■[漫画]初心者アスナの絶望からの前進「ソードアート・オンライン プログレッシブ」1巻
ソードアート・オンライン プログレッシブ (1) (電撃コミックスNEXT)
著者/訳者:比村奇石
出版社:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス( 2014-02-27 )
コミック ( 180 ページ )
原作者サイト:WORD GEAR
原作者twitter:川原礫 (kunori)さんはTwitterを使っています
作者サイト:日々、平穏
作者twitter:比村奇石 (Strangestone)さんはTwitterを使っています
電撃文庫の主力にして、川原礫さんの代表作である「ソードアート・オンライン」
その第0章とも言えるアインクラッド攻略編を綴った「ソードアート・オンライン プログレッシブ」を、
バトル描写に定評のある比村奇石さんが描いたのがこのコミカライズ版になります。
アニメの第2話にもなっていた、アインクラッドの第一層の攻略からスタートになるんですが、
原作やアニメとは異なり物語の中心となるのは押しも押されもしない正妻ヒロインのアスナ。
もちろんキリトは出てきますがツン期全盛のアスナ視点で描かれているので、
ちょっぴりニヒルなヒーローっぽく見えますね。
物語も原作やアニメを基本なぞる形ではあるけど、色々と改変されています。
ですが、原作ファンからみても許容範囲というか、
むしろアスナを主人公に物語が最適化されている、という印象が強いです。
アスナが主人公になることで、アスナの内面が描かれるのが本作の魅力の一つです。
原作やアニメではサラっと流された”優等生なお嬢様”であるアスナが感じた絶望。
両親に望まれ、多少満たされない気持ちがありながらも進んできたエリート街道。
その道を進むのを当然としてきて他の生き方を知らない一人の少女が、
魔が差してちょっとやってみただけのゲームの虜囚となったが為に道を大きく踏み外してしまい、
両親に見捨てられ、ライバルや後輩たちに見下げ果てられるのではないかという焦慮。
これは真っ当に受験戦争を経験してこないと判らないモノです。
比村さんが何故それをきっちりと描き切ることが出来るかというと、
一流大学を出て、修士も取り、有名企業に就職してエリート街道を進んでいたのに、
脱サラして漫画家に転身したからなんだと思います。
アスナと違うのは魔が差したのか、自ら望んで身を投じたかの違いでしょう。
自らの経験をここまで自然にキャラクターに反映するとは、もう正真正銘プロ作家だなぁ。
話は変わりますが、アスナ視点なのでもちろん色々と萌える要素が原作より多めになっています。
キリトの宿にお風呂に入りに来たイベントは当然ですし、
店で下着を買うイベントとか大変ニヤニヤしてしまいますね!
特に情報やのアルゴは良い仕事してくれてますよ。
ちなみにこの頃からアスナがアルゴと親しくなっていったのは予想通りでしたが、
倫理コード解除もどうやらアルゴからの情報っぽい伏線があってニヤリとしたり。
つまり原作1巻におけるキリトさんが良い目を見たのは、
アルゴのおかげでもあるんでしょうね。
アルゴさんマジナイスプレー
他にもディアベル主催の集会でのイベントとか、フロアボスとの対決とか、
細かい所は変わってますが、それでも原作で感じたボス戦の緊迫感は遜色ないので、
原作ファンこそに読んで欲しいコミカライズとなっています。
もちろん、アニメでしかSAOを知らない人でも充分楽しめる内容となっていますので、
アスナばりに初心者の人にも読んで欲しいですね。
余談ですが特装版をAmazonで頼んでたら2週間遅れで届きましてね…
取りあえず届いたので良かったです。
この感想も実は特装版を読んでのモノになっておりますのであしからず…
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