■[漫画]そして物語は急転する。「紫色のクオリア」2巻
紫色のクオリア 2 (電撃コミックス)
著者/訳者:うえお 久光
出版社:アスキー・メディアワークス( 2012-11-27 )
コミック ( 172 ページ )
作者サイト:綱島志朗のケツバット日記
作者twitter:綱島志朗 (k2batto)さんはTwitterを使っています
1巻が出た当初は2巻は1,2年後かと思ってましたが年内に出ましたね。
これはまた嬉しい誤算ですよ。
そしてこの2巻から「紫色のクオリア」の本編たる「1/1,000,000,000のキス」が始まります。
そう、SFを扱ったラノベとしては屈指の評価を得た真骨頂が今ここに…!
ゆかりとガクちゃん、そして七美の普通とは違うけど平和な日常は、
ある日転校してきた一人の金髪美少女、アリスによって終わりを告げることに。
アメリカの天才が集う組織「ジョウント」から派遣されてきた彼女は、
数式を絵として認識して理解することが出来る天才で、
特異な目を持つゆかりを「ジョウント」にスカウトすることが目的で…
やはり綱島志朗さんのコミカライズは本当に神がかってますね!
原作からは文字から読み取るしかなかった場面場面でのキャラの心情が、
漫画という媒体は表情から読み取ることが出来ることで、
物語に一層の深みを与えてくれているんですよね。
ゆかりを「ジョウント」に勧誘する時のアリスの表情しかり、
ガクちゃんに対する負い目で追い詰められた表情をするアリスの表情しかり。
でも一番印象深かったのはゆかりがガクちゃんの言葉を受けての僅かな表情の変化ですね。
元々ゆかりは表情を持たなかったエピソードが冒頭で語られているだけに、
あの僅かな表情の変化に込められたモノを考えるとやりきれないものを感じます。
そして原作のうえお久光さんによって形作られるSF的世界観!
ゆかりによってもたらされた左腕に宿る携帯の機能を通して、
平行世界の自分と繋がることで無限の可能性を手に入れ、
ゆかりを救う為に光となって目標まで最短経路で突き進むガクちゃんの姿は、
正にSFですよ。
無限のガクちゃんの表現とか、漫画への落とし込み方はやはり一流と言わざるを得ないです。
かなり硬派な作品ですので通常の電撃大王作品とは一線を画しているので、
あまり一般受けはしないかもしれませんが、屈指の名作であることは確かです。
1巻だけでも充分面白い作品でしたが、
やはりこの「紫色のクオリア」という作品の魅力はこの2巻からだと思いますので、
是非ともこのまま最後まで読んでいって欲しいですね。
それと巻末の番外編ですが、extra:02はたぶん描き下ろしだと思うのですが…
まさか「紫色のクオリア」でここまで笑わされることになるとは思いませんでした。(笑
殺伐とした世界観に一発の目からビーム!
これは萌えるぜ…?(笑
最近のコメント