本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集3 12月14日発売!
特典SS他、新規短編&中編も多数収録!

:: 2010/10/4 月曜日::

■[漫画]かな編スタート!「とめはねっ! 鈴里高校書道部」7巻

とめはねっ! 鈴里高校書道部 7 (ヤングサンデーコミックス)
著者/訳者:河合 克敏
出版社:小学館( 2010-09-30 )
コミック ( 208 ページ )

縁ちゃんのお祖母ちゃんである大江英子さんを先生に迎えて、
かな編が本格的なスタートすることになるのがこの7巻。
お祖母ちゃんが本当に理想のお祖母ちゃんで凄く穏やかな気分になるんですよね。
上手に年輪を重ねた女性が持つ大らかさと幅広い知識で、
脇道に逸れるようでかなの知識を深く知ることができる授業。
人に教える時は斯くありたいです。

しかしそんなお祖母ちゃんも若い時はやんちゃだったというか何というか。
表紙カバー折り返しのマラソンのエピソードとかアキちゃんがむしろ可哀想で…(笑
親友(だと思っている)アキちゃんへのマラソンの件を含めた数々の仕打ちを知ったら、
そりゃ敵視されても仕方ないと思えて来ちゃいます。

そんな若い頃のお祖母ちゃんと対照的に草食系男子の代表とも言える縁ちゃんですが、
書道の実力は着実に上達しているんだけど、
望月さんの扱いには全く成長が見られないです。(笑
バレンタインの面白イベントを経たけど進展しているのかしていないのか。
本人は女の子らしくしたいけど、根っからの体育会系女子である望月さん相手に、
草食系男子の縁ちゃんがどこまで頑張れるか見物ですね!

まぁ、そんな人間模様が楽しいのは勿論ですが書道に関するエピソードも面白いです。
恋の歌を作りたくてひらがなを創始したという話は私も学生時代に聞きましたが、
それを教えるお祖母ちゃんの語り方が判りやすくて素晴らしいんですよ、本当。
影山先生の蘊蓄語りが当て馬みたいになってるのは少々可哀想でしたが…(笑

終盤からは書道科のある大学でのオープンキャンパス編に突入して、
書の甲子園で登場した京都の大槻さんも再登場です。
お祖母ちゃんの教えで各段にレベルアップした縁ちゃんの活躍に期待ですよ!

関連エントリー


とめはねっ! 鈴里高校書道部 10 (ヤングサンデーコミックス)著者/訳者:河合 克敏出版社:小学館( 2012-08…

とめはねっ! 鈴里高校書道部 8 (ヤングサンデーコミックス)著者/訳者:河合 克敏出版社:小学館( 2011-05-…

とめはねっ! 鈴里高校書道部 9 (ヤングサンデーコミックス)著者/訳者:河合 克敏出版社:小学館( 2011-12-…

とめはねっ!鈴里高校書道部 12 (ヤングサンデーコミックス)著者/訳者:河合 克敏出版社:小学館( 2013-12-…

とめはねっ! 3 (3) (ヤングサンデーコミックス)著者/訳者:河合 克敏出版社:小学館( 2008-04-04 )…


 Comments (3)

3 Comments »

  1.  おおぉ? コメント欄が……、残ってますね。書いちゃって良いのですかね? 問題があったら本当に容赦なく無言でバッサリ削除して戴いて構いませんのでホントに。それを以て以後、コメント欄に対する書込の可否を判断致します。

     
    >「とめはねっ!」七巻

     世にも珍しい書道漫画(ばからもんが初ですかね?)である「とめはねっ!」七巻が発売されました。本巻で主体となる「平仮名の部」にて「高野切」が登場しますが、……すっごい綺麗な書面ですなコレ。どうやったらこんなにしっかり柔らかい線を描きながら筆が返せるんでしょうねぇ? 昔の人、凄いなぁ……。思った通りの線が実際の書面に書けなくて本当に自分が恥ずかしく思いますものね、私……。熱田神宮の宝物館に展示されていた日本書紀も凄い上手でしたし……。
     さて、仮名編ですね。大江先生(縁のおばぁちゃん)が指導された「一本の線で連続した円を描く」書法は、肩と肘と手首をやや固定気味に、漢字とは違って身体にて横の動きを意識して筆の高さは関節に力を込めて力を流しながら固定する事で出来ます。個人的には「わ」と「る」と「ゑ」と「ゐ」と「ぬ」が連綿の筆遣いで上手く書ければ基本は押さえられているのではないかなぁという印象です(私が苦手なだけかも知れませんが)。理想は一息でザッと書いちゃう事ですから、漢字の書のように一字を記して息抜きが取れない点は確かに辛いw あと、字の表現は肩で身体全体を用いる漢字の書に対して、手首と肘の微妙な力加減で表現するという全く逆の手法が用いられますので、大槻ちゃんが発言した通り「漢字を学んだ後に仮名を学んで大成した書家も多い」のはこの点ですなー。細やかな筆遣いが重視されます。

