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:: 2016/6/16 木曜日::

■[ラノベ]竹宮ゆゆこ最新作!「砕け散るところを見せてあげる」

砕け散るところを見せてあげる (新潮文庫nex)
著者/訳者:竹宮 ゆゆこ
出版社:新潮社( 2016-05-28 )

大学受験を間近に控えた濱田清澄がたまたま見かけた1年生のいじめ現場。
しかし正義感から助けた蔵本玻璃からは奇声を上げられてしまう。
それでも気になった清澄が1年生のクラスを伺うとやはりいじめが行われており、
ある日校外で洒落にならないいじめを助けたことで二人の距離は縮まっていき…

竹宮ゆゆこさんが新潮文庫nexで書く第二弾にして最新作ですが、
やはり竹宮ゆゆこさんは竹宮ゆゆこさんだと感じさせる内容でした。
しかし取り扱うテーマはライトノベルの枠組みでないのは間違いなく、
これは新潮文庫nexで出すのが正しいだろうな、と思いました。

全部わかってからはスッキリするんですが、それでももどかしい思いもありましたね。
クラスメイトは玻璃がずっと濃い黒ストと長袖を着ていた理由を何故気付けなかったのか。
清澄は玻璃の将来のことを考えておきながら何故身近な危険を心配しなかったのか。
それもこれもまだ彼ら、彼女らが若いからという一言に収束するんだろうけど、
それにしたってツラいなぁ。

いじめをしていたクラスメイトは報道で真実を知って自責の念にかられたりしないのかなぁ…
とかそんな益体もないことを考えている間に物語が急転直下で終わって驚きましたね。
そして終わったあとに冒頭の意味がわかって見事に引っかかっていたと気付かされました。
確かに半ドンという制度があったり、
誰も携帯電話を持っていないのはおかしいと思ってたんですが、
なるほど、そういうことだったのかと。

竹宮ゆゆこ作品ファンなら買って読んで損はないと思いますが、
ゆゆこ節のおかげで読みやすくはなっているとはいえ、
癖が強くて重いテーマも扱っているので注意が必要です。
でも、面白いよ!

:: 2015/5/28 木曜日::

■[漫画]花も咲かず、実らない恋もある「エバーグリーン」4巻

エバーグリーン (4) (電撃コミックス)
著者/訳者:カスカベアキラ
出版社:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス( 2015-05-27 )

作者サイト:カエル有人飛行new
作者twitter:カスカベアキラ (caskabe)さんはTwitterを使っています

Kindle版:エバーグリーン (1)
Kindle版:エバーグリーン (2)
Kindle版:エバーグリーン (3)

回り道とか及び腰とかしながらも恋人同士になった穂高と仁希。
自分の恋心にすら気付かなかった仁希も、
今ではすっかり恋する乙女の表情がほころびはじめるほどに。

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二人で夏祭りデートをして楽しんだり、
そこで二人の気持ちを確かめ合い幸せな時間を過ごしていたら、
仁希は気付いてはいけないことに気付いてしまう。
穂高の背中が自分の父親と瓜二つであるということに…

やはり…、やはりそうくるかー!
最初から伏線は張られていたけど、やっぱりそうきちゃうのか…!
これは辛いなぁ…
少女漫画でもよくある、結ばれてはいけない二人という設定。
二人の関係は明言されてないけど、そこら辺は竹宮ゆゆこっぽいというか。
そしてこの二人の内面の葛藤も正に竹宮ゆゆこというか!
胸を掻きむしりたくなるほどの情動に突き動かされる!
これこそが正に竹宮ゆゆこ作品…!

それにしても恋する乙女だった仁希が一夜明けたらこの表情ですよ。

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辛いなぁ、お互いどうしようもないだけに。
こうなった原因を知らされない穂高も辛いし、
自分で気付いてしまった仁希も辛い。

しかし、今は亡き父の遺志に導かれた穂高が、
ラストでは仁希の手を取ってかけ出した所は良かったです。
心理的ショックで凹む所はあるけれど、
最後にはしっかりとした所を見せてくれました穂高はいい主人公だったと思います。

それにしてもタイトルの「エバーグリーン」にこんな意味があったとはなぁ…
うーん、上手い… これは最後まで気付かなかったです。
今までの作品とは少々趣きが異なる結末の作品でしたが、
間違いなく竹宮ゆゆこさんらしい素晴らしい作品でした。
全4巻という手に取りやすい長さなので多くの人に読んで欲しいです。

