本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!

:: 2022/12/11 日曜日::

■[ラノベ]女神の降臨「本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部「女神の化身X」」

フェルディナンド様も無事に救出でき、
ゲオルギーネによるエーレンフェストへの侵攻には防衛成功したローゼマインだったけれど、
中央騎士団長ラオブルートによる本命の計画は未だ進行中であり、
ランツェナーヴェ王ジェルヴァージオはメスティオノーラの英知に王手を掛けており…

書籍版完結までこの31巻を含めて残り3冊!
今回もWeb版からの本編加筆多数に加えて、
ローゼマイン視点以外の短編が大幅に書き下ろされているので、
Web版読者の満足度もメチャクチャ高いと思います!

本編はローゼマイン視点なので、
どうしても緊迫感というのが薄くなってしまうんですけど、
他の人たちからの視点で読むとヒリヒリするくらいに緊張しましたね!
特に最後に書かれていたフェルディナンド様視点からは、
本当にギリギリのところでもぎ取った勝利だったんだな、というのが伝わってきます。

ただ、ローゼマイン本人は今回自覚したようにとても過保護にされているので、
フェルディナンド様は余裕で完封したように見せているのが面白かったです。
ローゼマインも悪辣な策を即座に思いついて実行すると言われてましたが、
やはり師であり本家本元のフェルディナンド様は更に上を行きましたね…!

もちろんフェルディナンド様が学生時代に宝盗りディッターに興じた経験があってこそですが、
その策を実行する下準備をローゼマインが奇想天外な手段で整えていたのが面白かったです。
ジェルヴァージオは魔力量は圧倒的だし、権謀術数にも長けているけれど、
領主候補生の講義を受けたこともなければ、メスティオノーラの英知も欠けてますからね。
フェルディナンド様とローゼマイン様のコンビプレイの勝利と言えましょう。

そしてジェルヴァージオ視点で見ると本当にローゼマインはわけがわかりませんよね…w
未成年の女性なのに戦いの最前線に出てきてるわ、
祝福の重ねがけしても神々の加護で魔力消費量が減ってて平然としてるわ、
殺し合うことを命じられながらフェルディナンド様と共闘してるわ、
未知の手段で女神をその身に降臨させるわ、
神々も知らない呪文で魔法陣を完成させるわ…
フェルディナンド様と違って耐性がなかったのも敗因の一つかもしれません…w

フェルディナンド様も王族に関しては完全に見切りをつけて、
戦局を有利に進めるための駒としてしか使ってないのが容赦ないというか…
まぁ、ローゼマインのことを何よりも大切だと自覚して自らの望みを叶えるためだからこそ、
それ以外には本当に遠慮しなくなったんだろうなぁ…

ジークリンデ視点のエピローグでは一般的な貴族の価値観がわかりましたが、
十年以上ユルゲンシュミットへ尽くしてきたからか、
トラオクヴァールの人望が意外とあったのには驚きました。
実際には次巻でローゼマインが詳らかにしますが、
無自覚に国を崩壊させるレベルの墓穴を掘ってしまい、
そうと知らずに必死に埋め戻そうと奮闘してただけなんですよね。

しかも、ラオブルートを騎士団長にすることで更に墓穴を掘り進め、
唆されて王命でフェルディナンド様を苦境に立たせたわけで…
それを知っているローゼマインやフェルディナンド様がトラオクヴァールを信頼するかというと…
トルークのことを抜きにしてもそんなはずがないんだよなぁ…

アナスタージウスはローゼマインに促されたとはいえ王子として先頭に立って戦ったし、
マグダレーナ様は王妃なのにマジダンケルフェルガーだったりと奮闘しましたが、
どちらもラオブルートに騙されていたことに気付かなかったツケを払って、
何とか帳尻を合わせようと奮闘していたにすぎないのですよね…
警告を発し続けていたエーレンフェストからすると、功績があるとは見なせないと思います。

それにしてもマグダレーナ様は予想以上に大活躍でしたね。
彼女がいなければトラオクヴァールはアッサリとはるか高みに上がっていっていたことでしょう。
トラオクヴァールの一番の功績はマグダレーナ様を第三夫人に迎えたことでしょうね。
逆に第一夫人のラルフリーダに推薦されたからとはいえ、
碌に過去を調査せずにラオブルートを騎士団長に任命した責任はとても重いですが…

他の王族だと…
ジギスヴァルト王子の見せ場はある意味で次巻ですねw
ヒルデブラント王子は本当に可哀想だとは思いますが、
自分の望みを他者にわかるように見せてしまった脇の甘さが原因でしょうね…
責任はあるけれど、父であるトラオクヴァールの責任の方が大きそうな気がします。

そしてエグランティーヌ様ですが…
幼い娘が居るとはいえ、王族でありながら最前線に立とうとせず、
アナスタージウス王子に守られるだけ、というのがとても甘えているように思えました。
ダンケルフェルガーのハンネローレ様のように最前線で戦えとは言いませんが、
せめてシャルロッテのように後方支援で活躍するくらいはして欲しいですね。
二人と違って成人しているのですし、そもそも王族なのですから。

エグランティーヌ様には幼い頃のトラウマが重くのし掛かってるのでしょうが、
何度も襲撃を受けてきたローゼマインや、
一度攫われ、姉が2年も眠る悲劇を経験したシャルロッテにもトラウマがあるのですから、
甘やかされて乗り越えずに、守られるだけというのは駄目でしょう。

ちなみに特典SSのコルネリウス視点ですが、
レオノーレがとても優秀であることと、
そんなレオノーレのことがとても大好きであることが伝わってきましたw
大変な妹を持ってしまい大変でしょうけど、頑張れコルネリウス兄様…!

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