     で、実は七巻だけ読むとちょーっと仮名に関して誤解が生じるような印象があったので少しだけ影山先生的な文章をば。平仮名に関しては「とめはねっ!」の一巻から七巻を全て通した上でのお話と考えて下さい。「漢字仮名交じりは元来、最近まで書としては正式なものでは無かった」とか「日本の公文書は漢文体である」とか既出ですので、これまでに出た知識と合わせて覚えて頂ければ幸いですね。どちらがとは中々に発言しづらいのですが誤解を恐れず敢えて申し上げるのなら、公的には平仮名より片仮名の方が地位は上だったりするので、片仮名の説明がバッサリ略されてしまった印象からどうしても軽く感じちゃいますが決してそうではありませんので誤解無きようお願い申し上げます(片仮名は漢文に付随するのでどうしてもそうなるのですよねー。かといって社会的には「漢文が使えるなら平仮名が全く読めなくても使えなくても良い」という点には絶対に行き着きませんので、この点も誤解無きようお願い申し上げます)。この辺りは「暴れん坊少納言(かかし朝浩著/コミックガム)」も併せて読んで頂ければ判りが良いかもしれません。
     しかし、私は書道としての仮名はまるで未経験ですが、いきなり教育勅語辺りから入っちゃうんですねー。ちょっと感嘆。西行や宗祇辺りの詩を臨書するものとばかり思ってました。

     前巻の六巻に登場しました大槻藍子さんが意外な場所で登場しますが、個人的に縁は大槻ちゃんとくっついて欲しいなぁとか思ってますw 絶対に良いペアになると思うのですが、オープンキャンパス編が終わってしまうとまた京都に帰ってしまうのだろうなぁと、ちょっと寂しい思いです……。あ、個人的に好きなのは鵠沼高校の書道部副部長、見城美弥子さんなので。地味な子(失礼!)が大好きです。しかも縁の下の力持ち。
     しかし、基本的には東より西に行く事が圧倒的に多いので私の言葉遣いも基本は西方面のちゃんぽんなのですが、「ふおんコネクト」で「ホントに誤解されます;」は私もちょっと吃驚だったりw 「ちょい面(つら)見せぇな」とか普通に言いません?(悪印象の方は「面(つら)貸しや」になりますかね?。同じ漢字でも「おもて」と読む場合もあるので難しい)

     
     さて最後に、日本語に限らず「言葉」という代物は歴史のマテリアルですから自ずと彫り進める内に様々な学問分野を内包する事になります。歴史は当然ながら勅撰和歌集としての万葉集(益荒男。男性的な詩が多い)と古今和歌集(手弱女。女性的な詩が多い)にも代表されますが、日本書紀となると漢文体、逆に古事記は万葉仮名遣いです。私も基本、影山先生のタイプなのでちょっと手前味噌みたいで恐縮なのですが(自虐的な笑)、書を学ぶに於いては自然とそういった素養も求められるのは覚えておいて頂けると有り難いですね。

     あと、コッソリと帯ギュのキャラが相変わらず出演しているのがファンとして嬉しいw

     
    >中国嫁日記さん とてもきれい好き!

     えー、関連するような形で「おたくのヨメちゃん」読みました。
     少なくともフランさんは絶対に世の理不尽さを呪う権利があると思います(断言)。イヤ、酷い言い方をしますとまだ「実録鬼嫁日記」みたいな感じで御自身の趣味と衝突している部分が赤裸々に描かれているのなら溜飲が下がるには下がりますよね? しかし何ですかこのヨメちゃんの天使振りは? 世の女性は少なくとも薄くて高価なB5サイズの本を定期的に(註:イベント毎に)購入している男性を最も嫌うのでは無かったのですか? レッドデータブックの大和撫子は既に絶滅が確認されたのではなかったのですか!? 個人の専有が許されて良い存在では無いと思いますので今すぐヨメちゃんは手厚く国で保護して下さい。

     えー、読めば読むほど『その理屈はおかしい』と突っ込みたくなる実録同人誌「おたくのヨメちゃん」はフランさんのサイトで既に紹介されております。私からもお薦めします、というか、

     みんなで読んで血涙を流そうぜ☆(2010/9/19 日曜日)
    ttp://www.furanskin.net/?p=7154

     ……社内恋愛って既に死語ですよね……?

     
    >真月譚月姫 9 (電撃コミックス)

     元の物語とキャラクターが魅力的な上に作者チョイスも桐嶋たける先生だったり佐々木少年先生だったり武梨えり先生だったり、殊タイプムーン作品に関して殆ど外れた事がない点は特筆すべきですよねー。大王本誌より大幅加筆という事で最終刊が楽しみです。武梨えり先生の飄々としたアルクも相当に好きです。

     
     あ、そういえばひょころーさんのお宅で次作の同人誌、「俺の妹~」の麻奈美本ネームが小さくですが公開されてますので、宜しければご賞味下さい。

    コメント by Mya — 2010/10/7 木曜日 @ 14:34:53

  2. >おおぉ? コメント欄が……、残ってますね。書いちゃって良いのですかね?
    すみませんー、はてブのボタンとか設置するためにphpいじったらコメントのとこ表示が消えてましたー
    これで直ったはずなので今後とも気にせずコメントよろしくお願いします!

