本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!
:: 2015/8/9 日曜日::

■[漫画]逃げろ… おやじ…!!「海月と私」4巻

海月と私(4)< 完> (アフタヌーンKC)
著者/訳者:麻生 みこと
出版社:講談社( 2015-08-07 )
作者サイト:マトリョーシカ|yaplog!(ヤプログ!)byGMO
作者twitter:麻生みこと(@asoumikoto)さん | Twitter

Kindle版:海月と私 (1)
Kindle版:海月と私 (2)
Kindle版:海月と私 (3)
Kindle版:海月と私 (4)

旦那さんの料理が自慢の隠れた人気スポット「とびうお荘」
その看板娘であるワケあり仲居の梢さんが突然失踪し、
気が気じゃない旦那さんが若造のように焦りに焦り、
何とか手掛かりを手繰りよせながら梢さんを探しに奔走し…

ヒーローというには老けすぎて、
ハードボイルドな探偵というには不器用で。
彼女を巡る物語でも徹頭徹尾で脇役だったとしても、
それでも梢さんを助ける為に身体を張って頑張る旦那さんは格好良かったです。

たとえ親子ほども歳が離れていようとも、
梢さんが嘘だらけの女だったとしても、
どこかに惹かれていたというのなら、
彼女のために行動する旦那さんにはホント痺れるなぁ。

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嘘ばかりだった梢さんも、
久しぶりにとびうお荘に帰ってきた時に瞳に浮かんだ涙は本当でしょう。
彼女が帰るべき場所はとびうお荘なんだと、
この時にはっきりと自覚したのではないでしょうか。

そんな梢さんが旦那さんにぞっこんになった素敵なエンディングでしたが、
単行本描き下ろしのすがやん視点による短編がまた良かったです。
旦那さんへの想いをアピールするものの今までの不徳から伝わらず、
正攻法で旦那さんを攻略しようとする梢さん…!
これはもう、旦那さんの攻略は必至だな…!(笑

4巻完結という、比較的に短い漫画でしたが、
短いからこそよくまとまった良い作品でした。
またのグフタでの連載を楽しみにしております。

:: 2014/12/11 木曜日::

■[漫画]親と娘と「海月と私」3巻

海月と私(3) (アフタヌーンKC)
著者/訳者:麻生 みこと
出版社:講談社( 2014-12-05 )
作者サイト:マトリョーシカ|yaplog!(ヤプログ!)byGMO
作者twitter:麻生みこと(@asoumikoto)さん | Twitter

Kindle版:海月と私 (1)
Kindle版:海月と私 (2)
Kindle版:海月と私 (3)

海辺の民宿「とびうお荘」
隠れ家的な雰囲気が人気なのか訳ありなお客が多いけれど、
実は一番訳ありなのはこんな辺鄙な民宿には不釣り合いな若くて美人な住み込み仲居の梢さん。
遺産相続についても調べていたりと不審な所もあるけれど、
その海月みたいにとらえどころのない雰囲気から旦那さんも困っていて…

そんな梢さんの不審さに拍車がかかるのがこの3巻です。
興信所やフリーのジャーナリストとかが梢さんに似ている女性を探しに来るんだけど、
梢さんは怯えるどころか好奇心丸出しで聞きに行く始末。
でもそれすらも演技ではないかと疑ってしまうというか。
化粧の技術もそうだけど、女ってみんな生まれながらの女優だからなぁ。

そんな女性同士、ましてや母娘が常に分かり合えるわけもなく、
国際結婚した娘とその母の仲直り旅行先に選ばれたとびうお荘は、
台風共々嵐に見舞われる訳ですが、前巻の旦那さんの娘とその彼氏よりマシかなぁ。
むしろ梢さんとの仲が心配で。

母と娘も大変だけど、父と娘も大変なのがよく判るのが地元の名士な竹本父とその娘のエピソード。

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この時の梢さんの言葉…
りなちゃんの友達付き合いについてだったり、
あの竹本父への行動だったりとこの時の梢さんはちょっとらしくなかったけれど、
現在発売中のグフタ本誌の最新話を読んで納得しました。
そういうことだったのかと。

