■[漫画]あなたの瞳に映るのは「紫色のクオリア」1巻
紫色のクオリア 1 (電撃コミックス)
著者/訳者:うえお 久光
出版社:アスキー・メディアワークス( 2012-02-27 )
コミック ( ページ )
作者サイト:ケツバット祭り
原作である小説版「紫色のクオリア」はそもそも、うえお久光&綱島志朗のコラボ作品だったので、
漫画版を担当するなら綱島志朗さんしかあり得ないだろうと思っていましたが、
実際に綱島志朗さんが描かれると予想以上に素晴らしい内容に仕上がっていて、
小説版を読んでいた時以上の感動が胸の奥からこみ上げてきて自分でも驚きです。
タイトルに含まれていることから判るように「クオリア」という言葉がこの作品のキーワードになっています。
クオリアを簡潔&大雑把に説明すると、例えばこの作品の表紙は紫色ですが、
紫色というのは波長380-450 nmの可視光線という物理的な定義はできても、
自分が感じている紫色という感覚は主観的なものであり、他人と共有できるものではない、という感じでしょうか?
そしてこの作品のヒロインである毬井ゆかりは生物が全てロボットに見えるという紫色の瞳の持ち主。
主人公の波濤学ことガクちゃんは小さな頃から薙刀を習ってきたちょっとボーイッシュな女子中学生。
その名前からゆかりから見て男か女か判らなくて(何しろロボットに見えるので)、
その時のちょっとしたトラブルでガクちゃんはゆかりのその目のことを知ることに。
ガクちゃんは「友だち」として少しずつ、でも確実にゆかりのことを見守っていくことになるんだけど、
ゆかりの目の特異性からとある殺人事件の殺人犯に狙われることになって…
という小説版第1章までの展開が描かれているんですが、その描き方が素晴らしく上手い!
綱島志朗さんの実力を考えたら当然なんですが、散文的に書かれていたエピソードを見事に再構成して、
それでいて小説版の補足的な内容を描くことで既読組にも新鮮な面白さを提供しているんですよね。
特に殺人犯を「修理」するためにゆかりが取る手段が小説版では想像するしかなかったのに、
この漫画版ではハッキリクッキリ描かれているだけに衝撃は一入でしたよ。
いやはや、本当に素晴らしいな!
ゆかりが生物がロボットに見えるというのは実は文字にも表われていて、
ガクちゃんの腕を治すじゃなくて直すって言ってるんですよね。
でもロボットだから非生物なわけではないというのは内容を読めば一目瞭然なわけで、
結局この作品は女子中学生たちの友情物語だったりするんですよね。
そこがまた面白いのです。
しかしこの1巻は「紫色のクオリア」の本質の導入部に過ぎません。
一年前「魔法少女まどか☆マギカ」の終盤で多くの人が「紫色のクオリア」を連想したのは、
この後の「1/1,000,000,000のキス」があってこそなのです。
詳しいことは是非とも作品を読んで感じて欲しいです。
とはいえ、このままのペースだと単行本は1,2年後になると思いますので、
先に小説版を読むのもアリなんじゃないかな、と思います。
1巻を読む限り漫画版は更なる面白さを提供してくれると思いますし。
……お……。フランさんの紹介文を読んで購入します。というか現役「KEY THE METAL IDOL」世代にこの作品内容は卑怯でしょう! インターネットが普及した現代の設定でリメイクしてくれないかなぁとすら思っていますKEY。
綱島さんもJINKIが騒動に巻き込まれれば絶対にもっと売れていたと思うので、本当に惜しいです。クオリアは明日、買ってきます!
コメント by Mya — 2012/3/1 木曜日 @ 2:35:22
あー、たしかに「KEY THE METAL IDOL」の匂いが感じるかも。
大学時代の友人も凄くハマってましたなぁ。>KEY
クオリアは面白いので是非どうぞ!
コメント by フラン — 2012/3/8 木曜日 @ 20:04:26