■[漫画]医者をリードする医者の物語「ラジエーションハウス」1巻
ラジエーションハウス 1 (ヤングジャンプコミックス)
著者/訳者:モリ タイシ
出版社:集英社( 2016-06-17 )
原作者twitter:横幕智裕(@t_yokomaku)さん | Twitter
作者twitter:モリタイシ(@moritai4)さん | Twitter
Kindle版:ラジエーションハウス (1)
聴診器、内視鏡、そしてレントゲンにMRI…
医療技術の進化に伴い仕事は細分化し専門家に任されることになった現代。
外科医や内科医と違い表に出てくることはないけれど、
患者の病気を診断する上で必要不可欠な専門家”放射線科医”
この物語は放射線科医とそれを支える放射線技師の物語です。
主人公の五十嵐唯織は放射線技師としての腕だけでなく放射線科医としても有能ながら、
医師免許を持つことを秘密にしている事情とコミュ障なことから誤解されてばかりいて、
日本の医療現場からは爪弾きにされてばかり。
そんな状況でも放射線技師として働くのは幼い頃に交わした約束のため…
約束を交わした相手である幼馴染みの甘春杏への想いも忘れられずにいたある日、
ダメ元で確認した甘春総合病院に放射線技師募集が出ていてたため喜び勇んで応募し、
無事採用されて杏と再会するも向こうは気付いてくれないばかりか、
子供の頃とは別人のように放射線技師のことを見下すようなことを言ってきて…
グランドジャンプでモリタイシさんが作画をするということで興味を持ったんですが、
期待したラブコメ濃度は低いながらも予想しなかった面白さがありましたね。
実力がありながらも一部の人間以外誰も気付いていないシチュは漫画的に盛り上がりますし、
医療漫画としてのヒューマンドラマもしっかりとあって面白いです。
それにしても… 唯織の現状が中々に不憫だなぁ…
幼い頃の約束を果たすために努力を重ねて医師免許を取るだけでなく、
海外で学んで超一流の技術を持ちながらもコミュ障で誤解されてばかりで辛い…
それでも評価してくれる人がいるのには救われるんだけど、
肝心要の杏に誤解されてばかりなのが不憫で…
まぁ、杏も体調を崩して一線を退いた父を尊敬するからこそ肩肘を張り、
余計なプレッシャーを感じているからっていう理由もわかるんだけど…
うーん、なんとももどかしいなぁ。
でもそのもどかしさが面白さに繋がっているんだよなぁ…
面白さともどかしさの二律背反…!
また、医療技術的な面ですが初っ端の話がMRIで、
その次がマンモグラフィーというのがマニアックですね。
最近は乳がんが巷間で話題になっている気がしますし、
そういった意味でもマンモグラフィーという題材は有りだと思います。
おっぱいを守るためにおっぱいに120Nも圧力を掛けないといけないとか、
見てるだけで痛いですがこれも必要なことなんだよなぁ…
技術的な意味での補足ですが、マンモグラフィーの被曝量が少ない理由ですが、
最近のマンモグラフィーの受像機はフィルムじゃなくてセンサーだからですね。
原理的な意味ではデジカメのCMOSセンサーと似たようなものなんですが、
X線はレンズじゃ曲がらないため撮影したい面積と同等のセンサーが必要になり、
シリコン基盤だと高価になりすぎるため液晶ディスプレイの工場で作ってたりします。
10年くらい前に仕事の関係で少しかじったことあるのでちょっと懐かしかったです。
医療漫画としてのヒューマンドラマも面白いですが、
モリタイシさんなので唯織と杏の関係にも注目していきたいですね!
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