■[漫画]名匠・藤田和日郎が描く新訳御伽草子「月光条例」1巻
月光条例 1 (1) (少年サンデーコミックス)
著者/訳者:藤田 和日郎
出版社:小学館( 2008-06-18 )
定価:¥ 420
コミック
ISBN-10 : 4091214207
ISBN-13 : 9784091214201
「青き月光でねじれた『おとぎばなし』は猛き月光で正されねばならない」
少年サンデーに戻ってきた藤田和日郎先生が描くテーマは何と「御伽草子」
室町時代から親しまれ、現代でもその多くが絵本となり語り継がれる作品を、
藤田和日郎先生が「月光条例」という要素を組み込むことで、
新たな解釈で物語りが紡がれていきます。
青き月光が「おとぎばなし」の世界を照らすと「おとぎばなし」の住人は狂ってしまい、
殺戮と破壊の権化となり、しかもそのままだとその「おとぎばなし」は消滅してしまう。
その「月打」という現象で狂った「おとぎばなし」を正すため、
鉢かづき姫が月光条例の使者として、読み手の世界に飛び込んでくることから物語は始まります。
喧嘩っ早く超ひねくれ者だけど筋が通った主人公・岩崎月光。
彼がたまたま鉢かづき姫から月光条例の極印を刻まれ、執行者となるも、
超が付くほどのひねくれ者なので素直に言うことは聞かず、
幼馴染みの少女エンゲキブに発破を掛けられて動くといった具合なんですが、
そこは藤田作品の主人公、いざという時は熱さ溢れる男っぷりを見せてくれます。
まだ1巻といことで序盤で、まだ「鉢かづき姫」と「三匹のこぶた」の2作品しか出ていませんが、
2巻で描かれる予定の「一寸法師」は新訳と題するに相応しい内容になっています。
単行本の装丁も童話風になっており、色々と新感覚ですが、
主人公の熱さと随所に仕込まれる藤田節は健在なので従来の藤田作品ファンは迷わず買うべきだと思います。
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