■[漫画]神戸より「神戸在住」10巻
神戸在住 10 (10) (アフタヌーンKC)
著者/訳者:木村 紺
出版社:講談社( 2008-01-23 )
定価:¥ 540
コミック
ISBN-10 : 4063211827
ISBN-13 : 9784063211825
アフタヌーンで連載していた、儚さと優しさを併せ持つ作品「神戸在住」の最終巻。
5編に及ぶ書き下ろしを収録した雑誌派の人も買わざるを得ない内容で、
特にエピローグは主人公の桂さんに多大な影響を及ぼした日和さんの生涯を綴った短編があり、
「神戸在住」という作品を締めくくるに相応しい構成となっています。
この漫画は透明感がありながらも確固とした存在感があった作品で、
アフタヌーンという濃い雑誌の中でも個性を放っており、読ませられる内容でした。
叙情的に綴る神戸という街並みとそこに住む人々は淡々としていながら息づいており、
ゆったりとした、特殊な雰囲気を醸し出す漫画でした。
人生に重い影を落とした日和さんの死を受け止め、多少躓きながらも前に進もうとする、
そんな健気な姿を見せる桂さんが就職を決め、卒業することでこの物語は終わりを迎えます。
言葉にするとたった2行だけど、その内容は濃密で、人と人との係わり合いが深く描かれており、
読み終わった後は友人と訳もなく語らいたくなるような気持ちにさせられます。
私は学生時代に三ノ宮の辺りは何度か訪れたことがあるのですが、
この作品を読むことでより神戸という街を身近に感じる事ができるようになりました。
まだ神戸という街を訪れた事がない人は、この作品で神戸に想いを馳せ、
神戸に訪れた事がある人は、この作品で追憶ひ浸ることが出来るのではないでしょうか。
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