■[ラノベ]羽音たらくさんのイラストに惹かれる「あの夏で待ってる」1巻
あの夏で待ってる1 (MF文庫J)
著者/訳者:豊川一夏
出版社:メディアファクトリー( 2012-03-22 )
文庫 ( 291 ページ )
スタジオオルフェ(なつまち脚本の黒田洋介さんの会社)のスタッフ、豊川一夏さんが執筆し、
イラストレーターはもちろん、キャラデザにしておねがいシリーズを手掛けた羽音たらくさんという、
「あの夏で待ってる」公式ノベライズの第1巻。
この1巻には沖縄旅行の中盤までが収録されているので、全2巻か全3巻になるんだと思います。
奇しくもコミカライズと同様に女性が書き手となった「あの夏で待ってる」ですが、
女性らしい心情描写でイチカ先輩や柑菜の心の動きを描写されています。
あ、ちなみにこのノベライズは昨今のラノベとはちょっと方式が違っていて、
場面場面で視点を切り替えていく方式なんですよね。
そのお陰でアニメを見ていただけでは気付かなかった事に色々と気付けるんですが、
黒田洋介さんが後書きに書かれている通り、90年代のラノベに近いので、
最近のラノベに慣れている人だとちょっと戸惑うかもしれません。
視点を変えることで軽井沢で海人とデートしていた時のイチカ先輩が、
どんな風に思っていたか、どういった経緯で海人のことを意識していくようになったかとか、
つぶさに感じることができるんですが、
それは同時に柑菜がどういった気持ちを海人に向けていたか、
どんどん距離が縮まっていく海人とイチカ先輩の間にどれほど心を痛めていたかという、
そういった切なさも感じることができるだけに柑菜萌えな人にはちょっと辛いかもしれません。
アニメだけでは分からなかった細かな設定やニヤっとする事実など、
そういったものが分かったりするのは「なつまち」ファンとしては嬉しい一冊ですね。
そして何と言っても羽音たらくさんのイラストというだけでも充分惹かれるので、
「なつまち」ファンにとっては嬉しいノベライズなのではないでしょうか。
最近のコメント