それと浮気旅行の不倫カップルの浮気バレの流れ。
奥さんの流れるような追い込み方は確かに凄かったですね。
あれが勉強になるとか、梢さんはどうするつもりなのか。
ちょっと心配でちょっと楽しみです。

:: 2014/4/8 火曜日::

■[漫画]料理と人間ドラマが売りのお宿です「海月と私」2巻

海月と私(2) (アフタヌーンKC)
著者/訳者:麻生 みこと
出版社:講談社( 2014-04-07 )
コミック ( 184 ページ )
作者twitter:麻生みこと (asoumikoto)さんはTwitterを使っています

Kindle版1巻:海月と私 (1) [Kindle版]
Kindle版2巻:海月と私 (2) [Kindle版]

元銀座の板前の旦那さんが経営する海沿いの民宿「とびうお荘」
そこには枯れた旦那さんには不釣り合いな程に若くて美人な住み込み仲居の梢さんが居て、
彼女は身元が謎で好奇心旺盛でコミュニケーションが得意で割りと男前なお陰で、
ワケありのお客さんの人間ドラマを引き出してくれます。

麻生みことさんは人間ドラマが本当に巧いですねー
登場するキャラクターが生きてきた歴史を感じさせてくれるし、
ささいな表情から誰がどんな人間なのかを垣間見ることが出来ます。
とはいえ梢さんは相変わらず謎な部分が多いんですけどね…
まぁ、そこが梢さんの魅力の一つでもあるのですが。

今回も4話収録されておりどれも面白かったんですが、
一番印象深かったのは旦那さんの元妻に引き取られた娘さんのエピソードですね!
立派な職についてしっかりとした仕事をして周りからの信頼も厚い娘さんが、
結婚の挨拶に連れてきたのが…

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いや、うん、まぁ、旦那さんの気持ちは分かる!
そりゃね、男親としてブチ切れますよね。
でもねー、手堅い職についた女性の結婚相手ってヒモが多いんだよね…
私も地元にヒモ、もとい主夫してる友達がいますよ… しかも2人も…
ちなみに嫁さんは2人ともナースらしいです…
嫁さんに頼られてラブラブらしいんですけど、それでも同性からしたら驚きます。

ましてや親である旦那さんもあっさり納得するはずがない。
でも、頑固ではあっても頑迷ではないから娘のことを考えないわけがない。
そういった想いが紙面から滲み出て伝わってくるのがこの漫画の醍醐味だと想います。

ちなみに描き下ろしで描かれていたすがやんのアレも含めて、
地元の友達とか思い出してしまいますわ…
2巻は田舎から出て都会で働いている人には色々と心にクると思いますので、
そういった人にはクリティカルにお勧めです。

:: 2013/8/7 水曜日::

■[漫画]人生は転がる石のように「海月と私」1巻

海月と私(1) (アフタヌーンKC)
著者/訳者:麻生 みこと
出版社:講談社( 2013-08-07 )
コミック ( 184 ページ )

京都を舞台にした職人たちの恋模様を描いた「路地恋花」を描いていた麻生みことさんの新作は、
鄙びた民宿を営む中年独身男性と、そこに住み込み仲居することになった若い美人のお話。

堅物だった父親が残した民宿「とびうお荘」を継いだ元銀座の板前が、
高齢だった仲居さんをほっぽり出すことが出来なくて辞められなかったけど、
仲居さんが亡くなったのを契機に予約を消化してから春に民宿を畳もうと思い、
それまでの臨時の仲居さんを募集したら予想も出来なかった若い子が来て…

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仲居になった梢さんは旦那さんもちょっと事情を抱えたお客さんも、
ひょいひょいっと転がす勢いで軽快に背中を押していき、
次々と人生を好転させていくのが読んでいて面白いですね。
民宿という舞台で色んなお客さんが訪ねて来るので、
オムニバス形式に近い感覚で飽きが来ない構成なのも良いです。

「路地恋花」で感じた絶妙な空気感は変わらず存在しますが、
辺鄙な場所の民宿な割りに梢さんのキャラのお陰かやけにさっぱりした印象があります。
ちなみに第1話を丸ごと試し読みが可能ですので、
そちらでその空気をまずは感じていただければと思います。
第1話が面白いと感じたらきっと大丈夫なので。

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