■[漫画]羽海野チカ最新作「3月のライオン」1巻
3月のライオン 1 (1) (ジェッツコミックス)
著者/訳者:羽海野 チカ
出版社:白泉社( 2008-02-22 )
定価:¥ 490
コミック
ISBN-10 : 4592145119
ISBN-13 : 9784592145110
桐山零 17歳 ――職業 プロ棋士。
美大での若人たちの青春を描いたハチクロの作者が次に選んだ題材は何と『将棋』
しかも青年誌「ヤングアニマル」での活動と更に読者を驚かせる行動ですが、
一番驚かされるのはその面白さ。
誌面から滲み出るかのような優しさ、暖かさ、そして寂しさ―。
それらが複雑に絡まり合いながら読む者に伝わってくるんですよ。
子供の頃に家族を亡くし、引き取られた先でも複雑な環境で育ち、
孤独の寂しさを長年味わった、ともすれば根暗とも取られるような寡黙な主人公。
そんな桐山零が住む下町で出会ったあかり、ひなた、モモの三姉妹が、
零が抱える凝り固まった『孤独』という病を下町の暖かさでもって、
優しく、少しずつ、そして丁寧に解きほぐしていく物語。
多くは聞かず、多くは口出さず、ただ自然体で接してくる三姉妹。
そんな三姉妹と自称終生のライバルの二海堂に翻弄されつつ、
日々の葛藤を噛みしめ、ゆっくりと前を歩んでいく零。
人と人との触れ合いの温かみがここにはあります。
零や三姉妹の事情も断片的に、少しずつ露出して、
過度な説明になりすぎないように、自然と理解できるように描かれており、
じっくりと味わうことが出来る作品です。
少女漫画が苦手な男性も、青年誌に気後れする女性にも読んで貰いたい面白さです。
まぁ、それはそれとして巻末のオマケ漫画には笑った。
あずまきよひこ先生も罪な人だなぁ…(笑
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