■[漫画]オーバー・ザ・ムーン/ムーンライト。「真月譚 月姫」10巻
真月譚月姫 10 (電撃コミックス)
著者/訳者:佐々木少年
出版社:アスキー・メディアワークス( 2010-12-18 )
コミック ( ページ )
長かった… でもそれ以上に面白かった…
7年間の連載を終え、遂に佐々木少年版「真月譚 月姫」が堂々完結!
もうこれはコミカライズ版「月姫」ではなく、佐々木少年版と銘打って良いでしょう!
それくらい佐々木少年さん独自の解釈や面白さが練り込まれているんですが、
原作ファンの立場から見てもこれ以上ないほど見事に「月姫」を最後まで描きっているんですよ。
これは間違いなく「月姫」だけどただの「月姫」じゃない…!
佐々木少年版「月姫」だ!
電撃大王で最終回が載った後、9巻完結の予定が一冊増えたことから、
大幅な加筆修正がされることは判っていましたけど、正直ここまでとは思いませんでした。
最終話の加筆っぷりは9巻とほぼ同等かそれ以上なのは兎も角、
まさかの未収録だった「教えて知得留先生」に描き下ろし版まで!
てっきり「教えて知得留先生」はこのまま未収録で終わるものだと思っていただけに、
これは何とも嬉しい誤算!
そして原作をコンプしていた人なら予想できた「EVER AFTER.」描き下ろし!
物語の数年後、とある平原で再会する志貴と青子の二人を綴ったエピローグなんだけど、
10年前「月姫」をコンプリートした当時の感慨を鮮やかに思い出させてくれるんですよ。
特に青子が月を背景に振り返ったコマはイベント絵になっていただけに、
感動を追体験させてくれました。
しかし、それだけで終わらない、そこからがあるのが佐々木少年版「月姫」!
もうこれは余計な情報を与えられずに初見で読んでこその感動だと思うので、
兎に角読め、としか言えない!
それくらい素晴らしいエピローグでした。
電撃大王でラストを飾ったアルクtrue endからこう来るとは…
これはもう佐々木少年さんにただただ脱帽するしかないな…!
教室でアルクェイドと再会した志貴の内面描写の巧みさにのめり込むのは勿論、
どこまでも楽しそうで嬉しそうなアルクェイドの笑顔にはただただ魅せられたなぁ…
本当に最初から最後まで、アルクェイドの魅力を120%出し切った素晴らしい内容でした。
マルチエンディングのゲームをコミカライズをする上で既成の概念を覆し、
コミカライズの金字塔とも言える作品となった「真月譚 月姫」
願わくば原作未プレイの人はTYPE-MOONのリメイク版「月姫」が発売されたら、
プレイしてみてゲームの面白さを噛みしめるのと同時に、
如何に佐々木少年さんの手腕が素晴らしかったのかを追体験して欲しいです。
佐々木少年さん、本当にありがとうございました!
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