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:: 2023/11/11 土曜日::

■[漫画]また明日「黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ」6巻

エルシィを元同僚の姉妹と戦わせたくないメアリー女史は逃がそうとするけれど、
エルシィは自分の意志で立ち向かおうとし、プランタジネット舞踏会へと赴くことに…
屋敷の同僚メイドたちから応援されて出かけたバッキンガム宮殿では必ずしも歓迎されなかったけれど、
エルシィは自分の職務を全うするのだった…!

舞踏会で始まった戦いも、大尉さんはとてもマヌケな姿を見せてくれましたね…

ここまでも、女性を侮った男尊女卑の先入観が邪魔して、
論理的に正しい選択を取れない弊害がよく描かれてると思います。
七人の姉妹はそれを見越して女性が暗殺者に選ばれてるのかもしれませんね…

そしてエルシィと姉妹たちとの戦いなんですが、これがまた圧巻で!
回転剣術同士の戦いの見せ方が、これまた上手いんですよ!
流石は藤田和日郎! って絶賛しちゃいますね!

姉妹それぞれの個性があるんだけど、
それをエルシィは悉く撃破しちゃうんだから、そりゃ凄い。
元々が仲間だったんだから、手の内を知り尽くしているからこそっていうのもあるんでしょうね。

終わり方もとても良いものでした。
作家なのに言葉にはせず、その見せ方で匂わせるだなんて、
とても粋だなって思いました。

それにしても黒博物館シリーズはどれも名作ですけど、
今回は全6巻とちょっと長めでしたね。
それでも面白さは濃厚なままで、満足感を充分に得られましたよ。
また次の展示物でお会いしましょう。

:: 2023/10/4 水曜日::

■[漫画]怪物の勇気「黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ」5巻

エルシィが本当に死んでしまうのかを知るため、
ディッペル博士に問い詰めるために動き出したメアリーは、
図らずもディッペル博士が隠していた秘密を暴いてしまう。
そして、舞踏会の日は近付いてきて…

いやはや、ディッペル博士はマッドな人だし、
何よりも男尊女卑が刷り込まれているお年寄りなんですね。
こういった人が居たからこそフェミニズムは生まれたんだな、
といった気持ちにさせられます。

そういった男の粗暴さを目の当たりにしたメアリーが、
覚悟を決めるシーンを読んでいると心が熱くなりましたね。

読んでるこっちまえハラハラドキドキとしたし、
頑張れ、と思いましたよ。
ディッペル博士のような男は一度心を折らないと言うことを聞きませんからね。
メアリーは頑張ったと思います。

そして解き明かされたエルシィの秘密ですが…
彼女は子供の頃から本当に、男たちに翻弄されてきたんですねぇ…
だというのに、それに腐らず、姉妹やメアリー女史のために立ち上がって、
困難に立ち向かおうとするのだから凄いですよ…

次の6巻で完結になりますが、藤田和日郎さんの圧巻のバトルが目白押しなので、
是非お楽しみに!

:: 2023/4/5 水曜日::

■[漫画]頑迷な祖父と快男児の孫「黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ」3巻

メアリーと義父のティモシー卿が乗った馬車が凶賊たちに襲撃され窮地に陥る。
そこへ駆けつけたのはメアリーの愛息、パーシーと、
何故か巧みに馬を操るエルシィ。
二人は協力して凶賊たちを撃退しようとするが…?

いやはや、パーシーとエルシィのコンビが馬を駆るシーンは圧巻ですね。

流石は藤田和日郎さんだと思わせる作劇ですよ。
馬の躍動感が素晴らしい上に、
凶賊たちの中に突っ込むパーシーの快男児っぷりが爽快でしたね!
これには頑なだったティモシー卿も考えを改めてしまうのも当然でしょう。

メアリーという色眼鏡を外したティモシー卿は、
パーシーとは祖父と孫、という普通の関係を築けるようになってるみたいで、
この二人の関係がとても良いものだと思えます。

頑迷なティモシー卿の心を開くことができる好漢。
パーシーはとても良い男子であることから、
メアリーの教育は悪くないんじゃないかな、とも思えるんですよね。

後半ではエイダ伯爵夫人から厳しいことを言われているメアリーだけど、
彼女は彼女なりに足掻いている途中なのだと思います。
モーニング最新話では吹っ切れて答えを得た上で行動しているので、
次巻以降にも注目したいです。

:: 2022/11/23 水曜日::

■[漫画]男尊女卑の時代で「黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ」2巻

歴史に残る名作「フランケンシュタイン」を生み出したメアリー・シェリーが、
女コサックの死体から生み出された怪物エルシィを女王陛下の護衛として教育するという、
奇想天外な世界観で描かれる黒博物館シリーズ第3弾の2冊目です。

メアリーが義父から新たに依頼された仕事は、
寄宿学校の内偵というものなんだけど、
これがまたヒドイもので…

男尊女卑が徹底された時代の英国は、
確かにこんな人たちが大勢居たんだろうな、と思わされますね。
メアリーの母親はフェミニズムの先駆けだったんだろうけど、
それを快く思わないのは女性にも居ただろうことは、
現代の社会情勢を見ているだけでも容易に想像できます。
オタク擁護をした女性を叩きまくる女性が多いもんなぁ…

そんな外道な奴等を一掃するだけでなく、
ご高説を垂れるノータリンを論破するエルシィが格好いいのです。

しかしまぁ、エルシィは格好いいんだけど、
力なき正義は無力だということを思い知らされますね。
権力なり暴力なりの後ろ盾がないと、正義というものはかくも脆いものであるなぁ。

それにしても黒博物館シリーズにしては珍しく長編になりそうですね。
少なくとも次の3巻でも完結しそうにないです。
何となく、全5巻くらいになりそうな予感…

:: 2022/7/25 月曜日::

■[漫画]怪物には名前と仕事を与えよ「黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ」1巻

藤田和日郎さんがモーニングで描く黒博物館シリーズ第3弾。
それは後に多くの人に影響を与えた作品、
”フランケンシュタイン ーあるいは現代のプロメテウス”を世に出した女性作家。

メアリー・シェリーが主人公の物語です。

メアリー・シェリーとプランタジネット舞踏会という、
一見全く関わりがなさそうな要素を結びつける手腕は流石なんですが、
それだけにこれがどういう風に物語を形作り、
どのような結末を見せてくれるのか全く予想が付かないんですよね。
それだけにワクワクしてしまいます。

金欠のメアリーが義父に呼び出された先で依頼されたのは、
コサックの暗殺七姉妹の死体を、事故死した村娘とつなぎ合わせて復活させた化物を、
舞踏会で女王を暗殺から守る護衛として教育するという、奇想天外なもの。

フランケンシュタインの怪物を世に生み出した作家だからこそ抜擢されたとはいえ、
かなりの難行を課された形になりますよね…

そしてこの時代の男尊女卑の世界がとても丁寧に描かれており、
それに対峙しないといけないメアリーを見ていると、
フェミニズムというものがどういうものであり、
どのようなものと対峙する必要があるのか、というのが伝わってくるかのようです。

まだ1巻ということで序盤ですが、
前作のような上下巻構成ではないことから、
しばらく続きそうな感じですね。
続きも楽しみです。

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