■[漫画]生と死の円環の中でのボーイ ミーツ ガール「All You Need Is Kill」1,2巻
All You Need Is Kill 1 (ジャンプコミックス)
著者/訳者:小畑 健
出版社:集英社( 2014-06-19 )
原作者twitter:桜坂洋HiroshiSakurazaka (sakurazaka)さんはTwitterを使っています
Kindle版:All You Need Is Kill (1)
All You Need Is Kill 2 (ジャンプコミックス)
著者/訳者:小畑 健
出版社:集英社( 2014-06-19 )
原作者twitter:桜坂洋HiroshiSakurazaka (sakurazaka)さんはTwitterを使っています
Kindle版:All You Need Is Kill (2)
コミカライズ担当が小畑健とか卑怯。
スーパーダッシュ文庫が生み出した奇才、桜坂洋の「All You Need Is Kill」
トム・クルーズ主演で劇場版が制作され、来月から日本でも公開される程の傑作ですが、
だからこそ、集英社も総力を上げてきたんでしょう。
まさか「DEATH NOTE」や「バクマン。」で知られた小畑健を投入してくるとは…
物語の舞台は近未来の地球。
突如出現したギタイという名の異形の生物は人類を駆逐し、自らの生存圏を広げていく中、
人類は防疫軍を結成し、パワードスーツで対抗していた。
キリヤ・ケイジは初年兵としての初陣で死んだはずが、
気が付けば前日の朝に戻っており…
この作品は「STEINS;GATE」や「ひぐらしのなく頃に」と同じ、いわゆるループ物です。
ギタイという異形の生物とそれに対抗する主人公、という意味では「マブラヴ」が近いでしょうか。
しかし、それらの面白さとは別種のモノを持っています。
まず1巻はケイジがループを100回以上繰り返すことで、
徐々に戦闘経験を積み、初年兵なのに一流の戦士として成長していく過程が描かれています。
死ぬ描写も当然あるんですが、グロテスクと芸術の境界線のような美麗さで、
そこは流石は小畑健だと言わざるを得ません。
また、何度も死を積み重ねていくことでケイジの精神が摩耗していく様も描かれており、
そこもまた小畑健の凄さを如実に感じられます。
そして2巻ではメインヒロインであるリタ・ヴラタスキが物語に食い込んできます。
ケイジと同じ、ループしているリタが同じく精神を摩耗していく中、
ループの謎を解き、それを脱した先達として描かれています。
しかし、一人だけループするという孤独の輪の中で3年間過ごしていた彼女だからこそ、
同類であるケイジと出会った時の感情の爆発には目を見はるものがありました。
ここはもう、小畑健の画力にただただ脱帽しました。
リタの表情の変化で、その心の発露がこれ以上ないほど伝わってきましたからね。
もうただただ圧巻されました。
ラストまでの道筋と、その終わり方も心に残るものであり、
確かに傑作であることが充分に判りました。
これは原作に手を伸ばしても良いかも。
ちなみに原作はカバーイラストを小畑健さんに変えて新創刊してます。
このコミカライズ版1,2巻と並べると趣深い表紙になっていると思うので、
揃えたくなってしまいますね。
それと、3話まではとなりのヤングジャンプで読むことが出来ます。
まずはそちらで雰囲気を掴むことをオススメします。
超面白いよ!
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