九の両親であることに納得があります。
ケンシン・マエダとの決闘の後に心が壊れていた九十九だけど、
ある意味、現の心の欠陥が遺伝していたのかなぁ、と今更ながらに思いますね。

第弐門の終盤で明かされた九十九の父親ですけど、
雷電のこともあってケンシン・マエダがそうだと思っていただけに、
意外感はありながらも読み終わったら納得感もあった昭和編でした。

それにしても昭和まで時間軸が進んでしまったけど、
次はどの時代のどの陸奥が描かれるんでしょうね。
個人的には平将門あたりかと思ってるんですけど…
うーん、どうなるのかなぁ。

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