本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!

:: 2009/10/26 月曜日::

■[漫画]丸ごと全部あずまんが大王!「大阪万博」

大阪万博
著者/訳者:よつばスタジオ
出版社:アスキー・メディアワークス( 2009-10-24 )
定価:¥ 1,680
Amazon価格:¥ 1,680
単行本 ( 300 ページ )
ISBN-10 : 4048680609
ISBN-13 : 9784048680608
作者サイト:よつばスタジオホームページ

「あずまんが大王」関連の版権モノを全て網羅しただけでなく、
多彩な作家による「あずまんが大王」トリビュートコミックを収録した、
ゲッサンでの復活から続いた「あずまんが大王」10周年記念の集大成とも言える、
正に奇跡の一冊がこの「大阪万博」なのです!
表紙が大阪だから凄いイメージがありませんが、凄いんです。

前半はメモ帳やクッションといったスタンダードなグッズから、
ネクタイ、トランクス、帽子、傘、スリッパ等々のマイナーなものまであり、
実はこんなにあったのかと、兎に角多彩な商品ラインナップに驚かされるだけでなく、
UFOキャッチャーの商品までしっかりと監修、管理してきたことが伝わってきて、
「あずまんが大王」という作品を作るに当たっての誠実さが判ります。

グッズも単にキャラをプリントしたものでなく、
例えばちよちゃんの顔がプリントされたクッションはお下げが取れるように出来てたり、
大阪のぬいぐるみが首がちょっと傾げてるようにデザインされていたりと、
微に入り細に入り、作品本来のコンセプトから外れないように監修しているんですよね。
作者にも読者にも喜ばれ、そしてそれを売るメーカーも売れて喜ばれるWin-Win-Winの関係。
しかも日めくりカレンダーやPOP広告もコストを考慮したデザインで作られているという凄さ。
仕事量としては膨大でしょうけど、これこそ正しいグッズ展開の姿だと感心させられます。

そしてその徹底した管理っぷりはキャラホビで展示された、
「ドキッ! まるごと大阪だらけの1年戦争? 放課後の1年戦争」
を収録したページで判ります。
輪王さんの写真集にも載っている完売告知イラストまで収録されているだけでなく、
ダンボールに描かれた最後尾札まできちんと保存しているんですよ!
いやー、普通捨てますよ… しかも7年前のイベントですよ…?
里見英樹さんは適当なようで仕事はしっかりしてるんだとつくづく思い知りました。

後半はトリビュートコミックなんですけど、これがまた面白い!
敢えて作家さんの個性をそのまま出すようにお願いしたと、
里見英樹さんがあとがきにて書かれているように、本当にそのままなのです。
氷川へきるさんのように自分の作品とコラボさせたり、
篠房六郎さんのようにそもそも「あずまんが大王」キャラが出てこなかったり、
あらゐけいいちさんなんてそもそも4コマ漫画の形式じゃなかったりと、
もう作家さん一人一人が好き勝手描きまくりなんですよね。
でもそこがまた良いんですよ。

蒼樹うめさんのほのぼのと優しい「あずまんが大王」
大阪との親和性がやたらと高いすかさんの「あずまんが大王」
saxyunさんの得も言われぬ味わいのある「あずまんが大王」
作家さん一人一人が持つ「あずまんが大王」を汲み上げて、
それを容認する器の大きさには感服しまくりでした。

そしてこのような奇跡の一冊を作ることが出来たのは偏に里見英樹さんが居たからこそだと思います。
グッズに対する小粋なユーモアが含まれた解説文を添えることによって、
単なる写真集じゃなくて、読み物として面白い作品に昇華されているように、
その類い希な文才を発揮するだけでなく、写真と文の位置関係や、
本そのものの装丁に至までの素晴らしいデザインにはホント惚れ惚れします。

300ページで1600円という破格のボリュームでしたが充分満足できる一冊でした。
「あずまんが大王」を好きで良かったと心の底から思いました。
よつばスタジオさん、本当にありがとうございました。

関連エントリー


何が小学館仕様なのかを説明する前に取りあえずご覧下さい。 (c)『ゲッサン 6月号』(小学館)よりあずまきよひこ「あずま…

あずまんが大王 3年生 (少年サンデーコミックススペシャル)著者/訳者:あずま きよひこ出版社:小学館 (2009/8…

あずまんが大王1年生 (少年サンデーコミックススペシャル)著者/訳者:あずま きよひこ出版社:小学館( 2009-06…

あずまんが大王 2年生 (少年サンデーコミックススペシャル)著者/訳者:あずま きよひこ出版社:小学館( 2009-0…

キミに幸アレ!!(1) (GUM COMICS)著者/訳者:いみぎむる出版社:ワニブックス( 2008-09-23 )…


 Comments (0)

コメントはまだありません »

No comments yet.

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL

Leave a comment

HTML convert time: 0.577 sec. Powered by WordPress