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:: 2022/11/9 水曜日::

■[漫画]復讐の爆弾「腹腹先生」4巻

腹腹先生4巻腹腹先生4巻
出版社:集英社
作者名:高口楊
連載サイト:腹腹先生 – 高口楊 | 少年ジャンプ+
紙書籍通販:腹腹先生 (4)
Kindle版まとめ買い:腹腹先生
DMM電子書籍:腹腹先生 (4)

化学兵器アミトンで殺された若頭の仇を取るためにも子神を追い詰めたい鎧塚。
しかし情報が足りなくて藻掻いているところに牛久からの協力を得られ、
一気に核心に迫ることになって…

この4巻で「腹腹先生」は完結です。
もうちょっと続いて欲しかったとは思いますが、丁度良いのかもしれません。

ルカを狙っていた牛久ですが…
悪い奴だとは思ってましたけど、もっと悪い奴に踊らされた道化だったんですねぇ…

子神のやり口が典型的なヤクザのソレなんだけど、
90年前後だとそれほど一般に知れ渡ってなかったのか…
まぁ、踊らされるだけの素養が牛久にもあったので、
子神だけが悪いということではないんでしょうけどね。

そして子神がアミトン製作を依頼していた相手ですが、
まさかここであずさの功績を奪った因幡が出てくるとはなぁ。
因幡の過去も結構ヒドイものですが、
過去がヒドイからといってあずさの功績を奪って良いわけではないし、
化学兵器を作って良いわけではないんですよ。

因幡の行動原理もわからないではないんですが、
あずさに説教されたように、そんなことは関係ないんですよ。
あがきながらもがきながら、生きていくしかないんですよね…

ラストの締め方も良かったですが、
単行本描き下ろしを読むとちょっと別の感情がもやっと出てきますね…
相手は弥生さんなのかな…
しかし、因果は巡るものとはいえ…
生きて欲しかったなぁ…

:: 2022/8/5 金曜日::

■[漫画]仁義がなく化学兵器がある抗争「腹腹先生」3巻

腹腹先生3巻腹腹先生3巻
出版社:集英社
作者名:高口楊
連載サイト:腹腹先生 – 高口楊 | 少年ジャンプ+
紙書籍通販:腹腹先生 (3)
Kindle版まとめ買い:腹腹先生
DMM電子書籍:腹腹先生 (3)

ヤクザから10億円の懸賞金を掛けられた妹のルカを助けるため、
隻眼ヤクザの鎧塚と組んで動き出した化学教師津雲あずさ。
北海道の地でルカの足跡を見つけ出すことが出来たけれど、
ルカが懸賞金を掛けられるようになった原因を聞いて…

ルカは優秀な努力家の姉と違って、
わりとおバカなところがあるんだけど、悪い子じゃないんですよね。
地元でたむろって傷をなめ合い僻むだけのヤンキーたちとの関係も断って、
自分なりに前に進もうとしているところは良いと思うんですよ。

ただ、都会に出て頑張ろうとする田舎者は、
頭の良いワルに食い物にされてしまうのが世の常なのですよ…
今回は巻き込まれた要素が強めだったけど…

ルカに懸賞金を掛ける原因となった商社の重役の牛久ですが、
単行本描き下ろしの情報によると学生運動経験者なんですね。
私の世代だと大学で勉強せずに学生運動している時点でクズなんですが、
そんなクズが商社でのし上がれてしまうバグが日本社会にはあるんですよね。

クズが理想に酔ってヤクザと組んでゲスをやるという、
最悪のコンボをキメたところに鎧塚とともに乗り込むあずささんは、
本当に覚悟が完了しているなぁ、と思う訳です。
強い。

しかし、ルカの一件が解決してめでたしめでたしといかないわけで…
鎧塚の仇である子神はまだ全然諦めて無いし、
ヤクザ仕草でどんどん追い詰めてくるしで最悪ですね。
しかも子神が組んでいる相手があずさから成果を奪った化学者という…
うーん、因果だなぁ…

今回、龍王の若頭を狙って使われたアミトンですが、
VG系なんですね。

VX系は作中にも出ているようにオウムが使ったサリン系なのですが、
流石にそちらは作中では使われなかった模様です。
まぁ、危険性は似たり寄ったりなんですけども。

それにしても巻末描き下ろしの若頭とのエピソードは、
とても心暖まるものだっただけに残念でならないですね…
あずさと鎧塚さんは死んで欲しくないんだけど…
安心できないんだよなぁ…
4巻が今から怖いです。

:: 2022/4/30 土曜日::

■[漫画]暴力という安易な選択肢がある日常「腹腹先生」2巻

腹腹先生2巻腹腹先生2巻
出版社:集英社
作者名:高口楊
連載サイト:腹腹先生 – 高口楊 | 少年ジャンプ+
紙書籍通販:腹腹先生 (2)
Kindle版まとめ買い:腹腹先生
DMM電子書籍:腹腹先生 (2)