    あと基本的に私がコメント返信しないスタンス(返信してたら時間食いまくって更新する時間がなくなる経験アリ)なのでアレですが全部読ませて頂いてるんでー
    今後ともご贔屓にお願いします。

    コメント by フラン — 2010/10/7 木曜日 @ 23:35:28

  3.  わざわざの御返答、ホンッキで痛み入ります! やはりインターネットは相互一方向通信になってしまいがちですので、長期の出入りとなるとサイト主様のお顔を汚していないかご迷惑をお掛けしていないかが個人的に凄く不安になるモノですから、実にお手間お掛けしました。無論ながら今後とも贔屓にさせて頂きます! フランさんの宣伝のお陰で今月号のヤングエース表紙を飾った「鬼灯さん家のアネキ」が欲しくて辛いです!

     六日に発売されたばかりの「センゴク外伝 桶狭間戦記4」を熟読中ですが、何方の筆かは分からぬモノの崩し字が実に上手い、と思いつつ字がやはり読めませんw 左から順に「太原崇孚雪斎」「斉藤山城道三」「今川治部大輔義元」「左兵衛信賢」「伊勢守信□」、最後が読めずに頭を垂れました、敗北。伊勢守なので岩倉織田家でしょうから追放された伊勢守信安かしらと推測しているのですが、……「安」ってこんな風に崩しますかね!? 絶対にウ冠ではない気がするのですが、何方か正解を……。

     ちょっと上の文章でぼかして書いてしまったので、誤解を避ける為に平仮名について補足させて戴きたいのですが、まず第一に平仮名は「書き言葉」です。が、江戸期の日本は特に各藩の間で人の往来が固く禁じられていたので、その書き言葉ですら方便の様な発達をしてしまい「書き言葉が同国内で違う字を当てられている」という事態が極めて先鋭化されてしまいました。是を国際化に向けて統一したのが明治政府なのですが、いきなり全て排すると混乱が起きるという事である程度の幅を持たせた結果、縁のおばあちゃんが発言した通り「一つの音に複数の字が充てられる」結果となった訳ですよ。五十音に対して平仮名がそれぞれ一文字ずつになったのがここ最近の事なので、実は「一つの音に対して複数の字が当てられていた時代の方が遙かに長い」のが本当だったりしますね。統一した事によって今の日本は「書き言葉なら全国で統一(話し言葉は通じない事も間々ある)」ですが、表現の幅がトレードされてしまったのでどちらが良いとは中々に言い辛いのが本音ですかね? 読めない方が良いか勉強の少ない方が良いか、初等教育で詰め込んでしまった方が拒否反応は少ないのは確かですが……(←凄く苦労して後悔しているヤツ)。フランス語なんかは未だに言葉遣いで出自が一発にてバレるらしいですし、この辺りは本気で判断が難しいです。

     で、平仮名だけでこんな感じの長文になってしまうので、此処まで触れて何ですが和歌については割愛させて下さいませ。アレですよ、一昔前の「女性を誘うなら高い乗用車が必須」に似たものと思って頂ければ概ね間違いは無いかと……。それと、意思疎通に「和歌を差し入れる」という習慣(流行?)があったという二点ですかね? 返歌に対して上手く結びを入れられないと逆に凄い恥を掻かされてしまうので、教養の高い女性を誘うにはハードルが高い時代でもありましたw(実際、枕草子で詩によって簾越しに追い返した話があった気がします) そして松尾芭蕉が

    「西行の和歌における、宗祗の連歌における、雪舟の絵における、利休が茶における、其貫道する物は一なり」

     と称した通り、西行法師が和歌を現代の形に完成させたとされております。平安朝の文化が和歌の完成に大きな役割を果たしたのは間違いありません。

      
    >あさひあげさん 和洋折衷な装いの雪女さん

     私はこの外套が凄いなぁと感心してしまいました。凄い格好良さと色彩統一感です。サイドにぷよぷよ浮いていて、浮遊感のある装備が凄く好きです(恐らくゼノギアスのクレスケンスで覚醒)。あと、厚着と広いおでこと大きい衣装が目立つ痩躯も大好きですムッハー。
     そして黒ストは正義。

     
    >兎肉は食べたことないなぁ…

     私もラムとかシシカバブとかならありますが、兎は無いですね(馬肉とか猪肉とか日本の四つ脚肉は大方、食べてると思います)。個人的に「愛玩目的だけの動物」と脳に刷り込まれた動物のお肉を戴くのは中々に大変なのですが、これもまた人間の身勝手ですね……。

    コメント by Mya — 2010/10/8 金曜日 @ 21:11:57

RSS feed for comments on this post. TrackBack URL

Leave a comment

HTML convert time: 0.517 sec. Powered by WordPress