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:: 2015/11/21 土曜日::

■[ラノベ]永遠の友情「とある飛空士への誓約」9巻

「とある飛空士への誓約」の刊行が開始されて約3年。
そして全ての始まりである「とある飛空士への追憶」が発売されて約8年。
長きに渡った飛空士シリーズはこの誓約9巻で無事に大団円を迎えることになりました。
これほど素晴らしい傑作を世に送り出すことができる、
ライトノベルというジャンルの懐の広さに最大限の感謝を贈りたい気持ちでいっぱいです。

若き日に友情を誓い合ったエリアドールの七人が、
国籍や立場を違えることになろうとも友情を信じて行動したからこそ為し得た奇跡。
そして追憶のシャルルが、恋歌のカルエルが、夜想曲の武雄が…、
歴代の飛空士シリーズの主人公たちが競演したからこそ辿り着いた大団円。
これ以上ないほどに興奮し、ハラハラし、涙を流し、最後に笑えた物語でした。

飛空士シリーズ最後を飾る500ページはどこをとっても見所だらけで、
その面白さをかいつまんで伝えることは非常に難しいです。
200ページにも及ぶ圧巻という言葉だけでは伝えきれない迫力のある戦闘。
ミオとイリヤ、二人の女性の間で揺れながらも男らしく結論を出した清顕。
恋歌のラストから6年半を経て、約束通りついに感動の再会を果たした二人。
そして最後まで空気を読めてなかったバカ王子。(笑
もう、どれをとっても面白すぎて読み終わってからも興奮が収まりません。
読後の感動を持て余しすぎて困るほどです。

それもこれも作者である犬村小六さんの筆力はもちろんですが、
イラストレーターの森沢晴行さんの実力あってこその感動でした。
この9巻の表紙もそうですが、終盤のミオの微笑みは最高でしたね。
犬村小六さんの作品では幼なじみが不遇な目にばかり遭いますが魅力的であり、
それを森沢晴行さんがその煌めきをより一層輝かせているのではないかと思います。

ちなみにその犬村小六さんですが基本的に文庫内では後書きを入れないのですが、
今回はガガガ文庫のブログ内であとがきを載せています。
飛空士シリーズを読んだ人は是非こちらも読んで欲しいです。
そして今までの飛空士シリーズに想いを馳せてもらいたいですね。

本当に素晴らしい作品をありがとうございました。
次回作も期待しております!

:: 2015/6/24 水曜日::

■[ラノベ]気高き友情「とある飛空士への誓約」8巻

とある飛空士シリーズ、クライマックス直前!

二千年の悲願「天地領有」に乗り出したウラノスにより大陸から追い落とされたセントヴォルト帝国。
シルヴァニアと第二次イスラ艦隊が合流し、協力してウラノスに当たるように、
セントヴォルト帝国と慧剣皇王国も休戦し、一致団結する必要があるのだけれど、
頑迷な上層部のせいで無辜の民の血が流されるままであった…
しかし、それをよしとしない紫かぐらは無血革命を計画し…

面白い! だがそれ故に完結巻である次巻が狂おしいほどに待ち遠しい!
ウラノスでは教皇とゼノンが暗躍し、デミストリというバカ王子が好き放題して、
ニナやミオが翻弄されるのには忸怩たる思いが募ってばかりで…
ニナとミオの二人がお互いに言い合った通り、
二人とも幸せになっていいし、幸せになるべきだと思うんですよ。
それじゃないと理不尽にすぎるじゃないですか。

そしてこの7巻で一番不憫だったのがかぐらさんだったなぁ…
誰よりも平和を望み、誰よりも「エリアドールの七人」を大事にしてきたかぐらが、
それ故に誰よりも泥をかぶってしまった結末がたまらなく辛い…
かぐら、バルタ、セシルの3人がウラノスとの決戦に向けて下地を整え、
ミオが自らの天命を悟り最大級の情報を清顕たちに伝え、
あとは清顕とイリアとライナの3人が活躍するだけなんだけど…
何とかハッピーエンドに向かって欲しいです。

それと本格的に恋歌からカルエルが合流したわけなんですが…
色々とあったから変わったかと思ってたんだけど…
根っこのところは変わってないなぁ、カルエル…(笑
それに追憶からあの人と、夜想曲からあの人の忘れ形見が合流したことで、
これで本当にとある飛空士シリーズの集大成になってきましたね。

今までのシリーズはことごとく幼馴染みは結ばれないor死別という結末だったので、
このラストでこそ、それを覆して欲しいと思います。
どうかミオに幸せがあらんことを…

:: 2015/2/3 火曜日::