:: 2014/9/8 月曜日::

■[ラノベ]新天地でも安心のゆゆぽ節「知らない映画のサントラを聴く」

知らない映画のサントラを聴く (新潮文庫)
著者/訳者:竹宮 ゆゆこ
出版社:新潮社( 2014-08-28 )
絵師サイト:technofuyuno
絵師twitter:ふゆの春秋 (technofuyuno)さんはTwitterを使っています

「とらドラ!」「ゴールデンタイム」とデビュー以来ずっと電撃文庫だった竹宮ゆゆこさんが、
新創刊された新潮文庫nexで短編を発表!
新潮文庫nexはラノベレーベルではないらしいので、メディアワークス文庫と似た立ち位置なんでしょうか。
まぁ、どちらにしろ竹宮ゆゆこは竹宮ゆゆこだった訳で問題ないのですが。

主人公の錦戸枇杷は23歳の家事手伝い。
というかぶっちゃけ就職活動に失敗した無職であり、鉄股処女のロンリーガール。
ある日夜道で変態女装男に襲われ大事にしていた写真を奪われて以来、
奪い返すために深夜の徘徊を日課とするようになったぷち引き篭もり状態の彼女が、
如何にして道を踏み外したか、そしてもう一度進むようになったかの物語。

今回は1冊で完結するということで、中盤からフルスロットルのジェットコースターでしたね。
枇杷が小三の時に出会った帰国子女の朝野と親友になり、その親友を唐突に失ってから、
その喪失感と罪悪感と悔恨から右往左往して懊悩して、更には家を追い出されて…
という、枇杷の心情的には濁流に呑まれるかの如く物語が展開していき、
面白さも加速していって読むスピードは加速する一方でした。

それにしても朝野の元カレの昴とのラブやん的同居生活にも驚いたけど、
昴の性癖というか、罪悪感の奇妙な結実っぷりには驚かされましたけど、
よく考えたら「あの花」のゆきあつと似たような着地点と言えなくもない気が…
中途半端に頭が良い真面目くんはそっちの方向にアクセル踏み込む傾向があるのかな…

何にしても竹宮ゆゆこらしさが凝縮した一冊ではありましたが、
少なくともラブコメ作品ではなかったと思います。
というか、恋愛パートに入る前の序章で終わった感がしないでもないです。
続きを読んでみたい気もしますが、それをやったら別作品になっちゃう気がするので、
これはここで終わったのが正解だと思います。

:: 2014/3/17 月曜日::

■[ラノベ]リメンバー逃亡記念日「ゴールデンタイム 8 冬の旅」

ゴールデンタイム (8) 冬の旅 (電撃文庫)
著者/訳者:竹宮ゆゆこ
出版社:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス( 2014-03-08 )
文庫 ( 408 ページ )
絵師サイト:Passing Rim

Kindle版7巻:ゴールデンタイム 7 I’ll Be Back [Kindle版]

完! 結!

いや、でも、正直「うぅ~ん?」という読了感というか…
最後の方は文章のテンポに合わせて疾走感を漂わせながら読んでたんで、
イマイチ脳内にインストールされてないのかもしれないけど…
まぁ、落ち着いたら一巻から読み返せば判るかもしれない。

それにしても竹宮ゆゆこさんの文章は本当に凄い。
セオリーとか関係なく、気持ちの揺れ動きがストレートに伝わってくるこの描写。
食堂で万里が受けた衝撃とかモロに伝わってきて、
読んでるこっちまで頭がフラフラしそうでした。

それにしても本当にこいつらは全力で友情してるし恋愛してるなぁ。
物理的にも全力でぶつかり合って、
精神的にも傷付きまくって、
フラフラになりながらも駆け抜ける万里や香子たちはマジでリア充でした。

それにしても二次元くん、結構ハブられてて可哀想でしたが、
それにふてくされて何もしない状態にならず、
春のことをずっと後悔して今度こそ間違えないと頑張ってるトコが良かったですね。
やり方はスマートじゃなかったけど、友情を諦めないトコが二次元くんの見せ場だと思いました。

それにしてもラストの橋のトコは勢いは凄く感じたんだけどよく判らなかったというか…
これはアニメで再確認するしかないかな…!

