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:: 2011/3/8 火曜日::

■[漫画]戦慄の御堂筋!「弱虫ペダル」16巻

弱虫ペダル 16 (少年チャンピオン・コミックス)
著者/訳者:渡辺 航
出版社:秋田書店( 2011-03-08 )
コミック ( ページ )
作者サイト:「弱虫ペダル」と「まじもじるるも」の制服ブログ箱

未だかつて無いほどに禍々しく、強烈な印象を与える表紙の16巻。
王者、箱根学園の最強スプリンター新開と圧倒的な悪役(ヒール)、御堂筋とのスプリンター勝負。
その決着が序盤から描かれるということで最初から盛り上がりが最高潮ですが、
その結果は強烈であり、無常でもあるものでした。

トラブルを抱える総北を引き離し、鎬を削る勝負をする箱根学園と京都伏見。
特にこの16巻では表紙になっているように御堂筋のオンステージで、
箱根学園に対する心理攻撃を含めて中々にストレスフルな口撃を行ってくれます。

それに対する箱根学園は意外とメンタルが弱い泉田以外は威風堂々。
泉田以外は以心伝心、目標に向かって揺るがない鋼鉄の意志を見せ、
これぞ強者、これぞ王者、と思わせる風格があり、
総北のライバル的なポジションながら格好良さに痺れるものがあります。

そしてそれに憧れを抱いてしまうのが京都伏見の元エースナンバー、石垣。
彼の脳裏に浮かび上がるのは御堂筋と出会う前、箱根学園のようなチームを作りたかった理想。
そして御堂筋と出会ったことで理想とはかけ離れてしまったチームの現状。
しかし、有り様はどうあれ、求めて止まなかった勝利の二文字が目の前にある葛藤。
必ずしも目立つ存在ではない石垣ですが、彼が見せてくれた苦悩はどこか魅力的に感じられました。

そんな鍔迫り合いの勝負の後方での光景が、これまた涙腺を緩ませてくれます。
何度も挫折を乗り越えてきた巨躯の男、田所をして絶望させた状況の中、
諦めずに必死にペダルを回してきた坂道が見せる自転車の楽しさ。
苦難を乗り越えたのに誇らず、ただやり遂げた男の意志を宿らせる坂道の瞳には、
吸い込まれそうな魅力があり、やはり坂道が主人公だと強く感じさせられたのでした。

それにしても、巻末おまけ漫画の弱虫ペダル誕生秘話ですが凄く興味深かったです。
旧サイトでの日記とか諸々からある程度は知ってましたが、
編集T氏の助言で自転車漫画が、編集長S氏の助言で坂道が生まれてきたという話は、
自分の中にあった「古き良き漫画家像」そのままでちょっと感動しちゃいました。
特に編集長が渡辺航先生の作品を読んでるからこその助言はさり気ないけど良かったなぁ。
チャンピオン編集部もカッコイイな、コンチクショウ!

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 Comments (1)

1件のコメント »

  1. でも自分でも多少チーム連などにも参加して、レースを視聴するのが趣味な俺からすると
    御堂筋の言うことも確かに真実だよなあと思うのです。
    そして御堂筋もそれに見合った練習はしてきているだろうし。
    少年漫画の「友情」の部分としては総北や箱学が正解ですが、あのストイックさも確実に必要な要素。

    そんなわけで二日目は絶対御堂筋にとって欲しいなあと思う今日この頃なのでした。

    コメント by ボブJr — 2011/3/10 木曜日 @ 11:39:22

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