10億円の懸賞金を付けられてヤクザに追われる妹を助けるため、
隻眼ヤクザの鎧塚と協力することになった化学教師のあずさ。
妹の行方の手掛かりを求めてまたもや歌舞伎町にやってきたけれど、
夜の歌舞伎町は一筋縄ではいかなくて…

あずさ先生もかなり人が変わってきましたね。
鎧塚が言っていたように暴力という簡単な手段を覚えたら、
それにズブズブとハマってしまうというのはわかります。
呪術廻戦で虎杖が「殺す」って選択肢が生活に入るこむのを忌避してましたが、
それと似たようなものじゃないかな、と思います。

ただ、あずさ先生の場合は暴力という選択肢を、
生活に取り入れる覚悟をした真面目で善良な人、という印象が強いですね。
覚悟完了した人間ってのは強いですからね…

そんなあずさ先生の前に現れた殺し屋ですが…

血にまみれたゴスロリJCって、どこのロアナプラだよ…
うーん、ぶっ飛んだキャラだよなぁ…w

自分の生徒でもおかしくない若さなのに、
鎧塚の仇敵に殺し屋として育てられてしまったサイコパスを排除するために、
TNTを合成して廃ビルごと爆破するとかあずさ先生は本当に覚悟を決めてますますよね…
「恨んで」って言葉にそれが表れていると思います。

ちなみにTNTの合成ですが生徒たちが吸っていたシンナーの主成分のトルエンを、
硫酸と硝酸から合成したみたいですね。
流石に詳しい製法を作中では書かれてませんが、
知っている人が読めばすぐにわかるように描いているのは流石だなぁ、と思いました。

3巻ではルカと再会し、何故ヤクザから追われることになったかがわかりますが…
中々にヘヴィなので心構えをしっかりしないとですね…

:: 2021/12/7 火曜日::

■[漫画]化学と極道「腹腹先生」1巻

腹腹先生1巻腹腹先生1巻
出版社:集英社
作者名:高口楊
連載サイト:腹腹先生 – 高口楊 | 少年ジャンプ+
紙書籍通販:腹腹先生 (1)
DMM電子書籍:腹腹先生 (1)

化学者として将来を嘱望されながら、憧れの教授に研究内容を剽窃され絶望し、
地元底辺高校の化学教師となった津雲あずさ。
夢破れて鬱屈した日々だけど、大好きな妹のルカがいると元気が出る。
しかし、ルカがヤクザに追われて行方知れずとなり、あずさは冷静に狂ってしまい…

タイトルの元ネタは「腹腹時計」という一部で有名な爆弾製造等が載っているアングラ本ですが、
実際に化学教師のあずさは手製爆弾でヤクザと渡り合ってるので、
とても合ってると言えば合ってるんですよね…

化学を勉強すれば爆弾を作れるかと聞かれレば、答えはイエスです。
大学で有機化学を専攻していた人なら、少し調べて材料さえ手に入れば可能だと思います。
実際、オウム真理教でサリン作ったりしたのもそういった人たちでしたからね。
とはいえ、本当に作った上でヤクザに投げつけて殺傷させられる度胸があるかと言えば…
無理だろうな、というのが本音ですね。

そう考えるとやはりあずさはかなり狂ってると思うんですよ。
恩師に裏切られた時はそんなことをしなかったのに、
大好きな妹が死ぬかどうかの瀬戸際だと思ったらあっさり一線を越えちゃうところに、
あずさの人間性が表れていると思います。

あずさと手を組むことになった鎧塚というヤクザですが、
こいつもこいつで狂ってますね。

ジャンプ作品ではヤクザは実は良い奴、みたいなフィクションが多いですが、
この作品のヤクザは現実に即しており、悪人か、極悪人しかいませんね。
舞台設定が暴対法の施行前後っぽいのでクレイジーさにも拍車が掛かっていますよ。
どこのロアナプラだって感じですが、日本でもこういった時代があったとは思います。

妹のルカを助ける為に爆弾や毒ガスを製造するあずさと、
弟の仇を取るため裏社会でのし上がるためにあずさを利用する鎧塚。
歪でクレイジーなバディモノですね。

MMORPGで最強の戦闘職は何かと言えば「金に糸目をつけない錬金術師」という答えがあるように、
資金源があり、倫理観が壊れた化学者ってのはとても恐ろしいので、
あずさの今後を考えるととても怖いですね。
第1話冒頭からして既にバッドエンドの予感がプンプンしてますし、
何とか本懐を遂げて欲しいところなんですが…
どうなるのかなぁ…
心配です。

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