■[漫画]終わるけど終わらないアパート奇譚「ACONY」3巻
ACONY(3) <完> (アフタヌーンKC)
著者/訳者:冬目 景
出版社:講談社( 2010-09-22 )
コミック ( 186 ページ )
種類は多いけど、余り完結することがないと思われていた冬目景作品ですが、
前作のハツカネズミの時間に続いてACONYも完結へ。
完結、といってもしきみ野アパートの時間はいつもどこかで流れていることが感じられる、
そんなしばしのお別れ、みたいな雰囲気が漂う最終回でした。
アコニーの行方不明の母親を捜すという当初からの命題が、
3巻の序盤で詳らかにされる訳なんですが、シリアスなのは一時だけ。
思いがけない事実が判明してからは相変わらず非日常な日常が繰り返され、
おかしく面白いアパートの面々が楽しませてくれます。
特に巨大化した食虫植物と、地下で巨大化した芋虫の怪獣大決戦とかもう何がなんだか。
「まんま、モスラ vs ビオランテだなぁ…」とか思ってたらそんな台詞あったりね。(笑
また、鏡を通じて平行世界に行って黒髪や金髪や茶髪や赤毛なアコニーと会えたり、
平行世界の基海の意外だけどそれもアリだな、と思わせる風貌にニヤニヤしちゃったり、
毎月読んでて愉快でしたよ。
母の帰国と高校受験という至極現実的な理由でアパートを出ることになった基海だけど、
そのさばさばとした別れ方も、いつでも戻ってこれるし戻るつもりだという、
そんな当たり前な意志が感じられましたね。
成長した基海とあまり成長しないアコニーの二人が10年経ってそれ以上になっても、
いつも一緒にしきみ野アパートで楽しい非日常を過ごしてそうな気がしますし、
そうであって欲しいな、と思います。
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