■[ラノベ]機械仕掛けのロマンチスト「とある飛空士への誓約」7巻

ウラノスの女王として戴冠したニナ・ヴィエント。
しかし彼女の願い虚しく、ウラノスは充分な戦力が整い二千年の悲願「天地領有」へ乗り出す。
それによって秋津連邦と多島海を席巻していたセントヴォルト帝国は後背を突かれ、
為す術無く大陸から追い落とされて一気に苦境へと立たされることに…
世界がウラノスの前に屈しようとする中、
多島海でシルヴァニア王家を復興したエリザベート女王ことセシルは、
ラジオを通してニナと「エリアドールの七人」へと呼びかけて…

本格的に恋歌と誓約の二つの物語が交差しだした最終章。
秋津連邦、セントヴォルト帝国、シルヴァニア王国、ウラノス。
「エリアドールの七人」がそれぞれの立場に分かれながら、
それでも友情を信じていると宣言したセシルの青臭さが眩しかったです。
この宣言はセシルだからこそ出来たものであり、
セシルの純粋な想いをそのまま言葉にしたからこそみんなの心に届いたのだと思います。

バルタは相変わらずでしたけど、紫のことになるとキレる所は妙に可愛いし、
紫は厳しく難しい立場ながら決意を秘めており、この先が気になります。
清顕とイリアの二人は両想いなのは間違いないんだけど、
清顕にはミオという呪縛があるだけに結ばれそうで結ばれないのがなぁ…
セシルは今回良い仕事をしてくれたし、ライナも彼なりに頑張ってくれたけど、
やっぱりミオが一番不憫だし、一番魅力的でしたね。
というかどんだけミオに苦難が舞い降りたら気が済むんだ…!

唯一の救いはニナと心が通い合い、ニナではなくクレアとして友達になれたことですね。
それにしてもクレアがカルのことを語る時のデレデレっぷり、可愛いな!
やはり恋歌のメインヒロインを張っていただけはありますよ。
彼女には本当に幸せになって欲しいんだよなぁ。

だからこそ、サントス島の防衛戦は熱かった!
圧倒的な技量を持ちながら物量と機体性能の差の前に散っていくワルキューレの姿は悲しかったけど、
最後の最後に登場したカルエルの格好良さが輝きまくってました。
これは主人公の座がカルエルに奪われるレベルですよ。

カルエル率いる第二次イスラ艦隊だけではまだウラノスに勝てないという話ですが、
清顕たちと協力することで希望を見出せるのではと考えてしまいますね。
そして、追憶主人公のシャルルこと海猫も出てきてくれるのか。
本作はとある飛空士シリーズの集大成であるだけに期待が高まるばかりです。
早く続きが読みたい…!

:: 2014/8/26 火曜日::

■[ラノベ]空に融け合う英雄たち「とある飛空士への誓約」6巻

第二部完! そして最終章の第三部へ…

同じ釜の飯を食った仲間と敵味方の陣営に分かれ、
戦闘機に乗り、本気の殺し合いをしないといけないという、
戦争という狂騒に翻弄されるエリアドールの7人が切ない…!
特にイリアと清顕はお互い告白はしていないけれど、
殆ど恋人なだけに切なさが半端ないです。

今回の帝国と連邦の戦争はそのまんまアメリカと日本の太平洋戦争がモデルですね。
連邦の国家が国民の命と財産を消費する異常な戦争や、
首都に住む無辜の民を虐殺する悪魔の所業とか、
東京大空襲そのまんまですからね…
ホント帝国はやりたい放題だな…

見知らぬ帝国の兵隊相手なら冷静に撃墜出来たけど、
イリア相手だと土壇場になっても躊躇しちゃうのは清顕らしい甘さでしたね。
でも、そんな清顕から甘さを拭い去るほどに空襲は鬼畜なんだなぁ…
清顕が同僚のリュウに殴られた時は、リュウの戦果のこともあり、
ちょっとリュウのことが嫌いになりましたが、
彼の遺言を聞くと、ちゃんと清顕の実力を認めていたことがわかりスッキリしました。

イリアと清顕の最新鋭の機体を駆りながら戦いは物理を超え、
どこか精神的な所にあったようですが、それもむべなるかな、と思いました。
二人とも限界ギリギリまで鍛えあげて戦ってたもんなぁ…
だからこそ、この結果は有りかなぁ、と思います。
正直、ちょっとご都合主義かな、とも思いますが。

それと、ニナの方ですが…
カルエルのために王にまでなったけど、
その透明な笑顔が今後どれだけ曇ることになるかと思うと心配でなりません。
作中で「世界を支配する残酷な神~」とか出てきたけど、
ホント、作者の犬村小六さんは鬼ですよね。
もうちょっと、みんなに優しくしても良いと思います。(笑

