■[漫画]誰よりもマニアックな「絶対☆アイドル」レビュー
絶対☆アイドル (角川コミックス ドラゴンJr. 133-1)
著者/訳者:須田 洋 ぎん太
出版社:富士見書房( 2008-09-09 )
定価:¥ 651
コミック
ISBN-10 : 4047125652
ISBN-13 : 9784047125650
原作者サイト:すたひろ日和
作画担当サイト:Tablet Online
幼き日に抱いた単純で純粋な思いから男性アイドルを目指していた少年、天乃宙(ソラ)。
その決意とは裏腹に可愛い女顔なせいかオーディションには落ちまくる日々だったのが、
ひょんなことから弱小事務所に拾われて遂に念願のアイドルデビューをすることに!
ただし、女の子として間違われて3人ユニットの女性アイドルとして…!
最近ではメジャーになってきた「こんな可愛い子が(以下略」的な女装少年モノで、
しかもアイドルになっちゃうという20年近く前の「ティンクル2アイドルスター」や、
10年ほど前の「少女少年」を彷彿とさせる倒錯的で素敵なTS設定なのですが、
ギャグとシリアスの組み合わせ方と、ぎん太先生の描く可愛らしい絵柄で、
ある意味新境地とも言える内容になっています。
仲間の少女たちとの友情、ライバルアイドルとの対立、ソラが抱える葛藤、
そしてここぞという時に魅せる全ての人を魅了する絶対アイドルとしての覚醒。
アイドル成長モノとして非常に良い所で終わっているのが非常に残念です。
幼馴染みの男の子すら一瞬にして恋に落とすソラの可愛さをもっと楽しみたいので、
何とか続編を希望したいトコです。
で、後書きを読んだら大半の人が判るとは思いますが、
原作の須田洋さんは実は「おたくの娘さん」を連載しているすたひろさんです。
ギャグで顔を崩すネームとかから気付いた人も多かったのではないでしょうか。
さて、それを踏まえた上でこの話が出来上がるまでの背景の解説をしてみましょう。
同人誌というマニアックな話になるので判らない人はごめんなさい。(笑
まず、主人公が女の子と間違われてそのまま物語が展開するというプロットですが、
実はすたひろさんが過去に描いたオリジナル作品で前例があったりします。
それがとらのあなの「虎通」にて連載されていた「ゴーゴーゴー!!!」です。
この主人公のいずみちゃんが可愛いんですよ。
オタク系専門学校での気ままなオタライフがメインでして、
期待を裏切らずコスプレもするんですが、妙に似合ってたりするのも最高です。
こんな可愛い子が女の子なはずないじゃないですか!
ちなみに姉がいるという設定も共通ですね。(性格とか全然違いますが)
それと脇キャラに「絶対☆アイドル」と漢字一文字違いの桐島桐梨子という名前の女性声優が登場しまして、
この人は上の画像を見れば判るように男の子だと知らずにいずみちゃんLOVEです。
いずみちゃんは女の子なのに、と葛藤している様まで一緒だったりします。(笑
そしてもう一つ下敷きとなった作品がありまして、こちらはアイドルモノ。
とらのあなのIZUMIで連載していた「村おこしアイドルプロジェクト かしまし!」
こちらは連載しようとした矢先に桂遊生丸&あかほりさとるの某作品とタイトルが被ってしまい、
泣きを見たという曰く付きの作品だったりします。(笑
こちらも私たちの戦いはこれからだ…! 的なトコで終わっちゃってるんですけど、
雑誌が休刊しちゃったんだから仕方ないというか。
3人ユニットの女性アイドルでライバルアイドルも居るという点が共通していますね。
という訳で「絶対☆アイドル」は確かにすたひろさんが長年暖めてきた作品だった訳です。
そう考えると中々に読み応えがあると思いませんか?
以上、「誰よりもマニアックな『絶対☆アイドル』レビュー」もとい、
「誰よりもすたひろさんが嫌がる『絶対☆アイドル』レビュー」でした!
ゴメンね、すたひろさん!
自分の望みとは正反対な方向で、芸能界でメジャーになってしまう漫画ということで「デトロイト・メタル・シティ」が思い出されますね。
何故こうなったのか・・・
どこでどう間違ったのか・・・
ボクがなりたかったのは・・・
こんなアイドルじゃない!!
という宙くんの叫びが聞こえてきそうな気がします。
コメント by S.タニムラ — 2008/9/14 日曜日 @ 20:38:33
確かにソラくんも絶対アイドルとして成功していくとそうなるのかも…?(笑)
コメント by フラン — 2008/9/16 火曜日 @ 19:45:15
そもそもアイドルを目指してなかったでしょうw
コメント by スカーレット — 2008/10/3 金曜日 @ 0:04:03
ソラくんはアイドル目指してましたよ!
男性アイドルですが…!
コメント by フラン — 2008/10/3 金曜日 @ 23:54:42