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:: 2023/10/29 日曜日::

■[ラノベ]魔王の胎動「亡びの国の征服者 ~魔王は世界を征服するようです~」7巻

愛する両親に、愛する伴侶を紹介し、家族を作ることを宣言する幸せな場であるはずだった…
しかし、魔女に唆されたカーリャ姫が愚かにも酒に毒を盛ったために、
愛する両親と義母となるはずだった女王は死に、伴侶のキャロルも瀕死になってしまった。
王鷲に乗って駆けつけて来たミャロのお陰で辛くも窮地を脱出したユーリだが…?

キルヒナでの戦いもそうですけど、ユーリは窮地でこそ輝いてしまうんですよね。
ホウ家別邸が包囲されても精鋭を率いて突破できるし、
王都攻略戦でも先陣を切って突入するし、
魔女たちの陰謀も初期段階で全て看破して次の戦いに備えるし…
本当に、これが魔女たちの陰謀を事前に察知できなかったのが口惜しいですね。
幸せだったことが油断だったとか、思いたくないですよ…

また、ユーリは演説能力も高いんですよね。
事態の内容を端的に、かつ正確に伝えながら部下を鼓舞したり、
その能力を応用してビラを作って王都に撒いて世論工作をしたり…
ホウ社で培った能力と前世の常識を使った奇想天外な策で、
誰もが為し得なかったことを一週間でやりきるとか、本当に有能です。

魔女たちはユーリが分析した通り、狭い王都という世界でぬくぬく育ったマフィアでしかないので、
生粋の軍人家系で育ったユーリからしたらおままごとでしかないんですよね。
ソイムが数百人を相手に無双してたところにそれが端的に表れてましたね。
本物の戦場で生き残ってきた武人とマフィアの先兵じゃ覚悟からして違うわけですよ。
まぁ、闇夜であり、お互いに飛び道具がないという環境が有利に働いたのは確かなんですけどね。

それにしても以前ドッラが指摘していたように、ユーリは会話が成立しない相手は簡単に見限りますね。
まぁ、現代でも会話が成立しない相手がいるので、当然ではあるのですが…
愛する家族を殺されたユーリが容赦なんかするわけがないんですよね。
会話が通じない上に邪魔する売国奴なんて、さっさと殺すに限るんですよ。

それでも理解者であるミャロに、話が通じる同格の相手であるキエンと、
有能な部下であるティグリスに、愛する妻であるキャロルがいるので、
孤独な独裁者にならなくて済んでいるんだけど…
いつまでも全員無事で居てくれるかが分からないのが乱世ですからね。

ユーリ本人は望んでいない、英雄としての才覚が存分に発揮できる時期がやってきたので、
これからユーリはどんどん凄惨なことをやってしまいますね。
そう考えるとキャロルの世話をするリッチェのような存在は貴重です。
彼女視点の短編が有るのは良かったですけど…
彼女もまた、ツラいことを経験するのかと思うと切なくなっちゃいますね…

次回はクラ人たち十字軍との決戦です。
自分たちよりも数が多い相手にユーリが一体どんな悪魔的な策で対抗するのか。
Web版未読の方々は心してお待ちください。
エグいよ…?

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