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:: 2024/12/8 日曜日::

■[漫画]情熱の熾火が燃え上がる時「モノクロのふたり」1巻

絵の才能に溢れ、幼い頃から賞を取ったりと実績を積んできた不動花壱。
将来は絵を糧に生活することを夢見ていたけれど、
15歳の時に女手一つで育ててくれた母を亡くし、
祖母に世話になりながら妹を不自由なく養うためにも、
堅実に生きられる仕事熱心なサラリーマンにならざるを得なかった…

絵も昼休みに5分間だけ手すさび程度にしか描かなかったなかったけれど、
それをしっかりと見ていた先輩OLの若葉紗織は若い頃に諦めた情熱に火が付き漫画を描くようになり、
仕事と両立して頑張っていたいんだけど、
迫る締め切りには独力では立ち向かえず、思い切って花壱にヘルプを申し出て…

松本陽介さんの新連載は「かつて諦めていた情熱が再燃し、もう一度トライする」物語です。
そう言った意味では前作「その淑女は偶像となる」と同じ系統の作品ですが、
主人公がサラリーマンということもあり感情移入しやすいですね。
まぁ、私は花壱のように絵が上手いわけではないし、若い頃に親を亡くしてはいませんが…

ただ、花壱が繰り返して言っているように、
「物作りにおいて一番嬉しい瞬間は自分の作品で誰かの心を動かした瞬間だ」
というのはわかりますよ。

若葉さんは花壱の絵に心を動かされて情熱を再燃させ、
その若葉さんの情熱が延焼して花壱も情熱を取り戻しているのが素晴らしいと思うのです。
良いタッグだなぁ。

花壱は良くも悪くも優等生なので、色々と諦めてしまいがちになってるんだけど、
若葉さんが(おそらく無自覚に)花壱の心を動かして、
もう一度絵に対して向き合わせているところが良いんですよね…
そして花壱によって、若葉さんの心が動くところも良いのですよ…!

そんな二人が挑んだ漫画の賞の審査員である売れっ子原作者、薔薇園先生ですが…
二人が描く漫画の面白さと問題点を把握するや、
すぐに呼びだして話し合うとか、展開が早い…!

薔薇園先生が言う通り、今の時代は読者が大人しく待ってくれませんからね。
読者が読みたいものを浴びせかけてくるのが令和の漫画のスタイルなのでしょう。

ただ、薔薇園先生が出ずっぱりになるせいで、
作画コストが上がり隔週連載になってしまったのは諸刃の剣というか…w
まぁ、画力で魅せることがこの漫画の説得力になっているので、
しっかりと作画に力を入れる必要があるのは理解しています。
なので、2巻が出るのが多少遅くなろうとも、喜んで待ちましょうとも!

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