:: 2014/2/18 火曜日::

■[漫画]青春のセントラルドグマ「ゴールデンタイム」5巻

ゴールデンタイム (5) (電撃コミックス)
著者/訳者:梅ちゃづけ
出版社:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス( 2014-01-27 )
コミック ( 178 ページ )
作者サイト:YUuEMUIi

コミカライズを読み始めて一番印象が変わったキャラが誰かと言えば、
私の答えとしてはリンダに決まっています。
それくらいリンダの印象、というか思い入れが深くなりました。
正直、香子エンドよりもリンダエンドが見たくなるくらいに。

4巻ではリンダに記憶喪失前の万里と知り合いだったことを指摘…
というよりも糾弾したことで気まずくなった二人を、
この5巻では万里のお隣さんであるナナ先輩が取り持つことになったんだけど…
この時のリンダを見てると切ないんだ、ホント。

「恋愛感情はお互いになかったの」と言った時の瞳といい、
万里に対する想いが溢れに溢れまくっているんですよね。
原作の行間からの想像を見事に落とし込んでいると思います。
それに後ろ姿で「好きなら離れたらだめだよ 絶対に」と語るシーン。

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これはバカだった自分が犯した過ちをしてほしくないという思いと、
自分のエゴをさらけ出したくない、という相反する思いを見せたくないんじゃないかと、
色々と想起させる、絶妙なシーンだと思うんですよね。
他にも万里が記憶を失う前の高校時代、
雨の中号泣しながら謝まるリンダも切なさと愛おしさがこみ上げてくるんだよなぁ…

もちろん香子も可愛いんですけどね、うん。
コンドームを見て真っ赤になった香子なんかは特に可愛いです。
あんなにイケイケなのに性的なことに初心なトコは可愛いとしか言えないじゃないですか。
他にも雨の中涙を流す香子とか、原作では読み取ることしか出来ない表情を、
見事なまでに表現していて素晴らしいんですよね。

とはいえ、やはり少なくとも5巻に関してはリンダに軍配が上がるかなぁ…
いや、香子も可愛いんだけどね!
リンダはもうちょっと報われても良いと思うんだよね。
まぁ、光央では役者不足だと思うのでどうなるのか判らないのですが。
うーん、何とかならんですかいのぅ…

:: 2014/1/27 月曜日::

■[漫画]恋の自覚騒動「エバーグリーン」3巻

エバーグリーン (3) (電撃コミックス)
著者/訳者:カスカベアキラ
出版社:アスキー・メディアワークス( 2014-01-27 )
コミック ( 162 ページ )
作者サイト:カエル有人飛行new
作者twitter:カスカベアキラ (caskabe)さんはTwitterを使っています

穂高と仲良くしたいけど、穂高と後輩の温ちゃんが良い仲っぽいから尻込みするという、
豪放磊落な性格とは正反対な恋する乙女回路の持ち主な阿波谷仁希。
というか3巻で明確に判明するんだけど、仁希ってば穂高のことが好きだという、
自分の気持ちにすら無自覚だったとは…
女子高校生とは思えない鈍さだな…!

穂高は穂高で自分の事を避けている仁希にせめてひと目会おうと、
穂高なりに頑張ってるトコは恋する青春野郎なんだよね。
対して仁希は自分の気持ちにすら向き合わず逃げまくりという、
何とも情けない姿を見せるんだけど、それもまた一つの青春模様っぽく思えます。
自分の気持ちを考えると心臓が早く脈打ちまくるとか、どう見ても恋だってば!
まぁ、結果オーライですよね、結果オーライ!

しかしお互いの気持ちが通じ合っても変な感じになっちゃうのが、
何とも竹宮ゆゆこ作品だなあ、と思わせられますね。(笑
例えば朝二人が会ったらいきなりコレですよ…

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穂高が寄せたら仁希は後退り、
それでも以前のように一目散に逃げることはせず、
一定距離を保ったままお互いの距離感を探りあうという…

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ホント、なんだこれ。(笑
でも、それもまた竹宮ゆゆこっぽい。

ちなみに温ちゃんも自分の恋が色々とバーストしてるんですけど、
そこもまた蘇我のよくわからん面倒くささでアレなことになってて、
もうホントこいつら面倒くさいな!
くそぅ、見ててハラハラするぜ!

隔月連載なんで割りとヤキモキしながら読んでるんですが、
今月は第0話的な時系列だったので、まだこの3巻から先に進んでおりません。
うおー、早く読みたいんですけどー!

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