:: 2014/3/21 金曜日::

■[ラノベ]狂った時代の気高き友情「とある飛空士への誓約」5

読む前に作者がこんなこと言ってたから不穏でならなかったんですが、
そんなにヒドイことにならなくて良かったですよ。
ただ、確かに「恋歌」の余韻が別のモノになるのは確かなので、
アニメから入った人とかは若干ショックを受けるかも…

セントヴォルト帝国と秋津連邦が戦端を開いたために、
秋津人である清顕とかぐらは軍警察に拘束されてしまった4巻ラスト。
この5巻では「エリアドールの七人」がそれぞれの思惑で二人を解放するため、
協力し、策動していく展開になっています。

それにしてもこの5巻でのバルタザールは良いですよね! ホント!
セシル相手だと殆どコメディ要員にしか見えない。(笑
自分が優秀だと自負していて、実際その通りなんだけど、
それ故に他人を見下していることがその相手に筒抜けなのを見抜けてないのが笑えます。
それでも自分が冷血だと自覚しているのに、実際はその通りではなく、
それ故にセシルの信頼を勝ち取り、物語が大きく動いていくのが面白いです。
バルタザールは人間としての魅力が格段に上がったよなぁ…

そんなバルタザールの可愛い所を見抜いていたのがかぐらで、
そんなかぐらのことをバルタザールも大切にしていたのが判って良かったです。
互いを思い合う二人には是非幸せになってもらいたいんだけど、時代は戦争が不可避であり、
二人が殺し合わなければならないのが辛くてたまらないです。
それは清顕とイリアに対してもそうで…
多分、セントヴォルト帝国と秋津連邦が戦争すること自体も、
ウラノスの暗躍のせいだと思われるので余計に辛いです。

その全ての元凶であるウラノスですが、
王位継承問題にニナが絡んでくることは意外でしたが、
一番意外だったのはアリーメンが出てきたことでした。(笑
ミオもそうひどい扱いを受けてないっぽいのでちょっと安心しましたが、
やっぱりあのラストがなぁ…
何とか恋歌ともどもハッピーエンドに落ち着いて欲しい所なんですが…
はたしてどうなるのか…
作者の今までの前科が前科だけに心配でなりませんね。(笑

:: 2013/12/19 木曜日::

■[ラノベ]誓約、そして恋歌へ…「とある飛空士への誓約」4巻

とある飛空士への誓約 4 (ガガガ文庫)
著者/訳者:犬村 小六
出版社:小学館( 2013-12-18 )
文庫 ( 273 ページ )
作者twitter:犬村小六 (inumura569)さんはTwitterを使っています
絵師サイト:ALL GREEN

遂に1月から「とある飛空士への恋歌」のTVアニメが開始ですよ!
追憶の映画は宣伝も少なめだったり、ヒロインの声優がアイドルだったり、
かなり残念な結果だっただけに、恋歌にはリベンジして欲しいトコです。
まぁ、放送局が限られてるから見られる人少なそうですけどね!
かく言う私も放映圏外だったりしますし!(つД`)

そんな恋歌との繋がりが予想通り確定した誓約の4巻!
ウラノスが出てきた時から予感してましたけど、ラストで確定しましたね!
まさかニナが再登場するとはなぁ…
これは、恋歌ラストのカルエルが進発する前の時系列なのかしら。

愛する人を守る為に離ればなれになり囚われることになったニナと、
愛する家族を守為に、好きな人に嘘をついて囚われたミオはよく似ているので、
二人で支え合い、愛する人が迎えに来るまで頑張って欲しいなぁ、切実に。
特にミオは嘘をついてまで、嫌われるように振る舞ってまで守ろうとしたんだもの。
報われて欲しいと思いますよ。

その想いはイリアのお陰で何とか清顕に届いたんだけど、
それによってイリアとの淡い恋が急激にストップが掛かったのもまたもどかしいというか…
イリアを抱きしめてる最中に、ミオの想いに気付いてミオのことしか考えられなくなるとか、
イリアが可哀想になってきます…
うーん、ミオに報われて欲しいのは確かなんですけど、
今まで辛い人生を歩んできたイリアにも人並みの幸せを知って欲しいんだよなぁ。
とはいえ、酒乱になって幼児退行するのは違うような気がしますが。(笑

否応なく激化する戦争の中で、戦友たちが散っていく現実の中で、
ミオの想いを知ったことで急成長していく清顕はこれからが期待出来ましたけど、
それを嘲笑うかのような実力を見せたカーナシオンと、複雑になる国の事情に、
今後の展開が気になって仕方ありません

それはそれとして、バルタザールが可愛かったです。
将来セシルの尻に敷かれる未来が見えるな…(笑

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