■[ラノベ]みんな大好き田中ロミオの新作「人類は衰退しました(2)」
人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫 た 1-2)
著者/訳者:田中 ロミオ
出版社:小学館( 2007-12-19 )
定価:¥ 630
文庫
ISBN-10 : 4094510443
ISBN-13 : 9784094510447
天才エロゲシナリオライターの田中ロミオ氏がライトノベルを執筆!
というコピーで期待を集めた1巻が好評だったみたいで無事2巻の発売です。
新人類となった妖精さんと旧人類となった人間さんのまったりマロン風味のお話。
ちなみにマロンは雰囲気と語感が重要で意味はありません。
1話目は妖精さんが作った意味不明で意味がない道具を回収して片っ端から使ってみたら、
妖精さんサイズに縮んでしまい、「私」が弱肉強食な世界を体験する「人間さんの、じゃくにくきょうしょく」
弱肉強食という酷く世知辛く厳然とした世界をミクロでコミカルに書き綴っているのですが、これが凄い。
「私」が突飛な行動したり、鳥に食べられそうになったり、ハムスターさんと交流したりと、
随所に細部まで考えられているのが見て取れるのですが、総括するとほのぼのとして面白い。
このバランス感覚が素晴らしいです。
2話目は助手の人を迎えに行ったら妖精さんのせいで時間を繰り返してしまう、
田中ロミオファンにとってはC†Cでお馴染みのループモノ「妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ」
二度寝三度寝が当たり前で自堕落という言葉がぴったりな上に、
対人恐怖症もとい、人見知りな「私」が異性の助手に会うという大仕事を全うする壮大なストーリー
…という訳でもなく、何となくバナナで滑って転ぶお話ですな。
こんだけダメ人間の主人公なのによくこれだけ面白い話ができるなぁ、と感心する話でもあります。
この作品には一応SF的なものが散見されますが、それはメインではありません。
喩えるならSFはバニラエッセンスなようなものでしょうか。
香りだけを楽しむもので、直に味わったら苦いだけで美味しくない、みたいな。
まぁ、兎にも角にも田中ロミオさんの作品というだけでもお勧めなのに、
これが面白いとなったら強烈プッシュというものですよ。
まだ2巻目ということで手を出しやすいですし、その面白さに触れてみては如何でしょうか。
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